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連載コラム2017.8.10

支援しないことが一番の支援!?ではいったい何が最も良い支援なのか?(『発達障がい~神からの贈り物~』第9回)

支援しないことが一番の支援!?ではいったい何が最も良い支援なのか?(『発達障がい~神からの贈り物~』第9回)
『発達障がい ~神からの贈り物~』 第9回 <毎月10日連載>

ある会議に出席している時に私の口からふと出た言葉『支援しないことが一番の支援』。自分自身でも少し驚きましたが、少し考えて…、ふむふむ、確かにそうかも…、そんな感じで一人で感心してしまいました。

『何を言っているのか?』と不思議がる方、『そんな訳はあるまい』と非難する人もきっとおられるでしょうが、まず私の話に耳を傾けてください。

このコラムでも過去に『発達障害は障害か個性か?』という内容でお話をしました。発達障害当事者や関係者に『発達障がいは個性であって障害ではない』という意見を多く耳にします。私自身も発達特性を個性や特技に変えることで人生が見違えることを説いてきました。発達障害の特性を発達凸凹という名で障害という文字を省こうと言う動きも見られます。

障害という言葉を使わないことに私自身は反対ですが、発達特性が個性というのならその個性に支援は必要でしょうか?誰にだって得意なこと苦手なことはあります。苦手なことを誰もがなくすようなことは脱個性であり、それぞれの個性を認めないことにはならないでしょうか?

発達障害を持たない多数派の人にだって苦手なことはそれぞれにあるでしょう。苦手を克服したいのなら自分の意志で様々な方法で克服に務めるでしょうが、それは福祉事業ではなくあくまで本人の意志による本人の自主的行動です。

一方でできないことをできないと認める、つまり障害受容が大切だと言う考え方もありますが、であれば尚更支援は必要ないと言えませんか?実は私の考え方も全く同じで、苦手なことを苦手と認める、つまり自分自身を受容していくことこそが発達障がいの支援に最も必要なことだと考えています。私自身もできないことを自分で受け入れて行くことで、心が軽くなり、結果的には苦手なことやできなかったことが幾つも克服できました。『しなければいけない』と自分を追い込むより『できなくても仕方ない、いつかできるようになれば…』という気持ちが結果的には本来の能力が発揮されるようです。また、苦手を克服するよりも得意を伸ばすことにマインドリセットした方が効果的なことも良くあります。得意な事のほうが楽しいし、できる自分の自己暗示も自然にかかります。

そういう意味で支援しないことが一番の支援だと定義付けました。もちろん本人が苦手克服しようと言う気持ちを否定するわけではありません。できるようになること以上に自分を認め自分らしく生きることが人生を生きることになりませんか?個性的な発達障害者の個性を活かせる社会こそ人権が尊重される成熟社会ではないでしょうか?

以上のような話をした時に、必ず『そんなことでは社会で生きていけない』『できなくて良いのなら何もしなくなってしまう』などなどそう言った類の言葉が聞かれます。実際にそういう時期を過ごしてみればやはり自分は何かやりたいのだと思えると思うので、そういう時期は必要だと思います。引き篭もりや鬱というのはそういうマインドリセットに必要な時間ではないでしょうか?

私の本音はそういう自分と向き合う時期を周りがしっかり待ってあげられることこそ最大の支援だと思います。待つ方もそれなりの試練が必要です。ついつい心配して口を挟んでしまうのは心の底から信頼していない証、本人が自分と向き合い、自分の人生を己の意志で歩み出すにはそれなりの時間が必要で、それを時間短縮しようなどというのは目先の実利主義、人間の成長はそんな簡単に進みません。

待つことと同様に大切な支援があるとすれば、家族や周りの人たちが自分自身の人生を充実させることではないでしょうか?ああしろ、こうしろ、と言う言葉をかけるくらいならあなた自身がそういう人生を歩めば最も良いサンプリになるのではないでしょうか?私自身も自助会を重ねる毎に自分自身の生き方が大切であることを実感します。説得力のない者のアドバイスは届きませんから。

結局のところ誰もがいきいき暮らせる社会を作るためには先ず自分自身がいきいき暮らせないと次には進めません。私は一番最後でよい、という人もいるでしょうが、それこそ自分自身の問題から目を背けているのではないでしょうか?誰もが自分と向き合い自分らしい暮らしを送っていれば発達障害のあるなしに関わらず、当たり前のように自分と向き合い自分の歩むべき人生を歩むはずです。

以上のようなことから『支援しないことが一番の支援』だと述べました。かくいう私自身は手帳を持ち幾つかの福祉サービスを受けています。現行の全ての福祉事業を否定するつもりはありません。福祉サービスがどうあるべきかを議論するのも大切ですが、その前に人が人として生きることがどういうことかを議論したほうが良いのではないでしょうか?『してあげること』『してもらうこと』が支援ではないはずです。

★公式ブログ:アスペ先生の独り言 http://ameblo.jp/suzie-net

さかいハッタツ友の会フィルムーンは毎月第3土曜日18:30〜 堺市総合福祉会館にて開催

ゲストプロフィール
Kei スズキ
Kei スズキ

1969年大阪府泉大津市出身 高知大学農学部卒
ディレクター、スタジオ・ミュージシャン、道化師、学習塾経営など仕事は長続きしないながらも様々な分野に挑戦、一方で離婚を経験したことから10年の欝を経験。そののち2013年に発達障害の診断を受ける。現在はさかいハッタツ友の会の自助活動を中心に、自身の経験を活かし、発達障害者の生きがいや生き方についての啓発活動を行う。

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