森林浴の効果とは?~歩いてストレス発散を
暮らし出典:Photo by Timon Studler on Unsplash
「森林浴」とは、1982年に林野庁が健康増進を提唱する目的のためにつくられた造語です。「健康を気づかうために森に出かけるようになれば、森の保全に対する意識も高まってくれるだろう」というのが当時の林野庁の考えでした。
今では、森林浴で心身をいやす効果があると科学的に認定されていますが、提唱された当時は森林浴による健康増進についての科学的証拠はなかったのです。
森林浴の科学的根拠は?
2004年に国立研究開発法人森林総合研究所が、全国62か所で森林浴効果の実証実験を行い「森林の健康と癒し効果に関する科学的実証調査報告書」を発表しました。
報告書では森林浴は「脳活動がリラックスする」「自律神経活動のストレスが軽減される」「ストレスホルモンを低下してくれる効果がある」「ナチュラルキラーT細胞活性を高め、抗がん性を高めてくれる」などの医学的効果が認められたとしています。
森林浴はなぜ体にいいのでしょうか?
上の通り、森林浴にはストレス状態の人のストレスを軽減し、リラックスさせる効果があります。ストレス状態にある人は免疫力が弱くなっており、病気になりやすいことが知られていますが、ストレスを減らせば免疫力も改善します。
つまり、自然に触れることによりストレスを減らすことは、最終的に病気になりにくい体をつくるということです。これが、森林浴が「体にいい」と言われる理由です。
森林浴をするための注意点は?
では実際に森林浴にいくとして、最も気をつけたいのが「安全」です。立派な森であればあるほど、思いのほか暗い場所や足を滑らせやすい場所があります。散策する時には、足下にも気をつけてください。
服装は、1年を通して長袖、長ズボンが基本ですが、靴の種類は場所によって変わってきます。都市公園はスニーカーで十分ですが、長い間歩く場合や、高低差のある場所はトレッキングシューズのほうがいいでしょう。
また、自然を大切にする心も忘れてはいけません。木の枝を折ったり、ゴミを捨てないようにしましょう。ゴミが落ちていたら拾うぐらいの心づもりが望ましいです。
森は、季節に応じて様々な楽しみがあります。これからも、そして沢山の人が楽しめるようにマナーと安全に気をつけましょう。
参考文献
【林野庁 森林への招待状】
https://www.rinya.maff.go.jp/index.html
【森林・林業学習館 森林浴と森林セラピー】
https://www.shinrin-ringyou.com
【News week japan 欧米で注目を集める「歩くだけ」心理療法、ウォーキング・セラピーとは何か】
https://www.newsweekjapan.jp
【ウィキペディア 森林浴】
https://ja.wikipedia.org
【ウィキペディア ナチュラルキラー細胞】
https://ja.wikipedia.org