うつ病でもひとり暮らしがしたい!!~実はあります!いろんな場所、いろんな制度

うつ病

出典:Photo by deborah cortelazzi on Unsplash

私は今、就労移行支援事業所に通いながら就職活動をしています。就職した次の目標は「ひとり暮らし」をすることです。

現在の日本の人口は1億2534万人(2022年2月1日現在)のうち、およそ400万人が精神的な障害を持っているといわれています。およそ30人に1人。満員電車(平均150人乗り)で換算すれば、1両あたり5人は乗っている計算になります。思ったよりも身近に感じる方も多いのではないでしょうか。

「実家暮らしだけど、自分の障害について家族の理解がなく、早くひとりで暮らしたい」という方もいると思います。私もそんな1人です。そこで今回は障害を持っていても実家を出る方法について調べてみました。

まずはじめに

私は現在実家で暮らしています。「2年内にひとり暮らしを始めるように」とうながされ、自分としても早くひとり立ちしたかったので、準備を進めていました。しかし、半年前に仕事によるストレスで、重度のうつ病と診断されました。さらに注意欠陥多動性障害(ADHD)やパニック障害の傾向があることも同時にわかったのです。

会社からは「休職届の提出から1か月の間に服薬をすべて止めなければ(人の命を預かるような仕事だったので)退職してもらう」との通知。仕事は辞めざるをえず「まだしばらく実家暮らしか……」と思っていましたが、障害に対する理解が家族からえられず「働けないなら、なおさら早く出ていけ」とうながされます。

「精神障害と診断されて、さらにひとり暮らしを受け入れてくれる場所なんてないだろう」と考えていましたが、実は色々と制度や設備があることがわかりました。

私と同じように「うつ病でもひとり暮らしがしたい」人、ぜひご一読ください。

「グループホーム」について

「ひとり暮らしがしたいけれども障害があるため不安」という方が多くいらっしゃると思います。そんな方にぜひ検討していただきたいのが「障がい者グループホーム」。例えるならば専門のスタッフの支援がサポートしてくれるシェアハウスのようなものです。

ここでは日中は作業所(※)や職場に出社して、夜間において日常生活上の援助をおこなうことになっています。日中のサービスなどは別で契約する形です。夜間の外出許可や門限については施設によってさまざまです。

※グループホームによっては系列の作業所(就労継続支援事業所)での作業を条件に受け入れをおこなっている場所もあり、一般就労者は受け入れられないところもあるようです。事前に調べておくことが必要です。

グループホームでは世話役、生活支援員、サービス管理責任者、管理者のスタッフさんがいらっしゃるようですが、世話役と生活支援員の業務内容に明確な区別はないようなので兼任のところもあるかもしれません。医療従事者が常時配置されている施設はあまりないようで、医療機関は自分で受診することになります。基本的に少人数で運営している場合が多いようで、深夜は夜勤スタッフを配置しているホームもあればスタッフ不在となるところまで、さまざまな場所があるようです。

一施設当たりの入居者は2~20名、年齢層もさまざまです。基本的には障害の程度が軽度から中規模の方の利用が多いです。

立地としては基本的に住宅街が多く、一軒家やマンションなど、さまざまな形態があります。

部屋は家具付きの四畳半~六畳の個室(一部例外あり)、共同スペースに調理室、食堂、談話室、お手洗い、浴室があるところがほとんどのようです。

家賃と食費、水道光熱費と日用品を合わせておよそ1か月あたり6~7万円前後です。

グループホームは利用期限がなく永続的に利用ができる「滞在型グループホーム」と基本的に3年間という利用期限が設けられている「通過型グループホーム」があります。これに関しては事前の確認が必要になってきます。

また、最近のグループホームにはユニークなところもあり、最近はコンセプト型のグループホームもあります。保護猫や保護犬を引き取ってペットと暮らすペットケアをおこなっている施設。鉄道好きの方々に向けたもの(ゲームセンターで時々見かける電車の運転趣味レーションゲーム「電車でGO!」が共用スペースにあるようで、部屋の壁紙も電車の車内を模したものでした)。500冊のマンガを共有スペースに置いたマンガ・アニメ好きの方に向けたもの。eスポーツをコンセプトに取り入れた施設まであります。

サテライト型

先述のグループホームはそこを本体として単身で暮らしたい(1人暮らしをしたい)方のための部屋を2部屋まで設置することができます。その2部屋のことをサテライト型グループホーム(以下、サテライト型)といいます。

グループホームを本店、サテライト型を支店という関係と思っていただければ、ある程度の想像はつきやすいでしょうか。

サテライト型は大抵のことは1人でできる方1人で暮らしたいけれども全く支援がない状態で暮らすのは不安な方大抵のことは自分でできる方人と一緒に生活していると、落ち着かない方将来は自立したい方に向いています。サポートしてくれる方は身の回りの世話というよりは、家事のサポートや日々の相談がメインになります。

サテライト型は通常マンションやアパートの1室に設けられています。そのため、自室はもちろんありますが、グループホームとは違い、自室内にお風呂、お手洗い、洗面所、台所なども備わっているため他者と共用することはまずありません

本体であるグループホームとサテライトの距離は20分程度で移動できることが条件となっています。(契約したところによって変わる部分なので事前の確認が大切です)そのため、サテライト型の入居者は通常はアパートなどで生活し、日中は働くなどして活動。食事や余暇活動は本人の希望でグループホームを利用することもできます。(例外あり)

