HSPとは~繊細であることのストレスと対処方について

出典:Photo by R Fiorentino on Unsplash

みなさんは周囲のことに気がつきすぎて、ストレスを感じたり気を遣いすぎて、疲れてしまうことはないでしょうか。そんなとても繊細な人「HSP(Highly Sensitive Person)」について私の体験と考え、そして対処法について書かせていただきます。

繊細がゆえのストレス

私はかつての職場で人間関係にとても苦しみました。上司の機嫌が悪かったり、怒っていたりすると「自分のせいかな。さっき申請した書類に不備があったのかな」とか、業務上失敗をして上司に注意された後でオフィスの隅で笑い声がすると「私のことを笑っているんだ」と考えてしまうことがよくありました。実際にはほとんどの場合、そのような周囲の言動の原因は自分に全く関係の無いことでした。

人間関係において相手の気持ちを察し過ぎる、雰囲気の変化を感じ過ぎるというような感受性がとても強く、それに振り回されて苦しんできました。

同僚にそんな悩みを相談したことがありましたが「なぜそんなことが気になるの?」と全く理解をしてもらえませんでした。HSPの人にとって最も辛いことはこの「自分の繊細過ぎる感覚を周囲の人に分かってもらえない」だと思います。

そのため私は「人に頼るということ」「相談をすること」がとても苦手になってしまい「どうせ話をしても悩みを分かってくれないのでは」と考えてしまいました。その結果として職場で周囲と意見交換、意思疎通をする機会が少なくなり悩みを独りで抱え込んでしまいました。

当然、気分が落ちこんでしまいます。鬱病を発症させ職場へいくことができなくなり会社を退職してしまいました。

繊細なのは悪いことではない

持って生まれた特性なのでHSPを完全に治すことはとても難しく、付き合いながら生きていくしかありません。

ここで重要なのは「繊細である」ということは決して悪いわけでは無いということです。むしろ、周囲の人が困っていたり、雰囲気の変化をいち早く感じて「どうにかしなければ」と考えることができる優しい人が多いのではと考えています。

ですが、その感覚に囚われすぎて、周囲のことばかり気にしていては疲れてしまう上に、自分のことが後回しになってしまいます。

気持ちに余裕が無いときには、自分のことに集中するほうがいいのではと考えています。毎日「今日すべきこと」をリストアップして順番をつけ、それをしている間は他のことを考えないのもいいですね。

周囲のことを気にするのは、本当に気持ちに余裕のあるときだけにして、なによりも自分自身のケアをすることが重要です。

ただし、職場においてそのように振る舞うためには周囲の理解が必要です。黙って自分の仕事ばかりをしているようでは反感を買ってしまいます。

そうならないためにはどうすればいいのでしょうか。私は次の職場では自分の特性についてできるだけオープンにしていきたいと考えています。入社時に私の特性を説明することはもちろん、気分が苦しくなったときにはこれまで苦手だった「人に頼るということ」「悩みを相談をすること」を大事にしていきたいと考えています。

可能ならば働きやすい環境配慮をしていただけるかもしれません。自分の悩みを打ち明けることは決して恥ずかしいことではなく、それよりも自分自身を守るためのとても重要な対処法として積極的におこなっていきたいと考えています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はHSPに関する私の考えを書いていきました。対処法はひとそれぞれだと思います。同じ特性でお悩みの方は、ご自身に合った方法についてじっくりと考えてみてはどうでしょうか。

大事なのは独りで悩みを抱え込まないことです。まずは信頼のできる方に相談してみてください。

参考文献 『「繊細さん」の本』 武田友紀著 飛鳥新社 第21刷発行 2020年

カルルク

カルルク

40代の男性です。HSPからうつ病を発症しました。就労移行支援事業所に通所中で自分の特性をオープンにした長期就労を目指しています。

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