ADHDとゲーム~特性による得意、不得意

発達障害

出典:Photo by Sean Do on Unsplash

近年、デジタル文化の成長は著しいものがあります。それにともないゲーム文化も成長していき、現在の日本のゲーム人口は、5000万人ほど(『ファミ通ゲーム白書2020』 株式会社Gzブレイン マーケティングセクション より)といわれています。

そのなかで「ADHDなどの発達障害を持つ人はゲームにはまりやすい」といわれており、筆者もその内の1人です。

そこで今回は筆者がゲームを通して学んだ、ADHDの特性の活かし方を紹介していきたいと思います。

ADHDとゲームの関連性

先述したとおり「ADHDの人はゲームにはまりやすい」といわれています。

ADHDの人は脳内の快楽に関する神経物質である「ドーパミン」の分泌が不十分になりやすいです。

そのためゲームなどで快楽を得て、ドーパミンを自分で補給しようとし、はまりやすくなるとされています。

とはいえ無意識にドーパミンをえようとして、ゲームを繰り返してしまうと「ゲーム依存症」に陥る場合があります。

ゲーム依存症とは、ゲームを第一に考えてしまうあまり、生活や学業、仕事に支障をきたしてしまう病気のことです。

そのためしっかり自制する、もしくは他人に管理してもらうなどで時間や回数をコントロールする必要があります。

ADHDに対するゲームの利点

ADHDの人がゲームを遊ぶことにはゲーム依存などの欠点だけではなく、いくつかの利点もあります。

真っ先にあげられる利点は「コミュニケーションを学ぶことができる」というものです。

近年のゲームには、コミュニケーションを取りながら遊べる協力・対戦ゲームが多く存在します。

そのためゲームを通して、他人との正しい接し方や語彙力などを学べるのです。

多くのゲームではチャットや声だけでコミュニケーションをおこなえるため、対面での会話が苦手な人でもコミュニケーションを取りやすいです。

2点目に「発想力、表現力の強化」があげられます。

「ゲームでは敵を倒す」「謎を解く」といった攻略を考えるのに、豊かな「発想力」が必要になります。

例えば「この組み合わせでボスを攻略しよう」「この手順が一番効率よく育成できるな」など様々なパターンを考え試していくことで、発想力が着実に上がります。

また『Minecraft』や『SimCity』など、自分で好きな建物や街を1から作り上げるゲームも発売されています。

これらのゲームでは美しい建物や、整った街をデザインする「表現力」も鍛えることができます。

3点目に「電子機器、インターネットに強くなる」ことがあげられます。

あたりまえながら、ゲームの多くはスマホやPC、家庭用ゲーム機などの電子機器を使用します。

そのため、自然と電子機器に関する能力が上がっていきます。

さらにゲームの攻略やニュースなど情報の多くは、ネットを介して発信されます。

そのため必要な情報収集にインターネットを利用することで、自然と使いこなせるようになるはずです。

仕事をはじめとして、現代社会ではで電子機器、インターネットの利用がほぼ必須となっているため、それらを無理なく身につけられるのは確かな利点でしょう。

ちなみに、筆者はゲームチャットのおかげで300~350字/分と速いタイピングが自然と身につきました。

他にも「色々な地域の人々とコミュニケーションを取ることで、価値観が広がる」「豊富なジャンルのゲームがあり、多様性が育ちやすい」など、色々なメリットがあります。そのためデメリットに気を配れば、ADHDの人にも十分に価値のある趣味といえるでしょう。

ADHDの特性から考える得意なゲーム

ここからは筆者の実体験を通して、ADHDの特性が活きたゲームジャンルをいくつか紹介していきます。

1つ目は「ロールプレイングゲーム(RPG)」です。

こちらはキャラクターを育成しながら、ストーリーを攻略していく王道のゲームジャンルです。

有名なところでは『ドラゴンクエスト』『ポケットモンスター』など、最近のアプリでは『Fate/Grand Order』『グランブルーファンタジー』などがあげられます。

RPGはひとつのものごとに集中して、黙々と作業をおこなうジャンルであるため、ADHDの特性がマッチし、ゲームに熱中しやすくなります。

「レベルが上がる」「アイテムをゲットする」「強敵を撃破する」など、努力がそのまま目に見えてわかるのも大きい要因でしょう。

また「MMORPG」という派生形のジャンルは、1人でもくもくとしたプレイも、他の人とコミュニケーションを取りながら協力してのプレイもできるため、特におすすめです。

