発達障害の診断・検査は受けるべきなのか?発達障害者になるメリット・デメリットは?

発達障害

unsplash-logo José Alejandro Cuffia

発達障害と聞いて、よいイメージを持たれる方は、まだまだ世の中には少ないと思います。そんな世の中なので、自分が発達障害かも知れないと思っても、検査にも行けない方々も世の中には数多くいらっしゃることと思います。しかしながら、早めに診断・検査を受け、自分の特性を理解し、社会に適応していくのといかないのでは、歳をとるにつれ、その苦悩の差は大きくなっていくと私は考えます。本コラムではその理由や、もし発達障害者になった場合のメリット・デメリットについて記載したいと思います。

発達障害の発見が遅れることによるリスク

私、個人として発達障害は、早期に発見し、それへの対処を心得ておくべきと考えます。それは、発達障害が原因による二次障害、合併症を引き起こすリスクがあるからです。事実、二次障害が出てから、発達障害が判明することはよくあります。特に私の様に、子ども時代に発達障害への社会的な認識が低かった世代の方々に、こういったケースが多いのではないでしょうか?これは今、大人の発達障害やグレーゾーンという言葉で、社会でも話題になっているかと思います。

【発達障害の代表的な二次障害、合併症】
・気分障害(うつ病)
・双極性障害(躁うつ病)
・不安障害(神経症)
・依存症・嗜癖行動(覚せい剤依存、アルコール依存、過食症、ギャンブル依存など)
・行為障害(非行)
・反社会的行動(犯罪)
・パラフィリア(異常性愛)
・パーソナリティ障害
・チック症
・トゥレット症候群
・学習障害

発達障害の疑いがある場合は、二次障害に至る前に、診断・検査を受け、自分なりの対処方法を確立しておくことが望ましいでしょう。例えば私の場合、うつ病を何度も繰り返し発症していましたが、その根本原因に発達障害があるとわかり、再発防止策が打ちやすくなりました。発達障害といった根本原因がわからなければ、今後も二次障害を何度も再発してしまうことが考えられました。

発達障害者になるメリット・デメリット

そうは言っても、実際に発達障害の検査を受け、発達障害者になることには抵抗のある方々も世の中には多いと思います。発達障害の診断を受け、障害者手帳を取得し、障害者になることの主に就労面でのメリット・デメリットを整理したいと思います。

【就労面でのメリット】
・就職において民間企業で2.2%の障害者枠が使える。
・ハローワークの障害者専門援助部門での相談ができる。
・障害者職業センター、ジョブコーチなどの支援が得られる。
・特性に合ったジョブマッチングを行える。
・トライアル雇用(実習)が活用できる。
・障害者への助成金等の経済的な支援を受けられる。
・仕事内容や労働時間、職場環境を配慮してもらえる。
・ある決まった特定の仕事(定型業務)だけを続ければよい職場が多い。
・医療機関への通院時間が確保でき、服薬もしやすい。

【就労面でのデメリット】
・正社員としての正規雇用が減り、パートや派遣など非正規雇用が多くなってしまう。
・選べる会社、職種の選択幅が狭くなってしまう。
・給料等の労働条件面で、一般の従業員と同等の扱いを受けられなくなる。
・職種や業務内容が定型作業や単純作業中心となり、大学や専門学校で得た専門知識が役立たないことが多くなる。

数だけを見るとメリットの方が多いですが、デメリットは個々が就労に対し、インパクトの強いものとなっています。

発達障害者雇用の未来について

今後の時代の流れとして、日本でも障害者雇用は増える傾向にあります。身体障害者が主流であった障害者雇用が、今後は精神障害者の障害者雇用にも拡大していくことは間違いないでしょう。法的な整備についても、今後障害者雇用に厳しくなる事は、国際的な基準でも考え難いことでしょう。

もう一つ、時代の流れとして意識しておきたいのは、ITやAIの導入により、今後、世の中全体として、定型作業、単純作業は減っていくということです。日本では少子高齢化が進み人口が減少する中、企業としては、定型作業や単純作業には、賃金が低くても働く外国人労働者を雇用する流れもあります。

これからは発達障害者も自分の強みである特性を活かした領域で、勝負できることが望ましいと考えます。

最後に決めるのは自分自身

特に大人の発達障害と言われる様な方々で、これまで一般雇用で働かれてきた方々にとって、障害者雇用になることは、大きな抵抗があるでしょう。ただ、もし障害者手帳を取得し、障害者になったとしても障害者雇用でなく一般雇用で働くことや、一般採用で就職・転職活動することはできます。また、生きづらさを全く感じなければ障害者手帳を更新しないという選択肢もあります。一般雇用で働いた場合、企業から障害への配慮は得られませんが、医師などと連携し合いながら、特性に応じた対処は個人的には行えるでしょう。

従って、上記のメリット・デメリットや、自分の社会での生きづらさの度合いを総合的に考えて、障害者雇用となるか、一般雇用となるかは判断すればよいと思います。他人から、障害者雇用にしておけと言われたから障害者雇用となったり、その逆についても私個人としてはお勧め出来ません。自分の決断ではなく他人の決断での人生には、大きな後悔が生まれるからです。最後に決めるのは自分自身だと私は思います。

本コラムが、自分が発達障害かもしれないと感じられている方々に少しでもお役立ちすることを願っています。

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AKIRA

AKIRA

IT業界で社会人生活を開始し、うつ病を発症。20年近く働き続けるも、体調悪化で転職を何度か経験。その後、自閉症スペクトラムが確認され、根本治療に乗り出す。現在は、脳科学やマインドフルネスを独学で学び、就労移行支援所で、学んだ事を検証して体調が大幅に回復。趣味は野球とビジネス書の読書。最近は脳科学に関する本を読みあさり、オタク化が進行中。

発達障害 うつ病 双極性障害(躁うつ病) パーソナリティー障害

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