「心が障害者」という言い草

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Photo by Jason Forrest on Unsplash

「たとえ体が障害者でも心まで障害者になるな!」
これは沖縄のある障害者就労支援事業所がぶら下げていた垂れ幕で、無断で入れたアニメキャラ画像との調和もあってネット上で大きな話題となりました。障害者施設という立場でありながら、障害の個人モデルに依拠した前時代的な言い回しも突っ込みどころです。

たまに「心が障害者なんだ」みたいな言い回しがみられ、言い放つ側は往々にして言ってやった感に満ちています。これの何がマズいのかというと、「障害者」を悪口として表現することで「障害者=悪」と結びつける価値観が出てしまっているのです。しかも悪気がなく無自覚なので、問題点に気付くことはほとんどありません。

悪い意味で有名になったのを知ったのか、その施設は垂れ幕について「心が障害者というのは、嘘をついたり虐めたり騙したりする人のことだ」と釈明する張り紙を追加しました。しかし障害者そのものをマイナスとして捉えている根本に変わりはなく、言い訳にすらなっていません。

もう一度言いますが、垂れ幕があったのは障害者の就労支援をする施設です。障害者福祉を生業としながら、障害の社会モデルについて全く知らなそうなのは笑えない話ですね。ちなみに、垂れ幕が話題になったのは2020年ですが、結局その年じゅうに撤去されていたようです。思想は兎も角、キャラクターへの冒涜なので悪目立ちした以上仕方のない事でしょうね。

ちなみに全文はこうです。
「たとえ体が障害者でも心まで障害者になるな!自己中心にならず、常に周りに愛を配り夢と希望を与え、自己犠牲をしても他人を助けろ!私たちが常に支援している」

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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