2つ目は「音楽・リズムゲーム」です。

こちらは音楽に合わせて、ボタンや画面をタップすることで、得点を伸ばしていくゲームジャンルです。

有名なところでは『太鼓の達人』『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』などがあげられます。

音楽ゲームには、1曲ごとにしっかりとタイミングよくタップする「短期的な集中力」が求められます。

ADHDの人は短期的な集中が特性としてあげられるため、音ゲーが得意になりやすいです。

また、色々な楽曲を短時間ごと順番にプレイできるため「飽きっぽい」特性にもマッチしているといえるでしょう。

ちなみに、中でも筆者が特に合うと思うのは『jubeat』『Cytus』など、画面に出現するノーツをタップするものです。

3つ目は「パズルゲーム」です。

このジャンルはその名のとおり、パズルや謎を解いていくものです。

古典的なものでは『数独』や『マインスイーパー』など、少し昔のものでは『ぷよぷよ』『テトリス』など、最近のアプリでは『LINE:ディズニー ツムツム』などがこのジャンルにあたります。

こちらはRPGと同じく「1人でコツコツと集中してできる」点が大きいように思います。さらに成果が短期間ででるところも得意になりやすい要因でしょう。

特に得意なものは『数独』や『マインスイーパー』などの時間が決まっておらず、自分のペールでこつこつできるゲームです。

逆に『ぷよぷよ』や『テトリス』といった対戦アクションのパズルは同時に見る場所が多いため苦手になりがちです。

その他に「シミュレーションゲーム」「アドベンチャーゲーム」「カードゲーム」などが得意とされるジャンルです。

共通して「1つのことをじっくり考えてプレイできる」「すぐに結果が得やすい」点があげられます。

ADHDの特性から考える苦手なゲーム

反対に、ADHDの特性から苦手になりやすいゲームジャンルもいくつかあげられます。

1つ目にあげられるジャンルは「アクションゲーム」です。

中でも2vs2や1vs2などの「協力対戦系アクションゲーム」が苦手になりやすいです。

アクションゲームでは『スーパーマリオブラザーズ』『モンスターハンター』など、協力対戦系アクションとしては『第五人格』『ガンダムvsシリーズ』などが有名です。

大きな理由として「複数のことを同時にこなすのが苦手」という特性があげられます。

アクションゲームでは自分と敵1人だけではなく、味方の状況や他の敵の位置など、様々な部分を見て把握する必要があります。

そのため「情報の処理が追いつかない」「1つの情報しか追うことができない」現象に陥り、上手くプレイできなくなってしまうのです。

逆に「1vs1の対戦ゲーム」では1点の集中力や情報処理能力が上がり、有利に作用する場合もあります。

2つ目に「シューティングゲーム(STG)」があげられます。

こちらはその名の通り、人を操作して銃で打ち合いをしたり、多くの敵を相手に戦闘機などで打ち合いをするというようなものです。

前者では『PUBG』『フォートナイト』など、後者では『スペースインベーダー』『グラディウス』などが有名です。

STGでは基本的に「1vs多数の敵」の構図を取る、つまり「複数の部分を同時に見る必要がある」ゲームが多く上げられます。

そのため、アクションゲームと同様に「複数のことを同時にこなせない」特性から、これらのゲームが苦手になりがちです。

その他にも「レースゲーム」「リアルタイムストラテジー」などがあげられます。これらのジャンルのものも同様に「複数のことを同時にこなす」ことが要求されがちで、苦手になりやすいです。

また個人差はあるものの、システムが複雑なゲームが苦手な場合も多いです。

おわりに

ゲームは少し前まで、楽しいものの社会的には「仕事や日常に支障をきたす」「身体が弱くなる」などマイナス要素だけを見られがちでした。

しかし現在、デジタル化の進行やスマホの普及により、少しずつこの目線は改められつつあります。

人々に感動や興奮を伝えるという、ゲームのエンターテイメントな側面に注目した「eスポーツ」も普及しつつあり、韓国などではもはやプロゲーマーがあたりまえのようにCMに出演するような世の中になってきています。

もしかすれば、ゲームは1つのADHDの人が活躍できる場になるかもしれません。

なので、デメリットをしっかり理解したうえであれば、ゲームは大きなメリットを生む文化だと筆者は思います。

中学生時代にパニック障害を発症。一度は回復したものの、社会人になって再度発症し、その際にかかった精神科にて、検査を勧められ、発達障害と診断されました。以降悪戦苦闘しながらも、社会に適応しようと奮闘中です。

趣味はゲーム全般で、最近はカードゲームに力を入れています。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

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