発達障害~前職での失敗談、電話応対とマルチタスク

仕事 発達障害

出典:Photo by CDC on Unsplash

みなさん、電話応対やマルチタスクは得意ですか?私は電話応対は得意な部類に入りますが、苦手でもあります。

私の電話応対スキルは「丁寧な言葉づかい」「声のトーンや抑揚など好感のもてる話し方」ができるため第一印象はいいのですが「瞬時な判断」「正確な理解」「分かりやすい説明」が苦手でミスが多発し、最終的に「残念な人」という評価になることも多々ありました。

これは私の特性で「弱み」なのですが、働いているころはわかりませんでした。いつも人より上手くできず、同じミスを繰り返し、上司の求めるレベルに達することができず毎回お𠮟り。がんばりがズレた方向にいったり、職場の方にも必要以上に気を使いすぎてヘトヘトになったり。「なんで当たり前のことができないんだろう……」会社の最低限の歯車にもなれず、自己肯定感は下がるばかりで、退職を繰り返してきました。

「早く・正確に・即戦力になること」私が経験した職場で求められてきたスキルです。これらを求める企業は多いと思います。けれど苦手なことを得意にするのは難しく大変です。闇雲にがんばるのではなく、得意なことや自分ができることを伸ばしていくことが大事ではないでしょうか。

「自分の強みと弱みを知り、強みを活かせる職場選びをすること」「自分で対処できないときは、職場や周囲に相談し助けを求めること」「自分の苦手なこと、要望を自己開示すること」「"~すべき"など自分を苦しめる認知の歪みを正し、ストレス対策を見つけること」

これらは「早く・正確に・即戦力」よりも、心健やかに長く働くうえで、職種を問わず必要なスキルではないかと本コラム作成を通じ感じました。

「これまでの仕事で何につまづいてきたのか」自分を振り返るため、私が経験したコールセンター(携帯トラブルの補償サービス)と事務(内線・外線の取次)の失敗談をもとにお話ししていきます。

コールセンターの仕事内容

コールセンター業務も配属先は100人規模の大手キャリアでした。仕事内容は、携帯電話やタブレットなどの「交換電話機のお届け」「紛失・盗難時のご案内と対応」携帯操作など「お困りごとの問い合わせ」の主に3つでした。「交換電話機のお届け」は、水濡れ・破損などの故障や、紛失・盗難トラブルに遭われた際に、お客様のご利用機種と同一または近い機種・カラーの携帯電話やタブレットをお届けする有償サービスです。

「その他の問い合わせ」は、お客様の困りごとをヒアリングし、自分で対処できる内容はその場でご案内をおこない、対処できない場合は専門の遠隔操作や総合窓口のオペレーターへ転送します。

マルチタスクができない

コールセンターは、同時並行処理をおこなうマルチタスク業務です。イヤホンとマイクが内蔵されたヘッドセットを装着し、電子メモパッドで簡易的にメモを取り、必要項目をPC入力します。聞きながら、書きながらの入力作業です。お客様のご本人確認後、故障、紛失・盗難、その他問い合わせによって対応を進めていきます。これらを瞬時に判断し、丁寧にかつ分かりやすく説明、時間も最小限に抑えなければなりません。私のコールセンターでの失敗は下記の通りです。

必要事項の聞きもらし、作業もれ・注意事項の説明もれ

ミスにより私からお客様へ電話をしたり、上司の許可のもとお客様との会話の録音を再生し、登録情報を補完しました(オペレーターの聞きもらしや説明もれで架電することや、録音再生は基本あってはいけません)。私はこのミスが多く、よく上司に叱られていました。

瞬時に判断できない

特に紛失・盗難の対応でミスが多かったです。警察へ紛失・盗難届の手続き確認(まだの場合は受理番号が必要なことをご案内します)。不正利用を防ぐため、電話回線を一時的に止める「利用中断」。携帯やタブレットの操作・おサイフケータイ機能の不正利用を防止する「遠隔ロック」。位置情報の最終記録を調べ、お客様にお知らせする「携帯お探しサービス」。完璧に終えたことは少なく、必要作業を忘れることが多かったです。

メモやPC入力が追いつかない

お客様のお話を集中して聴こうとするもメモやPC入力が追いつかず、「申し訳ございません。少々お待ちください」とお客様をお待たせしてしまいました。

話が長い・分かりやすく説明できず時間をかけすぎる

細かいところまで丁寧に説明しようとし話が長くなる。お客様の貴重な時間を奪い「いつまでかかるんや」「まだなの、急いでるんだけど……」とお𠮟りの言葉をうけ、謝罪を繰り返しながら、焦りとパニック状態の中、対応していました。

職場での電話応対が難しい

その後、転職した防水会社では、電話対応で初めて聞く企業名、早口、話しが長い、難しい言葉など聞き取りできない、理解に時間がかかる、メモをしていても相手の話す内容に追いつかない、焦りながら書くためメモを誤って書いてしまう(人名や内容など)ひらがな・カタカナ・漢字がごちゃまぜのメモで、自分でも読めない部分がありました。

