「ケアラー」とは?~これからの介護について

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出典:Photo by Dominik Lange on Unsplash

「ケアラー」という言葉をご存知でしょうか?「ケアラー」とは、家族や知人などを、直接的、間接的に介護をしている人達を指します。 しかし、「ケアラー」は経済的、精神的負担が大きく、中には介護うつになる人もいます。

実態が見えないヤングケアラーとは?

ケアラーと言われている人の中でも、18歳以下の未成年が家族の介護をしている場合は、「ヤングケアラー」と呼ばれています。近年、晩婚化が進んでいて、子供が成人になるまでに親が病気や怪我で要介護状態になり、未成年が介護者になるケースが増えています。また、要介護状態の祖父母世帯と同居している場合、親が仕事で忙しくて祖父母の介護ができず、そのしわ寄せで孫である未成年が介護者になるケースもあります。

「ヤングケアラー」と呼ばれている未成年は、家族の介護で忙しくなり、勉強をする時間が削られ、学校の友人達と疎遠になり孤独になりがちです。少子高齢化社会の課題の一つと言えます。

真面目な人ほどかかりやすい「介護うつ」とは?

「介護うつ」という病名があるわけではありませんが、介護疲れが原因で「うつ状態」となり、治療が必要になってくるケースがあります。

家族の介護をしていると、経済的な負担や肉体的な負担が生じます。特に1人だけで介護をしている場合、肉体的、精神的疲労と孤独感により、精神的にストレスが溜まり「うつ状態」になりやすいと言われています。

「介護うつ」になりやすいと性格は、真面目で、責任感が強く、完璧主義な人に多いと言われています。これは一般的なうつ病にかかりやすいタイプとも一致します。そうなる前に、1人で抱え込まず市町村の担当部署に相談する、あるいは介護サービスを積極的に活用するなど、手を打たなければなりません。

公的介護サービスを活用しましょう!

介護サービスを受けるためは、市町村の窓口に申請します。審査の結果、介護認定審査会に要介護(1~5)、要支援(1~2)のどの段階に該当するかが、判定されることで認定されます。どこまでの支援を受けられるかは、審査の結果で決まります。詳しくは下記の厚生労働省のURLを参照してください。

【厚生労働省 要介護認定はどのように行われるか】
https://www.mhlw.go.jp/index.html

介護サービスは主に「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類あります。ケアプランに沿ったサービスを受けることで、ケアラーも要介護者も負担を軽減することができます

しかし、ホームヘルパーを自分の家に入れたくないという人や、「介護は家族でするべき」という昔からある価値観から他人から世話をされたくないと思っている人も多いのが実情です。筆者の母親も「もし介護が必要になっても、他人を家に入られるのは嫌だ」と言っています。介護サービスを利用したくても、本人が拒否したらどう対処したらいいのでしょうか?納得するまで、辛抱強く説得するしかないのでしょうか?

その場合は、市区町村の介護保険課の窓口及び地域包括支援センターなどに相談することが重要です。まずは身近にある公的機関に相談して無理なく生活のバランスを取ることが大事だと思います。

参考文献

【厚生労働省 ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書】
https://www.mhlw.go.jp/index.html

【NHKハートネット もしかして、ケアラー?】
https://www.nhk.or.jp/

【公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会情報センター 気になるカタカナ「ケア」】
https://www.dinf.ne.jp/

【一般社団法人日本ケアラー連盟】
https://carersjapan.jimdofree.com/

tkbn

tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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