発達障害とコミュニケーション~好印象のために

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出典:Photo by LinkedIn Sales Solutions on Unsplash

発達障害、とりわけ広汎性発達障害を持つ人にとって、他人とコミュニケーションを取ることは、かなりの鬼門だと思います。私も、社会人になりたてのときは随分と苦労しました。今は少しマシにはなっているのかなと思っています。(そう思いたいです……)今回は私がおこなっている工夫を「目線」「相槌」「オウム返し」の3点紹介します。

悪くみられない目線の合わせ方

私は、他人の顔を見ることがかなり難しいです。長時間見つめているとなぜか笑ってしまうのです。そんな私がコミュニケーションを取る際に、目線をどうしているのかですが、これは単純で「相手の口元に視線を持ってくる」というものです。

顔全体ではなく一部を見ることで、真剣な会話なのに笑ってしまうなんてこともないでしょうし、相手からもある程度、顔を見ているようにみえるでしょう。話しているときの印象については、悪くないと思います。

今では口元ではなく、ある程度目線をもう少し上に持っていけるようになりましたが、最初の内は相手の顔全部を見ようとするのではなく、一部分だけ見るように練習していくことが大事かな、と思います。

そこから徐々に範囲を広げていって、最終的に顔を見ることができるようになれば、非言語的なコミュニケーションの部分はとりあえずばっちり取れるようになると思います。

適度に相槌を打つ

働いていたときに、コミュケーションを取った先輩の社員からよくいわれたのが「話をしていて、ちゃんと話が分かっているのか分からない」「なにを考えているのか分からない」といった意見でした。

そのときの私は全くといっていいほど相槌をうたず、反応もうなずくだけだったのです。それでは本当に話が伝わっているのか、それとも話半分で聞いていないのか分かりません。なので、適当なタイミング(大体2文に1回ぐらいのペース)で「はい」「うん」「そうですね」といった相槌を打つようにしました。

相槌を打つことで相手に「話を聞いてもらえているのだな」とはっきりわかってもらえますし、話を続けていくうえでの印象も、そこまで悪いものにはならないと思います。

もちろん、怒られているときに「そうですね」なんて相槌は打てませんが、そのときは「すみません」に変えることで反省の意図が伝わるのではないかなと思います。

コミュケーションの上手な人と話をしていると、かなり相槌の量が多いように私は感じます。バリエーションも「へぇ~」「そうなんですね」「すごいですね」などの言葉が入り、量も種類もかなり多いように思います。私にそこまでのまねはできませんが、できるだけ入れるようにしています。

対人関係が重要な職場ほど、細かい相槌が飛び交っているように感じます。現在私は就労移行支援事業所に通所しているのですが、支援員さんの利用者との会話でもスタッフ同士の会話でもかなり細かく相槌を打ちながらコミュニケーションを取っているように感じます。

個人的には、相槌を打つという行為はコミュニケーションの中では、一種の潤滑剤のような役割を果たしているのではないかと思います。

会話をよくキャッチボールに例える話は出てきますが、私は会話を「自分と相手との間にできた円」ととらえ「円がスムーズに回るために相槌という潤滑剤をさしてやる」これがよいコミュニケーションのコツなのではないかと思います。

オウム返しができるようになる

「オウム返し」といえば少し幼稚な気がしますが、話の内容を繰り返すというのは、コミュケーションを取る上で大事な要素なのかと私は考えています。オウム返しは話の内容が理解できていないと難しいですし、話を繰り返すことで「話の内容を理解してくれているのだ」と相手に伝えることができる手段であると考えています。

例えば「今日はいい天気ですね。散歩にもちょうどよさそうです」という相手からの話しに対し「そうですね、いい天気ですし私は洗濯をしたくなりますね」と「いい天気」というキーワードを繰り返して返答するといった感じです。

健常者からしたら簡単なことかもしれませんが、広汎性発達障害を持つ私にとってはそれすら怪しかったのです。話の内容が分からず、見当違いの答え方になってしまうのです。なので、簡単な会話から繰り返しができるように練習しました。

今では、仕事に必要なスキルの指示を聞くという行為に役立てています。指示を聞く際に「分かりました。○○を△△までにすればいいんですね」と繰り返すことで、話の内容が、かみ合っているかの確認もできますし、もし聞き間違いや勘違いが起こっていたのなら、すぐに訂正が入ります。

「分かりました」という相槌だけだと、本当に話が理解できているのか分からないですが、指示の内容を繰り返すことで相手との認識の相違が無いかの確認ができるので、スムーズなコミュニケーションになるでしょうし、仕事もうまく回るはずです。

よいコミュニケーションを取るためには、必要なテクニックというものがいくつもあると私は考えています。今回は「目線の合わせ方」「相槌の打ち方」「話を繰り返す」という3つの方法について紹介しました。他にもまだまだ色んなテクニックがあるのでしょうが、まずはこの3つを試してみてはいかがでしょうか。

猫目漱石

猫目漱石

20歳の頃に広汎性発達障害と診断されて以降、大学を卒業後30歳まで健常者として仕事を行なう。2022年に障碍者手帳を取得し現在は障碍者雇用を目指し勉強中。
座右の銘は「孤高であり、至宝であれ」。一人として自立し自律出来るようにしつつオンリーワンの価値を見出すために日々奮闘中。

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