ADHDなどをもじって行われる言葉遊びについて、筆者なりの見解を書きました。

発達障害 暮らし

出典:Photo by Sven Brandsma on Unsplash

SNSやインターネット掲示板で、ちらほら見かける表現で個人的に気になるものがあります。それは「ADHDをもじった言葉遊び」です。

いまご覧いただいているこの記事であったり、障害者について調べることがある方には耳馴染みのあるADHDですが、ネットの中では「よくわからないけれど、いじってもいい障害者」のような扱いになっているように思えます。今回はそれについての"個人的な"見解です。

そもそもADHDって何?

注意欠如・多動症(ADHD)とは、発達水準からみて不相応に注意を持続させることが困難であったり、順序立てて行動することが苦手であったり、落ち着きがない、待てない、行動の抑制が困難であるなどといった特徴が持続的に認められ、そのために日常生活に困難が起こっている状態です。

12歳以前からこれらの行動特徴があり、学校、家庭、職場などの複数の場面で困難がみられる場合に診断されます。

ADHDと診断を受けていて、日常生活に支障が出ていると判断された場合には障害者手帳が交付される、れっきとした障害のひとつです。

部外者からの「いじり」

よく目にするのは、言葉をランダムに生成するツールなどを使用しての「おれ、○○かもしれん……」というものです。○○にはADSLやASAPなど、ADHDと似たアルファベット4文字であったり、HDMIなどのもはや全然なんの関係もないものまであります。

自分の行動に嫌気がさして「おれ、ADHDかもしれん……」と嘆く気持ちを踏みにじり、言葉遊びにすれば面白いと思ってやっているのです。

悪意なき悪

ほとんどの方は前述の言葉遊びについて、なんの意図もなく、みんなが遊んでいるツールだからとか、流行っているからという理由で楽しんでおられるでしょう。

ですが、ADHDやASDなどの当事者であったり、友人・知人にそのような悩みを抱えている方がいれば、こんな遊びはできないでしょう。

目の前を身体障害者の方が歩いていて、それを真似して笑っていたら問題ですよね?それと同じような子供じみたことを、大人が平然とおこなっているのです。これには怒りや悲しみの感情よりも、呆れることや、この国の発達障害への理解の低レベルさに情けなさを感じます。

重みを知るべき

こういったADHDや「アスペ」という言葉、表現は、日増しに軽いものになっていっているように感じられます。

病気や障害といったものだというよりは、個性として認知され始めているということでしょうか。ポジティブな考え方であれば、そうして受け入れられやすくなっていると考えられます。

ですがわたしは、こうした言葉遊びの刃物がちらつくインターネットは、見ていて少し見苦しいものだと感じてしまいます。

軽い気持ちで言葉遊びになっているこの現象、障害者を「ガイジ」「ゲェジ」「ガの者」などと揶揄することと何が違いがあるのか、実際に遊んでいる方には振り返っていただきたいものです。

出展:ADHD(注意欠如・多動症)NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター 
https://www.ncnp.go.jp/


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新井 一生

新井 一生

社会人になってからパニック障害、統合失調症などを患った精神障害者。
精神病になってからも沢山の失敗を経験しながら、なんとか生きている。
好きなものはゲーム。

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