うつ病にも使える~アロマオイルの意外な効果
うつ病出典:Photo by Anne Nygård on Unsplash
アロマオイルと聞いてみなさんはどのような使い方を思いうかべますか? 日本では雑貨として芳香剤やバスタイム、マッサージに使うものが定番です。今回はそこから少し踏み込んで、フランスの医学分野でもある「自律神経の安定化」や「抗うつ作用」のあるアロマを紹介していきます。
そもそも自律神経とは
活発に動くための「交感神経」と落ち着くための「副交感神経」から成り立っています。
このバランスが崩れると感情のたかぶりが増えることや、日中に眠気が強くなり活動がままならないこともあります。
例えば、交感神経が優位になった状態では、なかなか寝ることができません。逆に副交感神経が優位な状態では、作業中のミスにつながることもあります。
ですので、そのときにあったアプローチをする必要があります。
自律神経を安定させるアロマ
代表的なものは「ベルガモットミント」「真正ラベンダー」「ネロリ」です。「真正ラベンダー」というのはとても高純度なラベンダーのことを指します。
「l-リナロール」と「酢酸リナリル」という成分に神経バランスの回復効果が期待できます。どちらか片方の成分が多く含まれていれば大丈夫です。
自律神経を安定させるアロマオイルには、フローラルな香りや甘酸っぱい香りのものが多いです。柔らかい木の香りが好きな方は、モミやひのきといった木の香りをベースにアクセントとして少し加える方法もあります。
私の使っていたものでは「ひのき」に「真正ラベンダー」を少し含んだものがあります。
抗うつ作用のあるアロマ
結論からいうと人によって効き方は様々です。なので、私が試した中で効果のあったものを紹介します。
まずは「ネロリ」と「マンダリン(プチグレン)」のブレンドです。爽やかな香りの中に少し甘い香りがします。気分が落ち込んでいるときにおすすめです。
次に「レモンバーベナ」と「カモミールローマン」のブレンドです。こちらは甘い香りは控えめで落ち着いた香りがします。少し動く元気があるといったときにおすすめです。
最後に「サンダルウッド(白檀)」です。これは現在かなり貴重なものですので、白檀の花が代用としておすすめです。白檀は他の香りと違い、落ち着いた木に近い香りを楽しむことができます。甘い香りが苦手な方におすすめしたい香りです。リラックスしやすい成分も多く、就寝香として使う方もいます。
抗うつ作用のあるアロマは、神経系でも「興奮作用」と「鎮静作用」の両方を持ち合わせるものが多いです。躁状態のときには「鎮静作用」の強いものを、うつ状態のときには「興奮作用」の強いものをブレンドすることをおすすめします。
落ち着いて身の回りのことができるようになれば、自律神経を安定させるアロマで少しずつできることを増やせるとおもいます。
アロマオイルの選び方と注意事項
いくつか例を挙げましたが、人によって香りの感じ方は様々です。また、アロマオイルの成分にアレルギー反応を起こすことや、慣れない香りがストレスになり、体調悪化の原因になることもあります。
ですので、アレルゲンの検査をしたうえで、好きな香りを軸に、欲しい効能を持つアロマオイルをいくつか見つけ、専門店で香りを試してみることをおすすめします。
アロマオイルの中には併用禁忌のものや、単体でも禁忌事項のあるものが存在します。もし服薬をされているのであれば主治医に一度相談したうえで、様子を見つつ試すようにしてください。また、服薬されていなくても、使用するアロマオイルに禁忌事項がないか調べてから使うようにしてください。
また、鼻が慣れてくると香りを感じにくくなり、必要以上に香料を出す方もいます。それは常に薬品を嗅いでいるような状態ですので、適切な量を使うようにしてください。
好きな香りで体調がよくなるなら、それに越したことはないと思い、今回は自律神経やうつに対して、お薬とは少し違う観点からお話してみました。
今回紹介していませんが、緊張を和らげる効果があるものや、自身を鼓舞する効果のあるものもあります。興味があればアロマオイルの専門店でお話をうかがってみてはいかがでしょうか。
参考文献
エッセンシャルオイルご使用にあたっての注意点
https://www.enherb.jp/shop/default.aspx