「健常者」だけではない!「障害のない人」の呼び方

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Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash

障害者の呼び方は、障害種によって様々なものが存在しています。反対に、健常者すなわち「障害のない人」の呼び方もまた様々です。「何の障害があるか」で障害名が変わるように、「何の障害がないか」でもそれぞれに違った名前があります。よく使われるものを紹介しましょう。

健常者
障害者の対義語としてよく挙がるのが「健常者」ですが、画一的な定義や基準というものはありません。グレーゾーンでも法的には健常者となりますし、文脈によっては「その障害を持たない全ての人」という意味で使われることもあります。極端に言えば、「下肢障害者は健常者に比べて~」という書き出しならば、「下肢障害を持たない全ての人」が健常者ということに(便宜上は)なります。というか、その程度の文脈くらい読んでください。

定型発達者
定型発達者とは、「発達障害のない人」を指します。発達障害のない知的障害者も定型に当てはまります。発達障害とはグラデーションのようなものなので、グレーゾーンでも支援を受けられることがあります。忖度が出来て冗談も分かり、静と動を適切に切り替えられ、社会への適応性が高いとされています。その割にはコミュニケーション面で“察してちゃん”で“こだわりの強い”側面もあるのですが、マジョリティなので許されています。

晴眼者
晴眼者は「視覚障害のない人」とりわけ「全盲・弱視でない人」を指します。障害の種別や程度が何であれ、目が見えていれば「晴眼者」となります。ちなみに、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取れる専門学校はほとんど視覚障害者向けです。江戸時代に視覚障害者の就職口として定着した名残だそうです。

聴者
聴者は「聴覚障害のない人」を指します。聾者の逆が聴者という論理で言われるようになったそうです。とはいえ、あまり馴染みのない言葉ですし、単に「聴いている人」を指すこともあるので、文脈を読まないと判別のつかないこともありそうですが。

こうして並べてみると、全部「健常者」でよくないかとも思えてきます。「晴眼者」もいつ頃から使われだしたか分からないので。ただ、文脈の読めない人や「健常」の字義に拘泥する人などがいるために、障害種別で対義語をチマチマと作っているのではないでしょうか。それにしては肢体障害や知的障害に対義語がないようですが、やはり言葉遊びは「遊び」ゆえに本気では取り組めないのでしょうか。


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遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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