パラリンピック・車いすバスケットボール編~車いすバスケットボールのルールは?

スポーツ 身体障害
車いすバスケット

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車いすバスケットボールは、下肢などに障害がある選手が5対5で車いすに乗って戦うバスケットボールです。コートの大きさやゴールの高さ、ボールなどは通常のバスケットボールと同じでルールもほぼ同じものが適用されています。競技の対象障害は、下肢に障害のある肢体不自由です。

車いすバスケットボールのルール

◇1試合10分のピリオドを4回行います。第1、第2ピリオドの間と第3、第4ピリオドの間に2分間のインターバルがあります。第2ピリオドが終了した後に10分間のハーフタイムがあります。また、延長の場合は、1回5分の延長ピリオドで決着がつくまで行います。

◇障害の程度によって持ち点1.0点~4.5点(0.5点きざみ)まで持ち点が与えられており、コート上でプレーする5人の持ち点を14.0点以下にしないといけません。(※ 障害が軽いほど数字が大きくなります。最小は1点から最大4.5点まで)

例)
1点・・・車いすの座位バランスがとれない為、背もたれから離れたプレーはできません。

4点・・・ごく軽度の下肢障害を持つ選手です。どんな状況であっても両側の体幹を身体の横に曲げることが可能です。

◇ボールを持ったまま車いす2プッシュまで漕ぐ事が可能です。(プッシュ=車いすを手で漕ぐこと。2プッシュなら2回。)

◇車いすは身体の一部と見なされるため、相手の車いすを掴むと反則になります。

◇トラヴェリング・・・選手がボールを持っているときのプッシュは、連続で2回までです。3回以上プッシュするとトラヴェリングとなり、相手チームのスローインとなります。

◇ダブルドリブル・・・車いすバスケットボールは、ダブルドリブルは適用されません。車いすを漕ぐのが2回以内でドリブルすれば、また漕いでよいことになっています。(以下、何回でもできます。

◇車いすが転倒したら・・・試合中に車いすが転倒した場合は、自力で起き上がらなければなりません。起き上がることができない場合、試合を一時中断し、スタッフ、選手が手伝います。もボールを持ったまま転倒した場合、相手チームのスローインとなります。

【時間制限】

◇時間制限3秒・・・攻撃側の選手は、攻める側の制限区域内に3秒以上とどまってはいけません。

◇時間制限5秒・・・①スローインは5秒以内にしなければいけません。②フリースローは審判からボールを手渡されてから、5秒以内にショット(シュートの正式名称)をしなければなりません。③ボールを持ったら5秒以内に、パス、ドリブル、ショットをしなければなりません。

◇時間制限8秒・・・ボールを持ったチームは、8秒以内にバック・コートからフロント・コートへボールを運ばなければなりません。

◇時間制限24秒・・・攻撃側のチームは24秒以内にショットをしなければなりません。

*バック・コート・・・バックコート(back court)とは、センターラインで分割したときのディフェンスをする側のコート
フロント・コート・・・フロント・コート(front court)とは、センターラインで分割したときのオフェンスをする側

競技用の車いす

車いすのサイズには細かな規定があります。例えば、タイヤの直径は最大69cmと決まっています。大会では規定通りのサイズかどうか採寸されます。

また、車いすは競技特性に合わせて進化しており、急発進や細かいターンなど、この競技ならではの動きをサポートします。例えば、タイヤには傾斜がついており、ハの字に取り付けられています。そのため車輪の回転性能が高く、より細かな動きが可能です。また、素材は軽くて丈夫なアルミやチタンなどで、耐久性と軽量性の両立を実現しています。トップ選手たちが使用する車いすは選手たちに合わせて作られたオーダーメイドで、フレームやシートの幅、高さなどをミリ単位で調整されています。

車いすならではの戦い

車いすで有利な状況を生み出す戦術に、「バックピック」というものがあります。車いすバスケットボールではしばしば、攻守が交代した後、選手が自陣のコートに留まっている光景を目にします。これは相手選手を攻撃や守備に参加させないようにしているのです。例えば、相手チームのエースを自陣のコートに留めて攻撃に参加させないようにすれば、得点源を失った相手チームのリズムを崩すことができます。また、相手の守りの要となる選手を守備に加わらせないようにすることで、試合を有利に運ぶことができます。その他にも、障害の重い(動きが遅い)選手を止め、その選手よりも先に攻撃側コートに到達することで数的有利を生み出すプレーなど、状況に応じて誰を止めるかを使い分けます。このような車いすバスケット特有の駆け引きも魅力の一つです。

車いすの精密な操作によって生まれるダイナミックなプレー、通常のバスケットボールと同じ高さのゴールへの豪快なシュートが車いすバスケット最大の見どころです。

参考文献

【JWBF】
https://www.jwbf.gr.jp

【日本パラリンピック委員会 車いすバスケットボール】
https://www.jsad.or.jp/paralympic/index.html

障害者ドットコムニュース編集部

障害者ドットコムニュース編集部

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