苦手と対策~ADHDのケアレスミスや予定忘れをどう軽減するか

発達障害

出典:Photo by Mitchel Lensink on Unsplash

人にはそれぞれ、苦手で上手くできないことを持っていると思います。そしてその中でも苦手が極端かつ、社会生活において問題になったときに発達障害と診断されるのではないでしょうか。

ADHD(注意欠陥多動性障害)を持つ私もそういった苦手なポイントがあり、それによって苦労してきています。しかし、就労移行支援事業所に通う中で対策ができることを実感しました。

その苦手と対策について、具体的な話もしつつ説明します。

何に苦労していたか

私が苦手とするものはケアレスミスが多いこと、予定を忘れがちなことです。これは昔から色々なことで顔を出し、自覚のある問題点です。

例えば、小学生のころにテストで学力上は100点を取れそうでも、細かいミスを起こす影響でなかなか取れませんでした。ただし、中学生になってからは解き終わった後のあまった時間で見直しを行うようにしていたので、テストでのミスは減りました。

しかし、これが就職後の仕事ではテストと違い、時間の枠が決まっていないため、早く終わらせようという気持ちからチェックする時間が減りました。その結果として、誤字脱字を中心にさまざまなミスが頻発していました。

もう1つの苦手である予定を忘れることについては、日常生活の中では病院の予約に行き忘れてしまうのが問題でした。後で気付いたときの気分の落ち込みや予約をし直すための電話をする手間、相手にかける迷惑などを考えてもよくない状況でした。

また、具体的な予定でなくても、何かをしようと思っていたことが、すぐに頭から抜け落ちる傾向があります。しようと思っていたことや、しておく必要があることが、その場では覚えたつもりでもいつの間にか頭の中から消えているのです。

このような困りごとを抱えており、就職してからはより顕著に影響していました。

どうやって対策するのか

対策をしても完璧に解決できる、とはいえませんが就労移行支援事業所に通ってからは少しずつよくなってきています。どういう方法があるか私の事例を紹介します。

細かいミスについては、当然のようですが作業後に自分で確認をすることです。昔もそうしているつもりだったのですが、思い返すと働いているときにはほぼできていなかったように思います。

そのため、具体的な方法として、確認するための時間を予定に入れるようにしました。この作業の後は10分ほど確認作業をおこなうと決めて、その時間内は集中しておこなうと安定して確認ができるようになりました。

次に予定忘れの対策ですが、これはスマホのカレンダーアプリを使うようにしました。紙の手帳に比べ、スマホは普段から見る機会が多いところが自分と相性のよい点でした。当日に通知が出ることで気付くことができ、安定して効果があります。最初は使うのが面倒だという気持ちもあったのですが、習慣化し効果があると分かってからは自然に使うようになりました。

予定の記入で、個人的に大事なポイントとしては、決まったときにその場ですぐに記入することです。後でやろうとすると面倒さがあったり、覚えていられず忘れてしまったりするからです。

短期でのすることを忘れる場合については2つの案があります。1つは先ほどのカレンダーアプリに記入し、その日のおこなえそうな時間に通知を出すことが有効です。もう1つは腕に巻くタイプのメモの活用です。これは書くときのメモを取り出す作業が省略され、帰宅後も外したときに目に入ります。そのため、書き込むときに手間がかからず、確認することも忘れにくい点で効果がありました。

ポイントとしては頑張って行うものではなく、習慣や仕組みにできるものを意識しています。また、アプリやツールを事例としていくつかあげましたが、各個人との相性が大きく出るため使いやすいものを探して活用するのがよいと思います。

ではどうすれば対策が思い付くのか

対策の事例をあげましたが、それがこの文章を読んでいる人に適したものとは限りません。では、どうすれば見つかるのでしょうか?

1番やりやすい方法はインターネットの検索や参考になりそうな本から、情報を集めることです。世の中には自分と同じような苦手を抱えている人はいるはずなので、それを参考にどのように対策しているか知ることは有効です。

次に身近な人に相談してみることです。もちろん相手を選ぶ必要はあると思いますが、有効な手段です。自分の中にはなかったアイデアをもらえる可能性があります。

そうして情報を集めたところで、実行に移してみる必要があります。集めたアイデアの中でおこなえそうで効果があると思うものを選んで試してみましょう。これが最も重要で、実際にやってみないことには効果は出ませんし、続けられるかの判断もできません。

こうやって色々と試していくことができれば、その中で自分にしっくりくる方法が見つかると思います。根本的な改善というのは困難ですが、対策によって日々の生活で問題にならない程度にできる可能性は十分あります。

最後に

発達障害の人には苦手なことがありますが、それを仕方ないことだと思って、何もせずに放置するのは惜しいことです。私の場合も改善するか少し疑っていましたし、面倒だと思って何かしようと思っていませんでした。しかし、苦手意識は残っているものの対策をしてからは予想よりもよくなりましたし、結果として自信にもつながりました。

まずは、自分の苦手を苦手であると自覚し、受容することが重要なのかもしれません。

茄子野

茄子野

就職後にうつ症状で心療内科を受診し、その際にADHDの診断を受けました。
現在は就労移行支援事業所を活用しながら社会復帰を目指しています。
ゲームやアニメ好きでイラストを描く趣味を社会人になってから始めました。
その他、特撮のウルトラマンシリーズやプロ野球観戦も好きです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

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