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連載コラム2017.2.28

はじめの一歩 『心の一歩 』vol.2

はじめの一歩 『心の一歩 』vol.2
『心の一歩 』 vol.2 <毎月30日(2月は末日)連載>

私は脊髄小脳変性症という進行性の神経難病を患っています。母親からの遺伝です。その母親は12年前に他界しました。

当時、「1リットルの涙」というテレビドラマが話題になっていました。主人公の病気が母親と同じものだったので、たまたまインターネットで調べてみると、症状は進行性であること、遺伝性であることを知りました。

ショックでした。しかし、当時の状態から自分自身が患うことになるなどとは思えませんでした。何不自由なく、当たり前のように普通に過ごせていたからです。母親が亡くなる前までは、何もかも不自由は無いどころか、幸せでした。営業として飛び回り、家庭を持ち、未来を思う日々。

7年前に受けた遺伝子検査で確定診断を受け、描いていた未来は、全て吹き飛びました。そこからの私は、突きつけられた診断結果から逃げたくて逃げたくて現実逃避の日々が始まり、とにかく、病気のことを受け止めるまでにはかなりの時間を浪費しました。その間に、多くの人を傷つけてしまい、離れ離れになるという結果が今です。

歩くと酔っ払いのようにふらつくようになり、眼振が激しく字も読み難く、書きづらい。病状の進行を実感しだした頃、心の中に少し変化が現れました。嫌な日々だけが過ぎていく。そんな毎日にも嫌気がさし、それならば、嫌と思う考え方そのものを変えてみようと思ったのです。そして、自分には今、何ができるのだろうかと考えてみたのです。大したことでは無いように感じますが、これは私の人生の中で大きな考え方の変化でした。

当時の私は無職でしたから、余計に考える時間も長かったのだと思います。そこで、よし、誰かに相談に乗ってもらうと、先輩に連絡をとりました。毎日毎日何もしていない私の状況を聞いて、先輩は決して同情をすることなく、「未来は自分で切り開くんだよ」と、言ってくれました。私もそう思いました。一見厳しいけれど、それが、今の自分に出来ることだなと。

その先輩の影響もあって、私は宅地建物取引主任者という国家試験に挑戦することにしました。眼振も激しく、字も読み難く、書きづらくなってきている現状。これで最後かも知れないと思うと何処かでスイッチが入ったんだと思います。何かを残しておこうと、3か月間、毎日図書館に向かい猛勉強し、ついに合格することが出来ました。本当に嬉しかったのを覚えています。

もう一度、未来に目を向けることができた自分自身に自信になりました。又この事が今後の私に何をやるのでも影響している事は、間違いありません。その切っ掛けを与えてくれた先輩には、本当に感謝をしています。

未来に向かってとにかく一歩踏み出し続けていたい。失敗したっていい。人に出会って、行動したい。何もしないで後悔するよりも、「いま」出来る事を後悔しないようにやる。それが、今の自分に出来ることだと思います。

ライタープロフィール
佐久間 勇人(さくま はやと)
佐久間 勇人(さくま はやと)

約7年前、小脳が萎縮し、伝達神経系が徐々に破壊されていく神経難病脊髄小脳変性症であることを知りました。そこから今日までは沢山の経験・後悔がありました。人と出会い、生まれた笑顔、そのありがたみを人一倍感じとり、今まで気が付かなかったようなことを学べてきたような気がします。
ハンデがある。でも、それは「個性」でもある。そう思うようになった時、生き方がかわりました。そして、障がい者水泳というスポーツに出会うことが出来たのです。
目標を持ち、チャレンジし、全国障害者スポーツ大会(2015わかやま大会・2016いわて大会)においては新記録を樹立しました。まだまだやりたい。まだまだチャレンジしたい。継続していくことに最大の意義があると思います。何もしないで、後悔するのではなく、「いま」できることを思いっきりやりたい。
限りある時間の中で出会うべくして出会えた“こと”。体験の中で見つけた思いをお伝えしています。

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