私がうつ病になった経緯~呪縛からの解放
うつ病出典:Photo by Thought Catalog on Unsplash
私がうつ病と診断されたのは大学に入学してすぐのことでした。診断を受けて5年以上たった今、改めてうつ病になった経緯や考え方の変化について振り返ろうと思います。
うつ病になったキッカケ
私は親が教育熱心だったこともあり、小学生のころから塾に通っていました。塾には通っていたものの外で遊んだりと心身ともに健康でした。
ですが、中学生からレベルの高い進学塾に通うようになり、人生の歯車が狂い始めました。兄がその塾で大成したことから私は酷くプレッシャーに浴びせられていました。
塾では学力によりクラスを分けられ、さらにそのクラスの中でも成績順に席が決められ、成績の悪い生徒は先生から見放され、生徒同士でも見下し合いなどが頻繁に起きるという学力によるカーストが形成されていました。
そういった環境の中で、私は部活に入りながらも懸命に努力しましたが高校受験には落ち、次第に「勉強が全て」という思考に陥りました。
今振り返ると、この思考に陥ったことがうつ病になるキッカケでもあったと思います。
人生で一番苦しかった高校時代
「勉強が全て」という思考に陥ったこともあり、私は学業に力を入れている私立高校に進学しました。
進学した高校自体もスパルタでしたが、高校での勉強に加え平日の帰宅後と休日は開館から閉館まで高校3年間、図書館に毎日通い勉強に取り組みました。
勉強のために部活を諦め、友人からの遊びの誘いを断り続け、文字通り倒れるまで勉強に励みました。何より周りが遊んでいる中、努力を続ければ必ず差が出てくると信じて取り組んでいましたが、大学受験も失敗してしまったのです。
寝たきり状態の大学時代
大学受験に失敗してからは、通学時間以外は寝たきりの状態でした。そんな私を心配した親に精神科を勧められ、通院したところ初めて「うつ病」と診断されました。
しかし、精神科に通院していても「勉強が全て」という考え方からは解放されませんでした。体調は最悪ながらも、家で引きこもりながら編入試験の勉強に取り組み始めました。
何よりも勉強を優先したにも関わらず、えられたものが「うつ病」だけでは悔しいという思いから、泥沼にはまっていきました。そして編入試験についてもこれまでと同様に上手くいかず、服薬しながら大学へ通う日々が続きました。
勉強が全てという考え方からの変化
就職活動の時期になり、寝たきりということから大学ではなく家から近い「わかものハローワーク」にいきました。その際、あらかじめうつ病に悩まされているむねを職員の方に伝えたところ、初めて「就労移行支援事業所」について教えていただきました。
就労移行支援事業所に通い出しても、しばらくは勉強にとらわれていました。しかし、他の利用者の方とコミュニケーションを取ることで人間関係を学び、そして認知行動療法などを研修で学んでいくうちに、学歴よりも人間性が重要と感じるようになりました。特に年代の異なる利用者の方と話をしたことが、価値観の変化に大きくつながったと思います。
これまで、多くの人から勉強だけが人生ではないといったことを何度も諭されてきましたが、なかなか受け入れることができませんでした。そんな私が考え方を変えることができた理由として「変わろうと自分から動いた」ということが重要だったと思います。現在は勉強を少しずつ頭から切り離せてきていますが、将来の大きな目標はありませんので、ゆっくり見つけていきたいと思います。
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