つらいときに救われた曲~音楽によるカタルシス効果

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出典:Photo by Kinga Cichewicz on Unsplash

つらいとき、悩んでいるとき、なんとなく気持ちが晴れないとき。出かけるなんてことはもちろん、誰かに話すことさえ億劫で仕方がない……そんな気分のときは、あえて憂鬱な曲を聴いて、暗い部屋で毛布をかぶって過ごしてみるのもいいかもしれません。

明るいだけじゃ救われない

ガッツだぜ・負けないで・明日がある……パワフルでエネルギッシュな明るい歌詞の曲に救われた経験のある方は多いのではないでしょうか。もちろん、そんな曲たちが多くの人を励まし、愛されてきたことは事実です。

私自身も希望溢れる歌詞に後押ししてもらったこともあります。しかし、それだけでは疲れてしまいます。自分の中で最大限力を振り絞って苦しんでいるときに、またに頑張れ!ファイトだ!といわれると、もうこんなに頑張っているのにまだ足りないの?自分は何もできない人間だ……と落ち込んでしまうことも。

自分のダークサイドに寄り添ってくれる存在がほしい、そんな気持ちを抱えていました。

カタルシス効果

 「カタルシス」というワード。詳しくは知らなくとも、聞き覚えのある方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

「カタルシス」とは、ギリシャ語でκάθαρσιςとつづり「浄化」を意味します。

ネガティブな感情をあえてさらけ出すことで、安らぎをえられる心理的な作用をさします。自分のなかの不快な感情……不安、イライラ、焦り、怒り、惨めさ、嫉妬、不甲斐なさ。誰しもが持っているものだと思います。

これらをパッと周りの人に話すことによって、カタルシスしてしまう人もいますが、気が引ける、うまく言葉にできない、プライドが許さない、などの理由でなかなか難しい人もいることでしょう。私もそんなタイプの人間です。

カタルシスは、なにも他者との交流が絶対に必要なものではありません。自分の中でゆっくりと眺めて、噛み砕いて、消化することもできるのです。そんなとき、手助けになってくれる存在のひとつに音楽があります。

独断と偏見による憂鬱に浸るための曲

まずはとことん憂鬱さに浸って、涙を流してみるのはいかがでしょうか。心の痛みに寄り添ってくれる曲をピックアップしてみました。

・アーティスト名 「曲タイトル」

個人的に刺さった歌詞の順番でご紹介。

・Lyu:Lyu 「ディストーテッド・アガペー」

もう死にたくたって構わないから そこに座っていなよ 何度でも見つけに来るから

切ないギターサウンドから始まるこの曲。ラストは荒々しいディストーションギターと、絞り出すような歌声が、誰かに寄り添ってほしい・救い出してほしい心にグッと刺さります。

・アーバンギャルド 「生まれてみたい」

わたしになって 生まれてみたい 誰かじゃなくて わたしになりたい

繊細かつ、可愛らしい歌声で自分の存在を問うような曲。様々な解釈ができる歌詞も必見です。

・KEYTALK 「消えていくよ」

今更 何が悪いとか 小さなことじゃない 通り過ぎていく 影をみた

気だるげなギターサウンドと4つ打ちドラムが心地よい1曲。「なんとなく憂鬱」と言う気持ちにおだやかに寄り添ってくれます。

独断と偏見による眠れない夜のための曲

不安やイライラで眠れない日もありますよね。そんなときは温かい飲み物と一緒にこんな曲はいかがでしょう? 

・真空ホロウ 「Balance cont(r)ol」

あーもー 眠れないなら 眠らなきゃいい

明日も予定があるのにモヤモヤして眠れない、眠ろうと思えば思うほど目が冴えて焦ってくる。そんな夜におすすめの1曲。ダウナーな気分に一度浸りきって開き直るのも1つの手段かもしれません。

・Syrup16g 「月になって」

君に間違ったことはなく 道を誤ったこともなく ありのまま何もない君を 見失いそうな僕が泣く

穏やかなアルペジオが美しい1曲。かなしくて涙が止まらない夜はきっとあなたを癒してくれます。

・スピッツ 「夜を駆ける」

研がない強がり 嘘で塗り固めた部屋 抜け出して見上げた夜空

眠れないなら、ベッドを飛び出して夜の道を散歩してみるのもオススメです。ベランダに出てみるだけでも少しホッとするかもしれません。そんなときにはこの曲をお供にしてみてください。

