映画「旅立つ息子へ」&「LITALICO発達ナビ」オンライン合同イベントレポート③~自粛期間中のストレス

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◀過去の記事:映画「旅立つ息子へ」&「LITALICO発達ナビ」オンライン合同イベントレポート②~自立という厚い壁

映画「旅立つ息子へ」の上映に先がけて「LITALICO発達ナビ」がオンラインでのトークイベントを開催しました。リモート通話による3人のトークが生配信され、映画に関連したアンケートの結果を解説しながらそれぞれの意見が表明されています。


コミュニケーション・自立ときて、次は自粛環境下におけるストレスの話題となりました。外出自粛によるテレワークの推進などが障害者にとって追い風になるかと言うと、必ずしもそうとは言えない結果が出ています。

出席者(敬称略)
牟田暁子(LITALICO発達ナビ編集長)
橋謙太(ファザーリング・ジャパン)
田中康雄(北海道大学名誉教授・児童精神科医)

ティーンの1年はデカい

牟田「話題は変わりますが、現在コロナ禍のストレスについても声が挙がっておりますので、そちらのアンケート結果も出したいと思います。やはり外出しづらい状況でストレスを溜めているというのが一番多く挙げられていました。次に感染のリスクや不安ですね。三つ目に休校などで見通しが立たなくなってのストレスが挙がっています」

橋「娘は友達が大好きで、丁度去年の今頃学校へ行けなかったときはダメージを受けていました。直接会えない孤立感はありましたね。6月頃に再開されましたが、週末遊びに行くことが出来なくなりまして、高校生活最後の一年をつまらなく過ごさせてしまった残念さはあります。家の周辺を散歩する程度はしていたので、親子関係は逆に良好となりました」

コロナ禍のストレスとして挙がったものは障害者に限ったものではないでしょう。未成年の1年を空虚にされる損失もまた、障害者だから小さいというものではありません。

閉ざされる社会資源

牟田「娘は6月から再登校、息子はリモート授業でした。家で過ごす時間が増えて反抗期が収まりましたね。在宅ワークで仕事ぶりを見ていたのだろうと思います。別の家庭では親が感染して隔離入院となってしまったと聞いて、もし自分が感染したら子ども達だけでどうなるのかと心配になりました」

田中「一部のお子さんはしっかりしていて、感染対策に神経を尖らせ却って疲れ果てるケースもございます。また、活動範囲も狭まりストレス発散の手段も動画やゲームに限られていました。親御さんも(一人の時間が減って)疲れ果てることがあります。最初は休みが出来て喜んでいたお子さんさえも、長引くと退屈して学校が恋しくなってきます。リモート授業によって高校・大学デビューも出来ず、コミュニケーションも及び腰で、最初の一年を棒に振る学生さんもおり、影響は大きかったと思います」

牟田「保護者のストレスについても教えていただきありがとうございました。仕事が出来なくなったり一日中家にいたりするストレスですね。娘を学童に預ける時もありましたが、次第に学童も閉まっていき、社会資源が使えなくなっていくのもつらいです」

業務を縮小したのは飲食や宿泊の業界だけに留まらず、学童保育などの社会資源にも影響を与えています。頼りになる機関へいざという時係れないのは確かに困るでしょう。

これから内向的な学生が採用面接で不採用になりやすくなるのでは?

ふと思ったのですが、これからの企業面接で内向的な学生は、不採用になりやすくなるのではないかと聞いていて不安に感じました。「ステイホームの時、どうしていましたか?」と聞かれることが多くなるのではないでしょうか。コロナ不況で採用を絞りたい場合、企業は「友達が多く会話の出来る学生を優先しよう」という心理が働くかもしれません。

そこで「自粛期間中にどのように過ごしていたか」という質問に対して「自粛疲れなどありませんでした!ステイホーム中は専門書を読み…」などと答えると、内向的であると見られ採用されにくくなってしまうかもしれません。生産性の観点から、自粛疲れに苦しみながらも友達と意思疎通を図って乗り切った外向的な学生がより求められて、内向的な学生にとって就職活動が大変厳しいものにならないかと心配です。また、就活がうまくいかず、うつからの精神疾患で非正規コースを転々としてしまうのではないかと危惧するところです。

子育てとキャリア

映画の中で父親が自分の仕事を捨てて息子と生きる決断をしている描写があり、それに関連して「子育てと仕事の両立」についても触れています。寧ろこれが自立に並ぶ本題と言ってもよく、時間をしっかりかけて、それぞれの意見が話されました。次回はその話をまとめて最後となる予定です。

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自閉症スペクトラム障害(ASD)

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