言ってはいけない事が不随意に出る「汚言症」の世界

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Photo by Afif Ramdhasuma on Unsplash

「汚言症」についてご存知でしょうか。これ自体が一つの疾患という訳ではなく、「チック症」で見られる数々の症状のひとつです。チック症は瞬きや咳払いなどの運動や音声が不随意に出る疾患のことで、何の症状が出るかは個人差があります。

チック症には瞬きなど体の動きに出る「運動チック」と、咳払いなど発話に出る「音声チック」があり、汚言症は音声チックに属します。どの症状にも共通しているのは、本人にとっては不随意かつ突発的に出るもので止めようがなく、周りからは「そういう癖」にしか見られず苦悩しやすい事です。複数のチック症状が長期的に続く場合は「トゥレット症」とも呼ばれます。

不随意かつ突発的に出るチック症の中で、汚言症の場合は不謹慎・卑猥・攻撃的な言葉が出てきます。そのため、他の症状よりも人間関係での軋轢が生まれやすく、実際に周囲との関係が悪化したという患者もおり、その患者からは「失礼な言葉が勝手に出て、知らない間に嫌われていく」という世界に見えるそうです。他の症状に比べると、汚言症は症状が出てしまわないか一層不安になりますよね。

チック症は原因らしい原因も分からなければ治療法らしい治療法も確立されていません。ただ周囲に求められるのは、症状を咎めたり無理に止めようとしたりしないことくらいです。それでも、突然知らない人から罵倒されたり下ネタを言われたりすると、狼狽えてしまうのが人情ですよね。例え理解していても、いきなり目の前の人から「キモい!」と言われれば誰だって傷つきます。汚言症に理解や支援が及ばないのは、そういった要素もあるのかもしれません。

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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