HSPと、ともに。

北新地ビル火災から半年がたちました〜HSPと、ともに。<vol.62>

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HSPと、ともに。vol.62 <毎月1日連載>

昨年末に起きた、北新地ビル火災から半年がたちました。弊社の計画相談支援の利用者様が巻き込まれてしまいました。現実とは未だに思えないです。普段はほとんどニュースは見ないのに、会社すぐそばで起きた、心療内科クリニックの火災から目が離せなくなりました。それがのちに、大変な症状として現れました。今振り返ると、あの頃の精神状態は酷かったなと思います。恐怖と悲しみと怒りでいっぱいだったし、火やオレンジ色、クリニック、消防車や救急車などのサイレン、容疑者に似た自転車に乗ったり、紙袋を持った男性が怖くなり、震えたり動悸がするので逃げたり、落ち着きがなくなりました。ニュース映像のフラッシュバックに苦しみ、特に運ばれている方の映像が頭から消えなくて、眠れない、食べられない、吐き気や嘔吐、呼吸困難、気が遠くなるなど、本当に辛かったです。

今は、治療のおかげでかなり改善してきました。火や、消防車などのサイレンが怖いのはまだありますが、フラッシュバックなどはほぼなくなり、クリニックや、容疑者のような自転車と紙袋の男性が怖くて逃げたりということはなくなりました。事件後はよく泣いていて、取材でも、事件の話をしても泣いていましたが、今は落ち着きました。記者さんに、ニュースを見てPTSDみたいな症状になった話をしたら、「それは本当にメディアのせい、申し訳ない。」と、その後のニュースを改善してくださいました。ニュースを見て気づいたので、驚いたし嬉しかったです。優しい記者さんもおられるのだなと思いました。

夫と私は、事件後現場を訪れた時に、こんな悲しい事件が二度と起こらないようにしたいと強く思いました。孤立は良くないな。犠牲になられた利用者様から、よく悩み相談の電話もありました。話せる場が必要だな。リワークプログラムに通われていた方々の居場所をつくりたいなとも思いました。そこで、オンラインサロンを立ち上げることにしました。その時の様子を、のちに友達から、「アドレナリンで動いている感じがすごくて心配だった。」と言われました。自分でも、たくさんの辛い症状があるのに、ほぼ休まず遊ばず、本業の仕事をしながら、家事もして、たくさんの取材も受けて良くやったな、過活動で多動のADHDと、空気を読まず人からどう思われても気にしない過集中のASDの発達障害の特性がプラスに出たと思いました。親はもちろん、周りの方々に心配されましたが、驚くほどたくさんの応援のおかげで頑張れたのだと思いました。本当に嬉しかったです。

オンラインサロンの設立では、たくさんのかけがえのない出会いがありました。ニュースを見て会いに来てくださった西澤先生の妹さまや、会社に企業実習に来られていた元患者様の実習生との再会、オンラインサロンのメンバーさん、メディアの方々、クラウドファンディングで支援していただいた方々。それから、相模原の障害者施設、やまゆり園の事件のご遺族。事件はあってはならないけど、出会えたことは宝で、とても大切なのです。不思議なご縁だな。

西澤先生の妹さまとの出会いは、私にとってとても大きいです。いつも優しく、元患者様のことはもちろん、いつも私の体調も気遣っていただいています。可愛いお菓子やお茶をいただいた時には、好みが似ていることがわかったり、私が体調を崩した時には、自然の癒しの写真を送っていただいたのが嬉しかったり、楽しくお話しすることも多いです。勉強熱心で、精神疾患や、カウンセリングの勉強もされています。頑張りすぎて心配になりますが、私が今まで頑張れたのも、妹さまが一緒にいてくださったからです。サロンメンバーさんとの出会いは、本当に嬉しいです。安心感がリワークプログラムの雰囲気に似ている、と言われた時は、夫と二人で泣きました。また、リワークプログラムで一緒だった方々が再会されたり、犠牲になられた利用者様と一緒だった方がおられたり、驚くこともありました。「居場所、つながりをつくってくれて本当にありがとう。」と言っていただけて、とても嬉しかったです。普段は、場面緘黙があったり、話すの苦手とおっしゃる方々が、たくさん話していただいたりすることも多いです。私もそうですが、もともと人付き合いが苦手なのに、ここでは安心して話せます。また、私の主治医が体調不良で別の医師に変更になった時はショックで、皆さんの気持ちが少しわかった気がしたし、話を聞いていただけて、話せる場は本当に大事だなと思いました。オンラインだけじゃなく、リアルでお会いすることも多いです。皆さんの意見から、いろんな交流会を開催しています。これまで、様々なゲストの方にもお越しいただきました。リワークプログラムをやってほしいというリクエストをやっと、7月からスタートさせます。皆さんに資料を見せていただいたり、お話を聞いたり、自分でも本を買って勉強しました。まだまだですが、喜んでいただけたら嬉しいです。

私たち夫婦の、事件から半年までの様子を、共同通信社の記者さんが記事にしてくださいました。温かく見守っていただいて感謝しています。7月3日に47NEWS(よんななニュース)、Yahoo!ニュースにて配信されますので、読んでいただけたら幸いです。これからも、頑張っていきたいです。

川田 直美  障害者ドットコム株式会社スタッフ

川田 直美  障害者ドットコム株式会社スタッフ

HSP、ASD(自閉症スペクトラム)、ADHD、LD(学習障害)があり、発達障害をコンプリート。パニック障害もあり、生きづらさも感じながらも、日々楽しくいこうと考えている。今まで、花屋、ケーキ屋、カフェ、デザイン企画、オリジナル雑貨制作などいろいろな仕事を経験。自然と犬と本が大好き。

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