自閉症スペクトラム障害の障害者が考える~友達作りの難しさと友達の大切さ

発達障害 暮らし

出典:Photo by Robert Collins on Unsplash

皆さんは友達を作るのは得意ですか?私は苦手です。私の様に自閉症スペクトラム障害があると多く場合、友達を作ることが苦手です。これから、なぜ友達作りが苦手なのか、私の実体験も踏まえて書いていこうと思います。

自閉症スペクトラム障害の特徴と友達作り

自閉症スペクトラム障害には、様々な特徴があり、その中に対人関係が苦手という特徴があります。対人関係が苦手ということは、友達を作ることも苦手です。だからこそ、やっとできた友達のことを大切に感じています。

友達作りに苦手意識をもち始めた少年期

私は幼い頃、病弱で入退院を繰り返しており幼稚園にもあまり通えずにいました。そのため、友達と遊ぶということがあまりできませんでした。また、小学生の時にいじめに遭ったので、友達になりたいと思いながらも「もし、『嫌だ』と言われたらどうしよう」「裏で悪口を言われていたらどうしよう」と考えてしまい、なかなか友達ができずにいました。この頃から私は、「友達作り」に対して苦手意識を持つようになりました。

初めてできた友達と気持ちの変化

私は、いじめの経験から人間関係をリセットしたく、私立の中学校に進学しました。今度こそ友達作りをがんばろうと意気込んでいました。しかし、周りのクラスメイト達にどんどんと新しい人間関係が出来ていく中で、私だけ話しかけられずに独りぼっちでいました。やがて孤独感と惨めな気持ちを抱くようになり、ある日登校途中で学校に行くのが嫌になりました。それから徐々に学校をサボるようになっていのです。

しかし、1年ほどの時間の中で、同級生のなかにも自分と同じ趣味を持つ人がいると気付き始めました。やがて、少しずつですが話ができるようになりました。それから3ヶ月も経つ頃には一緒に遊びに出かける友達になったのです。初めて「友達」と遊びに行けて「嬉しかったし、すごく楽しかった」のを覚えています。

折角できた友達と違い、高校は地元の高校に進学しました。公立の高校ということもあり、入学時にはすでに人間関係が形成されていたので、私は学校ではまた「独りぼっち」に逆戻りしてしまいました。しかし、中学生の頃とは違い、惨めな気持ちは一切ありませんでした。なぜなら、学校は違っても休日に一緒に遊びに行ける「友達」がいたからです。なので「独りぼっちでもいいや」と開き直り、学校でも(校則上問題が無かったので)趣味のゲームや漫画に没頭していきました。すると、周りから趣味が一緒ということで話しかけられていくうちに新しい友達ができたのです。

中学高校と時間はかかりましたが、仲の良い「友達」を作ることができ「友達作り」への苦手意識を少しですが克服できたような気がします。

折れた心と友達の存在

大学に進学すると、通学時間が片道2時間もかかるので、私はサークルや部活動にも参加することができませんでした。そして、気が付くと自分以外の周りの人は人間関係を完成させていました。私は少し克服できたとは言え、対人関係に苦手意識があるので、より孤独感に襲われました。また、同時期に大学の教授とトラブルがあり、人生で初めて教師に対する不信感を抱きました。その他にも様々な理由でで精神的にしんどくなり、やがて学校に行かなくなり、ついには大学を中退することになりました。

退学する直前は「死にたい」「消えてなくなりたい」などのネガティブな考えで頭がいっぱいでした。そんな時、助けになったのが中学高校の時の友達の存在でした。友達と出かけたりすることで、気分を紛らわせることができ、徐々にネガティブな気持ちは薄れていったのです。

私にとっての友達とは

私は今まで、何度も独りぼっちを経験し、何度も辛い思いをしてきました。時には、「死にたい」とまで考えたりもしました。しかしそれ以上に、楽しい思いや嬉しい思いを友達にさせてもらいました。もし、私に「友達」という存在がなかったら、もっと完全に心が折れてしまっていたかもしれません。例え死にたいと考えても、友達がいるから踏みとどまることができる。私にとって「友達」はそれだけ大きな存在なのかもしれません。

新人ヤロテスタント

新人ヤロテスタント

23歳の男性です。身体と精神障害者手帳持ちで現在就労移行支援制度を利用中です。趣味はゲームとアニメ鑑賞です。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

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