うつ病により痩せてしまった私の体~「羨ましい」は決して褒め言葉ではない

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出典:Photo by i yunmai on Unsplash

みなさん、痩せている人を見てどう思いますか?「スレンダーで格好良い!」「モデルさんみたいで羨ましい!」といった色々なポジティブな意見もあるでしょう。ですが、私は逆に心配してしまいます。ひょっとしてなにか事情があり、太ることができないのでは?と。

うつ病で胃の調子が不調に

私は仕事のストレスでうつ病になり、吐き気と胃の膨満感がひどく、まともな食事がとれなくなりました。ゼリー飲料やお豆腐のみの食事の毎日。胃もたれがするので水を飲むのも苦痛です。当然必要な栄養も摂取することができず、徐々に体重が減っていきました。みるみるうちに体の骨が浮き出てきた自分の体が恐ろしくなり、貧相な見た目が嫌いになっていきました。

痩せてしまっていると顔が老けて見え、洋服もぶかぶかで何を着ても似合わなくなりました。「ちゃんとごはんを食べて太りたい……」当時は毎日そう思っていました。自分の中だけでは抑えきれず、つらい思いを家族へ伝えたりもしましたが「だったらちょっとでも食べなさい」と言われるだけです。食べないといけないのはもちろん理解しています。ですが、胃の膨満感や吐き気がひどくて、どうしても食べることができなかったのです。

「羨ましい」と言う人々

発症当時は気持ちが悪いのを我慢して、なんとか仕事に従事していました。同僚との他愛のない会話の中で「最近ごはんが食べられなくて困っている」と伝えたところ「太らなくていいね!羨ましい~」と言われました。その時のショックは計り知れません。「好きな物もなにも食べられないこんな体のどこが羨ましいのか?」「だったらこの体と交換してくれ!」と、憤りさえ覚えました。

その後も自身の体調不良を周りの人に伝えたりしましたが「食費が浮いていいですね」「モデルさんみたいで良いじゃない!」といったことを言われ続けました。食事ができなくて毎日こんなにも苦しんでいるのに羨ましがるなんて……と、その度に傷つき、私は次第に人と距離を置くようになっていきました。

ですが、後々気がついたこともあります。私もうつ病を患う前は、痩せている人に対して「細くて羨ましい」「ごはんちゃんと食べてる?」と言ったことがあったのだと。もしかすると、その人はなにかしら病気だったのかもしれない。なにか食べられない事情があったり、食べても太れない体質だったのかもしれない。そう思うと、私の発言は相手の気持ちを考えてない、とても軽率なものだったのだと反省をしました。それと同時に「人は自分を基準にした物事でしか考えていないんだな」とも思いました。

最後に

世の中の、特に若い女性には"痩せれば痩せるほど美しい"といった、歪んだ思考が浸透しています。そのため、ダイエットにいそしむ人も多いでしょう。インターネットにはダイエット記事が、本屋にはダイエット本が溢れています。

しかし、病気や様々な事情により痩せてしまった人や、太れない人もいます。そういった人たちは痩せていることに対してコンプレクスを抱いていることも多いです。「痩せていて羨ましい」は、決して万人向けの褒め言葉ではないく、傷つく人もいるのだと覚えておいてもらえると幸いです。

kuma

kuma

ゲーム大好きですが、寄る年波には勝てません。最近は、とあるクマのキャラクターに夢中。

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