うつ病になってから~自分を見つめ直す

うつ病

出典:Photo by Giulia Bertelli on Unsplash

私がうつ病を発症したのは大学時代でした。

「人生山あり谷あり」のことわざで例えるのなら、当時の私は谷底に落ちて這い上がれなくなっていた状態だったと思います。現在は寛解しつつありますが、調子が悪くなると抑うつ状態がひょっこり顔をだしてきます。

うつ病を発症した経緯

大学時代、私は片道2時間近くかかる大学に通っていました。週に少なくとも3回レポートの課題が出される最も忙しい学部でした。加えてサークル活動にも積極的に参加していたので、暇という言葉とは無縁だったと思います。

振り返れば、そのころは随分無理をしていた気がします。家に帰宅するのは最短20時以降、起床時間は5~6時が普通でした。

やがて「急にわけもなく涙がでる」「通学するだけでその日の体力を使いきる」といったうつ病の前兆が発生しました。このときに休養を思いきってとることができればよかったのですが、親のお金で大学に通わせてもらっている以上、休学するなんてありえないと考えていました。

体からの警告を無視して通学を続けた結果、私の心はいつの間にか深い悲しみと絶望に染まっていました。最終的には、授業を抜けてトイレの個室に引きこもり、泣きじゃくるくらいには悪化していたのです。

私自身もそこでようやく、精神科の受診にいかなければならないことを理解しました。

精神科の受診

私は最初に大学近くの精神科を受診しました。治療を施され、薬も処方されたのですが思ったように精神の健康は安定しませんでした。

結局、私は大学を1年休学することになったのです。

当初、私は「お休みだ~!」と喜ぶよりも「どうして自分は大学に通えないのだろう」という自責の念に苛まれていました。科目の成績は非常によかったので、講師の先生たちにも驚かれた記憶があります。

1度、本気で自殺をしようとしたこともありました。幸運にも未遂で終わったのですが、警察届もだされそうになったくらいには両親や友人たちを心配させました。

特に母が泣いて抱きしめてくれたときは「もう2度と自殺なんてしない」と心に誓ったものです。

父の紹介で別の精神科医を受診し、そこでようやく症状が落ち着きました。

1年後、私はなんとか通学を再開しました。講師の先生たちの配慮や保険医さんの支えもあり、無事に卒業することができました。

その学部で学んだ集大成である、国家試験も合格通知がきました。獲得した国家資格は仕事には役立てられていないのですが、普段の生活に応用しています。

谷底の自分へ

谷底に落ちた私を振り返れば、確かに辛かったことが多かった気がします。

例えば、体が鉛のように重くなって起き上がれなくなったり、サークルメンバーの一部に揶揄されたり、学友の大半からは連絡が途絶えてしまったことがありました。パートナーとまともに話ができる体力もなく、病状を伝えられなくて別れたこともありました。

でも一方で、ちゃんと現在も続いている縁があり、支えになっています。

趣味を通じて新しい友だちもいっぱいできました。

今の私は幸せです。だから谷底にいる自分には「君は1人じゃないよ。たくさんの人が助けてくれるから、少し休んだらちょっとだけ手を伸ばしてみて!」と声をかけています。

私はうつ病を発症して、たくさんの人に助けてもらい、元気や勇気をもらいました。

同時に「あのときは、自分をあまり大事にできていなかったのだな」と痛感しました。

周りの人に恩返しをするためにも、これからの自分と歩んでいくためにも、私自身を大切にしていきたいと思います。

紅咲

紅咲

大学時代にうつ症状を発症。
以来、うつ病や天気痛などに振り回されながら就労移行支援を利用中です。
TRPGとTVゲームが趣味。

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