適応障害、うつ病を発症すると
その他の障害・病気 うつ病出典:Photo by Marian May on Unsplash
最近、ニュースやネットで話題になることが増えてきた「適応障害」「うつ病」。
実際に発症してから、治療を続けて1年半が経過し、転職活動を始める体調にまで回復しています。
少しずつ回復してくるまでの症状や生活、就労移行支援を利用してみて良かったことをまとめました。参考になれば幸いです。
まさか適応障害、うつ病になるとは
新卒で入社した会社で右も左も分からないところから仕事に慣れたころ、適応障害とうつ病を発症して休職、退職しました。
それまでは、心身ともに健康な人間でした。ところが、勤務日に急に休んでしまう、十分に睡眠を取ったにもかかわらず勤務中に寝てしまう、という症状が突然現れ「疲れているだけだろう」と思っていましたが大きな仕事を終えた後、会社に出勤できなくなりました。
何が何だか分からず、上司にうながされて内科を受診しました。内科の先生には心療内科を勧められ、友達の付き添いでいった心療内科で「適応障害」「うつ病」と診断されたのです。
やがて、トイレにいくだけで精一杯な状態になり1人暮らしの生活が厳しく、いったん実家に帰りました。親にうつ病になったことを伝え、実家で家事を手伝いながら、しばらく生活することにしました。
何時間寝ても日中は眠くなり、気が付けば昼夜逆転の生活になっていました。親が仕事で外出する日中は寝てしまい、親が帰宅する夕方には目が覚めて晩ご飯を食べテレビを見ている私がいました。
親からすると健康に見える私。うつ病と診断されても訳が分からず説明できない私。
親と接することさえ辛くなり、やむをえず荷物をまとめて1人暮らしの生活に戻りました。
とにかくクリニックに通い、仕事をどうするか考え始めたころ、就労移行支援と出会い、今もリハビリを続けています。
自宅で入院生活
就労移行支援に出会うまで、生活するだけで必死でした。世界が新型コロナウイルスで大騒ぎしている間、ただ食べて寝て排泄して、たまに買い物に出かけてを繰り返す毎日が続きました。
親と同じく、周りの人にうつ病であることを打ち明けてみても「若いから大丈夫」の一言で済まされたのです。どれだけ説明しても理解されず、ショックで悔しい思いでいっぱいでした。
その時の生活をあまり覚えていませんが「今後仕事ができる体調になるのかわからない」「利益を生み出し、人の役に立つことができないままの自分に生きる価値があるのか」自問自答し続けたことは今でも覚えています。
就労移行支援を利用してみて
就労移行支援は国の支援制度で、何らかの障害がある方が社会参加して一般企業で働くサポートをするサービスです。通う場所が欲しくて利用を始めました。私は就労移行支援で何度も救われました。
体調を回復させ仕事復帰するために、色んなことを学ぶことができます。学んで実践するたびに体調が、少しずつ良い方向へ変化していると実感しています。「学ぶ」ことが楽しいと感じたのは初めてです。
体調が良くなってきたといっても、始めから順調に良くなってきた訳ではありません。自分を過信しすぎて、体調が落ち着いてきたからと、買い物に出かけクタクタになって帰宅し、後日、体調が悪化することが時々あります。自業自得ですが、買い物に出かけてみたからこそ「この体調で買い物に出かけると、後で後悔することになる」と学ぶ機会にもなりました。
同じように通所されている方には、うつ病以外にも色んな障害があり、職業もバラバラ、十人十色です。元気になっていく姿を見ると一緒にリハビリをしていて、とても励まされます。
転職活動を始められるほど体調が回復したのは、就労移行支援をしてくださるスタッフや同じように通所されている方の存在が大きいです。1人でここまで回復するのは難しかったと思います。
やっと出会えた本当の私
就労移行支援でのリハビリには、自己分析をする機会がたくさんあります。支援内容は場所によって異なり、色んな方法を使って自己分析ができます。
自分のことは自分が一番知っていると思っていましたが、違いました。曖昧に知っているだけでわかっていませんでした。
自己分析をしていると、自分の取扱説明書ができたり、どんな仕事やどんな生活が合っているのかが見えてきました。周りの方からフィードバックをもらったり、苦手だと思っていたことを挑戦してみると、意外とできることもわかりました。「失敗してもなんとかなる」と思えるようになったのです。
自分の性格を変えるよりも扱い方をマスターして、生活しやすい環境を見つけると生きやすくなる気がしています。
おわりに
適応障害やうつ病に出会ってマイナスなことばかりかと思いきや、今まで知らなかった自分と出会い、以前よりパワーアップしたと思うこともあります。
就労移行支援を通して、色んな症状や環境がありながらも治そうと、生きようと、毎日頑張っている人をたくさん知りました。1年半前までの自分には関係ないことだと思っていたことが、身近になったと思います。世の中には色んな人がいることを、まずは知識として知る人が増えて、適応障害やうつ病の話がしやすい環境になることを願っています。
参考文献
就労移行支援 - フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/
適応障害 うつ病