「てんかん」とは?~病気を正しく理解し、付き合おう。

その他の障害・病気
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「てんかん」は、脳の障害です。突然意識を失い、反応がなくなったり、痙攣などの症状がでます。古くより知られる疾患のひとつで、歴史上の人物ではソクラテスやガイウス・ユリウス・カエサルが発症していと言われています。

てんかんとは?

てんかんは、かつて「子どもの病気」といわれていましたが、現在では老若男女問わず発症することがわかっています。 「てんかん」だと診断される患者は人口の約1%程度です。なので、日本では約100万人の患者が居ると思われています。また、生涯を通じて1度でも発作を経験する人は人口の約10%、2度以上は人口の約4%程度といわれています。

発症が多い病の1つで、初めての発症は赤ちゃん、幼児期であることが多いです。発症人数は高年齢になるにつれて増加していきます。てんかんは、予防不可能でなおかつ完治も不可能ですが、大部分はコストを安く抑えられて症状の管理が可能な病気です。症状を抑えるため主に「抗てんかん薬」が用いられ、薬を飲み続けていれば、発症を抑えることができます。

どんな症状?

脳の発作は人により違います。主な発作の内容には下記のようなものが挙げられます。

ミオクローヌス発作意識を失うまでのことはないですが、身体の筋肉が痙攣を起こします。

欠神発作長ければ15秒程度意識を失います。周りからはボーとしているように見えてしまいます。

単純部分発作痙攣の症状が身体の一部から全身にわたります。その後、意識がなくなることがあります。

強直間代発作突然意識を失い、身体が硬直する発作を引き起こします。その後、倒れ全身に痙攣の発作が見られます。

てんかん発作の仕組み

脳には神経が集中しており、さまざまな情報が処理されています。そして、身体は主に脳からの命令によって動かされています。また、その脳神経は興奮と抑制によって動いています。興奮が強くなりすぎると抑制が働いて興奮を抑えたりします。しかし、てんかんの場合は興奮が強くなりすぎたり、抑制が効かなくなったりして、結果的に痙攣を起こしてしまいます。

てんかん発作の誘因

てんかん発作の誘因は、例として以下のものが挙げられます

光刺激 ・1秒間に20-50回前後の光の明滅で発生することもあります。 飲酒 ・大量飲酒でなくても、身体が酔いから覚める際にてんかんの発作が起こることが多いです。

身体的ストレス ・過度の疲労でもてんかん発作は起こりえます。仕事以外にもスポーツを行ったことにより起こることもありえる。首を上に傾けている動作を長く継続していることで発作につながるとも言われています。

心理的ストレス ・「発作が起こるかもしれない」などの精神的不安感。環境変化。勤務先での仕事内容の変化。旅行や車での移動による環境変化など他人から見れば些細なことでも発作を起こす場合もあります。

睡眠不足 ・睡眠が十分にとれていないために疲労や服薬効果のバランスが乱れ発作の原因になります。

てんかん発症患者に課される制限

てんかんを持つ方々は以下のような事が制限されてしまいます。

乗り物を運転してはいけない ・例外があります。その場合条件が法律により定められています。

就ける職種が限られる ・高所での業務、理学療法士など医療業務の就職が難しいです。

薬との相性のため食事制限がある ・薬の副作用がでる恐れがあるため、食事を制限されます。

水泳を行う際、監視が必要 ・いつ発作で倒れるか分からないために監視が必要です。 ・発作が完全に抑制されていないときは入浴も注意が必要です。

上記のことは当事者以外にも、その周りの人も細心の注意が必要です。

てんかんが発病する要因は様々なものがあります。しかし、てんかんの多くは原因不明です。それでも、てんかんを起こしやすい傾向を持っている人が居ることはわかっています。多くの場合、遺伝しないとされていますが、一部「てんかんをおこしやすい傾向」が遺伝してしまう可能性もあると指摘されています。

「てんかん」は身近な病気です。医療機関だけでなく周りのサポートも大切なのです。

参考文献

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org

てんかんinfo
https://www.tenkan.info

rusp

rusp

ADHDと書痙ジストニア持ちの三十路男性。体を鍛えることと遊ぶことを中心に生活している。ボイスチャット大好きで家に帰ると誰かしらと喋っている。

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