ギャンブル依存症をご存知ですか?②〜依存症のメカニズムと治療法

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◀︎前回のページ:ギャンブル依存症をご存知ですか?①〜依存症の定義について

ギャンブルがやめられないという状態は「意思が弱い」「リスクを好む」など性格の問題で片付けられてしまいがちですが、実はそうではありません。「ギャンブル依存症」は脳の報酬系に異常が起きることで自分のコントロールが出来なくなる病気なのです。

ギャンブル好きと依存症の違いとは?

依存症の人とそうでない人の最大の違いは「リスクヘッジ」にあります。ギャンブル依存症になると脳の前頭葉の活動が低下し、リスク許容の判断が出来なくなります。その結果、金銭感覚を失い借金を抱え込む、職を失う、家庭が崩壊してしまうなど、二次被害が発生することも珍しくはありません。

ギャンブル依存症の神経メカニズム〜前頭葉の活動低下でリスク管理に障害

脳内のドーパミン、その中でも報酬系と呼ばれるものが依存症に大きく関わっています。また、報酬系にも様々なタイプがあり、ギャンブル依存症は、短期的報酬に分類されます。短期的報酬の怖さは、簡単に快感を味わえ、極端に短期的で簡単に得られる報酬ばかり得ていると、それが癖となってしまい、脳内の報酬系システムもそれに合わせて変化してしまうと事です。依存症はいわば脳のプログラムが書き換えられてしまった状態と言えます。依存対象を完全に断ったとしても、一度書き換えられたプログラムはなかなか元に戻らないのです。

つまりギャンブル依存症の人は、状況を理解し、柔軟にリスクに対する態度を切り替える能力に障害があるのです。本人の性格のせいでなく、れっきとした脳の病気なのです。

また、ギャンブル依存症と他の心の病気が併発している場合があります。例を挙げると、うつ病などの病気で生活がままならいことから、ギャンブルに逃避しようとするケースです。他にも「不安症」「ニコチン、アルコール依存」などの合併症が起きる場合もあります。

ギャンブル依存症の治療法

ギャンブル依存症から抜け出すには、医療機関に受診する必要があります。しかし、本人が受診に消極的なことが多いので、先ずは家族が主体的に動くことがよいとされています。

医療機関の探し方
受診先の医療機関が見つからない場合、自分達が住んでいる地域の公的機関やインターネットで探してみましょう。公的機関は【保健所】【精神保健福祉センター】などで相談できます。インターネットでは【依存症対策全国センター】でご自身が住んでいる最寄りの支援機関を探すことが出来ます。

治療の流れ
診察は、医療スタッフに現在の生活を状況を含めた問診を受けた後、各種検査を受けることになります。「ギャンブル依存症」と診断された場合は通院して、カウンセリング、認知行動療法を受けることになります。うつ病などの合併症が見られる場合、薬物療法を受けることになりますが、一般的に治療自体はカウンセリングや認知行動療法が中心です。ただし、重症の場合は入院での治療が必要になります。

再発性が高い病気のため、根気よく向き合うことが大切です。医療機関や自助グループと常に繋がりを持ち、ギャンブルをしない生活習慣を作っていきましょう。

次のコラムでは私自身が見てきたギャンブル依存症とアルコール依存症の話を書いていきたいと思います。

▶︎続きのページ:ギャンブル依存症をご存知ですか?③〜私が見てきた依存症の例
 
参考文献
ギャンブル依存症から抜け出す本 監修者 樋口進

モチラボ
https://www.amed.go.jp/index.html

ターザン
https://tarzanweb.jp/

依存症対策全国センター
https://www.ncasa-japan.jp/

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tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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