独断と偏見による誰かに寄り添ってほしいけどうまく言えないときの曲

甘えたいけれど、それが出来れば苦労しない...そんなあなたに聴いてほしい曲です。

・Galileo Galilei 「壊れそうになる」

聞いてくれ君が もし深く悩んでいるなら 少しでも僕が 遠のけてみせる 本当なんだ

狂おしいほど誰かに愛され理解され、慰められたい。そんな気持ちで寂しくて押しつぶされそうな時に聴いてほしい1曲。でも忘れないでほしいことがあります。この曲を聴けばそれが分かるはずです。

・スガシカオ 「コノユビトマレ」

自分のことあまり好きじゃない人 ぼくのこの指とまれ ムリヤリもう かわらなくていい

ついリズムにのりたくなるファンクサウンド。自己肯定感がマイナスに振り切ってしまったときにオススメです。曲調は明るくとも、しっかり憂鬱さに共感してくれます。

・NIRVANA 「Come As You Are」

Choice is yours, don’t be late. Take a rest as a friend.

「君らしくいろ」というタイトルの曲。フロントマンのカート・コバーンも精神疾患に苦しんでいました。彼の他の曲も、苦しんでいるあなたに寄り添ってくれるかもしれません。

独断と偏見による憂鬱に浸りきった後の曲

浸って落ちて、どん底に辿り着いてしまえば、あとは這い上がるだけです。

・ELLEGARDEN 「風の日」

雨の日には濡れて 晴れの日には乾いて 寒い日には震えてるのは当たり前だろう

ギターリフがクセになる、爽快な1曲。悲しいときは泣いて、楽しくなったら笑う。それでいいじゃないか、と思わせてくれる曲です。

・筋肉少女帯 「踊るダメ人間」

ダメ ダメダメ ダメ人間 人間 人間

ヘビーなギターに、一度聴いたら忘れられない、潔さとリズム感の歌詞。クスっとでも笑えたら、きっとあなたはもう大丈夫です。

・相対性理論 「BATACO」

バタバタわたしバタ足まじりで ジタバタ泳ぐバタフライ

ガーリーな歌詞にポップなサウンド、その中にちょっぴり混じる毒気がクセになります。ため息の出そうな日常に同調してくれる1曲です。

独断と偏見によるさぁ、がんばるぞ!と立ち上がるための曲

カタルシスはえられたでしょうか。あともう一歩の手助けに。

・LINKIN PARK 「Given Up」

I’m my own worst enemy

歌詞の意訳は、「自分が自分の最低最悪の敵」。怖さも苦しさも、自分が勝手に生み出したものかもしれない。約30秒のシャウトは圧巻です。一緒に叫んでネガティブを吹っ切るのもいいかもしれません。

・cinema staff 「エゴ」

乞うなスヌーズを チャンスは二度とない どうせやるんだ 迷っちゃキリがない

トレモロからはじまるハイBPMな1曲。やらなくちゃ、でも逃げ出したい……そんな気持ちに力強く寄り添ってくれます。

・THE BACK HORN 「コバルトブルー」

だけど俺達 泣く為だけに 産まれた訳じゃなかったはずさ ただひたすらに生きた証を刻むよ 今

勇気を出して、自分を奮い立たせるために。熱く泥臭い歌詞で背中を叩くようにあなたを励ましてくれるはずです。

お気に入りの曲はみつかりましたか?少しでもあなたの心に寄り添えるものがあると幸いです。音楽以外にも、文学、映画、マンガ、アニメ、絵画、イラスト……カタルシス効果をえられるものはたくさんあります。

私の場合は音楽でした。あなたにもぴったりのものが見つかりますように。

参考文献

【"カタルシス効果とは? 意味や具体例、効果、活用シーン、実践するために必要なスキルについて ・カオナビ"】
https://www.kaonavi.jp/dictionary

awoneko

awoneko

うつ病治療中。
クリエイティブなことは何でも好き。

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