サテライト型も利用料金はグループホームと変わらず、7万円前後のところが多いようです。しかし、利用期限が2~3年と限られている点は注意が必要です。それでも、その後は一般の住居に移行できるように入居時から自立に向けたサポートを受けられます。

そして、サテライト型は制度が始まってから日が浅いため、数が少なく入居が難しいのが現状です。今後、増えていってほしいものですね。

「グループホーム」に入るには

まず、グループホームに入るには障害者手帳が必要となります。手帳の発行の対象となる疾患は限られていますが、うつ病のほかに統合失調症、てんかん、自閉症、学習障害、注意欠陥多動症障害、躁うつ病などは発行の対象となります。

障害者手帳の発行で注意しなければならないのは、初診から6か月以上経過していなければ発行の審査がしてもらえない点です。また、発行の審査にも数か月かかることが多く、最短で3か月、長くて半年以上は発行待ちとなるので注意が必要です。

1.障がい者グループホームを探すまずは市町村の障害福祉窓口に問い合わせて、障がい者グループホームを探したいむねを相談しましょう。そこで、どのような施設があるのかなどの詳しい説明を受け、自身の希望に合った施設を探します。自治体によっては空き部屋の検索や、その地域のグループホームが満室の場合は、近隣の障がい者グループホームを紹介してくれる場合もあります。

2.グループホームを見学する住みたいグループホームの候補が(いくつか)挙がり、その情報や連絡先を教えてもらうことができたら、まずは検索して調べてみましょう。そして気になった施設は見学にいくようにしましょう。見学することで入居したときのイメージ(雰囲気はどうだったのか、どのような人が住んでいるのか、支援員さんはどのような人なのか)が掴みやすいからです。

3.グループホームと面談、契約見学を終え、面談をおこなうと契約をするか(できるか)どうかを決めることになります。面談では障害の程度や、日常生活で困難に感じていること、そしてそれに対して「どのようなサポートや支援をおこなうべきなのか」などを聞かれることが多いようです。施設との契約後、入居に必要な物(書類など)を用意し、準備を整えたら入居することになります。

いざひとり暮らし!でも……

グループホームやサテライト型を退所してひとり暮らしに移行したとしても、今までサポートをしてくれていた方がいなくなるという環境は、食事や洗濯、掃除などの日常生活以外にも体調やお金の管理、ご近所づきあい、その他にも色々と不安になる要素が多いと思います。そのような不安がある方は「自立生活援助」の対象となるので早めに各市町村の福祉窓口に相談、手続きをしましょう。

早めにおこなうべき理由ですが、グループホームなどの退所から一定期間(3か月)が経過している場合は対象とならなくなるためです。また、手続きだけで最大1か月程度掛かります。

サービス内容としては定期的に訪問(月に5~10回、自治体によってまちまちです)をおこなって相談にのってくれる他、利用者から相談や申請があった場合は別途訪問、電話やメールによる対応も随時おなってくれます。

また自立生活援助に年齢の制限はありません。しかしサービスを受けられる期間は原則1年となります。例外となる場合もあり、その1年以降もサービスの必要性がある場合(各市町村で審査が行われます)期間の更新ができます。

まとめ

私は障害を受け入れるのに若干抵抗があり、行動が遅くなりましたが、先日ようやく障害者手帳の申請をし、現在交付を待っている状況です。待っている間もひとり暮らしについて調べては「ちょっと不安だな」と漠然と考えていました。

個人的にはサテライト型で、ひとり暮らしの練習をしてから、自立支援援助の申請をして1年間はサポートを受けながら暮らしたいなというビジョンが浮かびました。

私と同じように「うつ病を患ってしまったけども、実家を出てひとり立ちがしたい」と考えている方の参考になれば幸いです。

参考文献

【知的障害者グループホームと入所施設の違い | 六甲園】
https://www.rokkoen.jp

【障害者グループホームについて伺いたいことがあります | Yahoo!知恵袋】
https://chiebukuro.yahoo.co.jp

【精神障害者用グループホームの費用は毎月いくらくらいですか?? | Yahoo!知恵袋】
https://chiebukuro.yahoo.co.jp

【障害者グループホームに入居したい場合にはどうすればよい?自治体への申請は必要? | みんなのまち グループホーム】
https://pj.dotline-jp.com/minna

【日本初!(※)コンセプト型の障がい者グループホームが大阪に誕生!鉄道好き向けの「なにわ鉄男」、マンガ・アニメ好き向けの「萌えキュン」の2店舗同時オープンします! | PR TIME】
https://prtimes.jp

【サテライト型グループホームとは | ぜんち共済株式会社】
https://www.z-kyosai.com

【サテライト型グループホームの設置方法と運営ポイント | 行政書士ヨシカワ事務所】
https://syoshikawa.com

【動画でわかる「自立生活援助」の概要 | ドコモ・プラスハーティーの障がい者情報サイト ハーティーサロン】
https://plushearty-salon.com

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趣味はカメラを持って旅行に行くことで、最近ハマっているスポットは広島県の尾道市です。オススメ。最近は行けてませんが、3か月に1度はライブに音を求めに行くタイプ。就労移行支援事業所に通いながら気兼ねなく邦ロックが生で聴ける日を楽しみに毎日就活中です。

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