その会社では「電話は女性や1番下っ端が取るもの」という昔ながらの企業体質か、男性が率先して取ることは少なく、女性社員でもコールセンターでは当たり前だった3コール以内の認識が弱いのか消極的な方が多いのか、すぐに取る方は少なかったのです。コールセンターで働いていた経験もあいまって、率先して電話を取ることが多くなりました。電話での第一印象はいいが電話の聞き取りに不安要素が多く、取引先からの伝言も正しく伝えるのが難しかったです。

報連相ができない

本当は電話応対が得意な(正確に伝えられる)方にお願いしたかったのですが、在職中は「本当は電話応対は苦手です」と自己開示したり、助けを求めることができないため、周りからは「率先して取ってくれる子」と役立ってはいたが、他の人が率先して取ってくれないことに1人イライラし、ストレスが溜まっていきました。

簡潔に伝えられない

分からないことや聞かれたことを答える際、一生懸命伝えるも「何がいいたいのか分からない」と上司によくいわれました。丁寧に説明しようとして長時間になり、お客様にお叱りや上司に端的に話すよう注意されることもしばしばありました。

失敗の傾向

スピーディーに対応できない(時間がかかる)

マルチタスクができず、時間に追われると落ち着いて行動できずパニックになる

瞬時に判断し、考えや質問を相手に分かりやすく説明できない

報連相ができず、ストレスを1人でため込みがち

対策(配慮事項)

臨機応変さスピードが求められるマルチタスク業務は、対処できないと自己開示をする

電話は定型の取り次ぎや内線のみにする

不得意なことを無理して直さなくてもいいと自分を許す

私はExcel関数が苦手です。電話応対も鳥肌が立つほど嫌いな方は多いと思います。私も本当は大嫌いなのですが、慣れも多少はあるのかなと振り返って思います。自分がもし次の仕事が決まったなら決められたマニュアルがあり、電話対応は「取り次ぎや内線のみに配慮いただく」ことができればいいと思います。どうしてもできないものは「がんばらなくていい」と自分を許す気持ちが大事だと思います。

苦しみの中でえたもの

特にコールセンター業務はつらい思い出が多かったですが、もまれた中でえたものも多くありました。

丁寧な話し方ができるようになる

1~3コール以内で取れる俊敏さが身につく

失敗したことでも「経験は財産」になる

マルチタスクが本当に苦手なのだと心から実感できた

マトリクス分析が優先度2位「嫌いだが得意」に昇格した

お客様からの「ありがとう」は活力になり、職場の方からの「お褒めの言葉」は自信につながった

丁寧な電話応対は会社の良い印象につながり、貢献することができる

おわりに

コールセンターは初めての経験で、かつ難易度が高い仕事内容のため、私は混乱しながら仕事をしていました。鳴り止まないコール音がトラウマで、コールセンターは「混乱・失敗・もうしたくないもの」という記憶にすり替わってしまい、どんな仕事をしていたのか忘れていました。コラム作成にあたり仕事内容を振り返ったとき「こんなにたくさんの仕事を同時にこなしていたんだな」と失敗しながらも「がんばっていた自分」を再発見できました。

コールセンター業務は「もう絶対したくない!」と思っていましたが、最近少し違う見方ができるようになってきました。就労移行支援で学んだマトリクス分析では、電話応対は「嫌いだが得意なこと」に当てはまり、就活の幅が広がると思って「可能性をせばめるのはもったいないのでは?」と思えるようになったことです。「そう考えてみれば、どの職場でも丁寧な話し方を褒めていただいてたし、もしかして自分の強みなのでは?」と気づいたためです。

「自分でどこまでできて、何ができないか」配慮のボーダーラインは、まだわからないですが、これから実践を重ね自分を客観的に知り、今度は無茶をすることなく、強みを活かした仕事をしたいです。その延長線上に、成長や自信・貢献に繋がれば嬉しいと思います。

参考文献

【Sipher(サイファー) 『マトリクス分析(興味×能力編)』であなたの適職を見つける】
https://sipher.jp/

さくらもちねこ

さくらもちねこ

機能不全家庭出身のASD・ADHD(特にこだわりが強い)。共依存・吐かない過食・未消化の怒りや恐れとつきあいながら「自分を大切にすること・愛すること」を学び中。好きなことはイラストを描くこと、アンティークなもの(建物・小物・服・時代)。5年生で観た大河ドラマ「秀吉」で、信長役・渡哲也さんの切なく美しい散り際に胸を打たれ戦国武将好きに。女武将・立花誾千代やアニメ「十二国記」の景王・陽子など、芯のある女性も憧れ。迷ったときの心の支えは、映画「モリー先生との火曜日」。

自閉症スペクトラム障害(ASD) 注意欠陥多動性障害(ADHD)

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