社会人として生活するために~発達障害の私が気をつけていること

発達障害

出典:Photo by Hunters Race on Unsplash

発達障害をもつ私が、生活や就活、その後のことを考えると困りごとであふれています。服装をどうするのか、予定をどのように管理するのか、寝る時にどのような工夫をしているのか……。考え出すとキリがありませんが、この3点に絞って今回は紹介しようと思います。

ジャケットの可能性を信じる

社会人になると、スーツだけでは対応できない職場というのも少なくないと思います。よくあるのが「オフィスカジュアルで来てください」という指示です。オフィスカジュアルについてインターネットを調べても、かなりの種類が出てきて発達障害を持つ私にとっては、判断がつけがたいのです。

ではどうしているか。私の考えと、本に書いてあることの重複にはなりますが「ジャケットとスラックスはいいものを持っておく」です。ジャケットとスラックスさえしっかりしたものを持っておけば、大体の場面に対応できると思います。

オフィスカジュアルなら、そのセットに無地か目立たない模様のワイシャツで決まりますし、靴についてもその服に合わせるなら革靴かなと決めることができます。最近のスラックスならある程度の伸縮性があり、動き回るような職場でもある程度対応できるでしょう。

私用であれば、スラックスの代わりにチノパンのような少しくだけたズボンに変えて、中に着るシャツも模様があるものでもいいです。靴も普通のスニーカーでもいいでしょう。ジャケットさえきっちりと着ていればある程度、清潔感や誠実感が出るので見た目の印象はいいといえるでしょう。

スーツでしかダメなところでも、ジャケットとスラックスのセットの色が似ていれば「スーツもどき」として運用できますし、ネクタイも最近ではフックで付けるだけの簡単なものも売っています。それを使えば、ぱっと見はスーツをちゃんと着こなせているように見えるのです。

就職活動以外ではそのような手はありかなと私は思います。さすがに就職活動で、スーツで来てくださいというときは、スーツで普通のネクタイをしていきます。靴も革靴を履くようにしています。

予定の管理方法

発達障害を持つ私が、予定をカンペキに管理できるなんてことはありません。必ずその予定を忘れてしまったり、予定が被ったりしてしまう可能性だって十分考えられます。

ではどうするか。「Googleカレンダーを活用する」というものです。文明の利器はすごく、アカウントさえ連携しておけば、予定を入れるとどの端末にも予定が入り、予定の変更などがあってもすぐに変えることができます。

社会人ならば手帳を使えばいいのでは?と思う人がいるのかもしれませんが、私はそうは思いません。手帳に予定を書いていくと、どうしても目にする機会が少ないためすぐ忘れてしまうのです。そして予定当日になってやっと気づくなんてこともよくある話です。

Googleカレンダーならスマートフォンからすぐにアクセスできますし、仕事中に急に予定をいわれたときでも「ちょっと待ってください、予定を記入しますので」といってスマホを取り出すか、仕事用のパソコンを開いてGoogleカレンダーに入れてしまえます。

そうすることができれば、通院などで予定が被っていたりしてもすぐにわかりますし、携帯電話は常に持ち歩いているので予定を忘れにくいでしょう。

あとは、家での予定管理をどうするかですが、これもGoogleカレンダーが役に立ちます。「安物のタブレット端末」がとても役に立ちます。安物のタブレットにGoogleカレンダーを入れて置き、常にカレンダー画面にしておくことで、スマホから編集した予定がすぐに反映できますし、そのタブレットをよく使う机(例えばパソコン机など)においておけば嫌でもそのカレンダーが目に入るので予定があるかどうかが判断できるでしょう。

寝る環境の整え方

発達障害を持つ私は、正直にいってあまり寝つくことができません。エアコンの音であったり、豆電球の光であったりが邪魔で眠れないのです。そこで本を読んでみると「五感を物理的にシャットダウンする」方法がかかれていました。私はそこに共感を覚えました。

触覚については、寝具がそれにあたるので、他の感覚について私個人の意見をと本を合わせた解決策を紹介します。

まずは音について。これはヘッドホンやイヤホン経由で、心地のいい音を流すようにしています。いわゆるヒーリングサウンドなどを流すことで、エアコンの音などの情報を物理的に遮って、寝るのに心地よい環境を整えていきます。

次に光ですが、これはアイマスクを活用しています。特に重宝しているのが、じんわりと温かく感じるタイプの、保温性に優れたものです。アイマスクを付けることで、物理的に光を遮断し、更に目の周りを温めることで眠気を誘うのです。

最後に嗅覚ですが、これは自分の心地のいい香りを枕元に置くようにしています。安物ですが、柑橘系のいい香りがするアロマオイルをこれまた安物のアロマ専用の石に垂らして枕元に置くようにしています。

そうすることで枕周りを安らぐ香りが包み、脳がベッドを休むための場所だと認識しやすくしています。(あくまで私の場合が柑橘系の香りというだけで、好きな香りは人それぞれだと思います。個人に合った香りをお勧めします)

このように、ベッド以外の環境を整えて寝るようにすることでうまく寝つくことができ、翌日が寝不足だなんてことを防ぐことができるでしょう。「ベッドに入ったら寝るためのセットを実行する」だけでかなり睡眠状況は改善されます。

これまで服装、予定管理、睡眠と発達障害を持つ人達が悩むであろうことについて紹介させていただきました。どれも社会人になると必ずといっていいほど、カンペキを求められるものですが、発達障害を持つ私はそのカンペキが難しいです。

でも工夫できることは、工夫して乗り切るようにすれば、私のような人でも、カンペキとは遠くても、それに近いところまでできるのではないでしょうか。もし似たような問題を持つ人がいれば、この記事が役に立てば幸いです。


参考文献

【『発達障害サバイバルガイド―「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』 借金玉著 ダイヤモンド社 第10刷 2021年 87~200p】

猫目漱石

猫目漱石

20歳の頃に広汎性発達障害と診断されて以降、大学を卒業後30歳まで健常者として仕事を行なう。2022年に障碍者手帳を取得し現在は障碍者雇用を目指し勉強中。
座右の銘は「孤高であり、至宝であれ」。一人として自立し自律出来るようにしつつオンリーワンの価値を見出すために日々奮闘中。

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