セコラム!〜伴走者の立場から障害福祉を考えてみる〜

ほんの少しのやさしさをまとえるように(セコラム第26回)

『セコラム!〜伴走者の立場から障害福祉を考えてみる〜』 vol.26
先日、「さようなら、わたしのバリア」がコンセプトの音楽イベント「BYE_MY_BARRIER( http://byemybarrier.mystrikingly.com/)」を開催しました。もともと脳性麻痺である車椅子ユーザーの友人が「夜遊びしたい!クラブに行きたい!」という思いを実現するために始めたイベント。徐々に参加者がひろがっており、3回目の今回もとても盛り上がりました。

音楽にノッて踊るのには条件などなく誰しもが自由に楽しむ権利を持っています。だからこそ障害のあるなしや男女、国籍・・・わたしとあなたの境目を取っ払い、自分のバリアを解放し、自分らしく楽しもうよ!このような意味をBYE_MY_BARRIERには込めています。

1枚の張り紙を会場に設置しました。

「KyotoMetroはバリアフリーが整っているわけではありません。ただお互いの心配りを意識することでハードのバリアを薄めていきたいです。「なにかお手伝いしましょうか?」というひと声や「これしてくれませんか?」の言葉が自然と出るような空間にしていきたいです。みなさまの気配りを何卒よろしくお願いします。では一緒に楽しみましょう。」

会場は段差があり広くもない。だからこそお互いがお互いを意識する気持ちを持つことで、誰しもが心地よくその空間に入れるようになるのはないかと思っています。段差の先に書道の展示をしていたのですが、車椅子の人がまわりの知らない人たちに持ち上げられ、段差を超え展示を見ることができました。その1枚の張り紙が伝えたいことが伝わっていたのです。

いわゆる、心のバリアフリー。1人ひとりが相手を思いやる気持ちを持てば、ほんの少し優しい世界になっていくと思っています。クラブの発祥はマイノリティのガレージパーティーだそう。LGBTの方が自分を解放し思いっきり楽しむ場を小さなガレージではじめ、それがひろがっていき文化となり大衆化していったとクラブのオーナーにお聞きしました。ぼくはBYE_MY_BARRIERを誰かの楽しみにしたいし、文化にしたい。そして、ここに関わる人だけでも「バリア」を意識し、やさしさを纏えるようになっていってほしい。小さなイベントですが、ぶれない思いと大きな目的を持っています。

世古口 敦嗣(せこぐち あつし)

世古口 敦嗣(せこぐち あつし)

就職活動に失敗し、何となく障害福祉の世界へ。障害者が暮らしやすいまちをつくるNPO法人サポネや医療福祉エンターテインメントのNPO法人Ubdobeなどを経て、農業を中心とした障害のある人が働く拠点「三休 – Thank You -」を今年4月にオープン。それ以外にNPO法人月と風と理事やKAIGOLEADERS OSAKAコアメン、ふくしあそび探求舎代表を務める。

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