聴覚過敏~初めて知った感覚過敏
暮らし その他の障害・病気出典:Photo by kyle smith on Unsplash
みなさんは「感覚過敏」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「感覚過敏」とは周囲の音、匂い、味といった外部の刺激を過剰に感じることで不快に思う状態のことをいいます。症状や度合いは人によって違います。
私はその中でも「聴覚過敏」であることがここ1年で分かりました。
気がついたきっかけ
私が聴覚過敏であることに気がついたのは、就労支援に通っていたある日のことです。
その日は、多くの利用者が一斉に研修を受けることになっていました。
このような合同研修は定期的にあるのですが、そういった日の私は常にイライラしていました。
そのため、研修の内容も頭に入らず、途中で退出することが多くあったのです。
職員さんはイライラの原因を一緒に探ってくれました。最初の数回は原因を特定することができなかったのですが……ある日、話を一通り終えたあと、職員さんからこのようにいわれました。「聴覚過敏じゃないですか?」と。
私の聴覚過敏
「私が聴覚過敏!?」と当時はかなり驚きました。
「聴覚過敏=特定の音が大きく聞こえて不快に感じる」と私は認識していたからです。
私の症状は次のようなものでした。
1.近い席の人だけでなく、遠い席の人の声までよく聞こえて、声が混ざったように聞こえる。
2.複数の音から聞きたい音だけを拾って聞きとれない。
つまり、集団だとあちこちの話が混ざって、聞きたい話を聞きとれないため、イライラしてしまうことが分かったのです。
これが一種の聴覚障害であることを私は知りませんでした。感覚過敏の検査を受けていないため「聴覚過敏である」と断定まではいかなかったのですが、対策をする価値はあると思いました。
聴覚過敏の対策
聴覚過敏の対策としては、苦手な音のある場所を避けることが必要になります。しかし、そうすると大人数でグループワークをおこなう合同研修は受けられなくなります。
そこで私は次の2つの方法を試してみました。
「ノイズキャンセルイヤホンを装着する」「話し手の近くに移動する」
ノイズキャンセルイヤホンは話し声や車・電車の走行音といった雑音などをシャットアウトしてくれるものです。本来は小さい音量で快適に音楽を聴くための機能なのですが、聴覚過敏にも役立ちます。
ノイズキャンセルイヤホンは価格と性能がピンからキリまでありますので、一概にこれ!と勧めるのは難しいですが、私は充電式のノイズキャンセルイヤホンを購入しました。
ノイズキャンセルイヤホンを装着してから、遠くにいる人の声は小さくなり、近くの人の声は鮮明に聞きとりやすくなりました。また、ノイズキャンセルイヤホンを外すと、意外にも雑踏の音が大きいことが分かりました。以前は通勤や通学路などの人込みに、漠然と苦手意識を持っていたのですが、こういった環境音も原因だったかもしれません。
話し手の近くに移動することに関しては、ノイズキャンセルイヤホンを装着することで遠くの人の声が聞こえなくなったため、遠くから呼ばれても気がつかないことが何度かありました。
そのため、配慮事項として「話すときは静かな環境で」あるいは「私に用事があるときは隣まできてください」とお願いするようにしています。私からも気がついたときは、話す人のそばに寄るようにしました。
おかげで、集団で研修を受けるときに発生していたイライラは明らかになくなりました。
その後は合同研修も、心穏やかに受けられるようになったのです。
まとめ
感覚過敏を知ることは自分の生きやすさにつながっていると思います。
もし「なんだか疲れる」「イライラする」と感じるのであれば、その原因を追究するのがいいと思います。
私は以前と比べて、ストレスに悩まされることが少なくなりました。
この体験談がみなさんの参考になれば幸いです。
参考文献
【NHK困りごとのトリセツ:聴覚が過敏】
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/
【Sony:ノイズキャンセルイヤホンの仕組み】
https://www.sony.jp/