障害への対処~ロジカルシンキングを用いた方法
暮らし出典:Photo by Roberto Sorin on Unsplash
MECE(ミーシー)と5Whyという手法を使った「失敗の原因を見つける方法」を紹介します。MECEとは「漏れなく、ダブりなく書き出すこと」で、5Whyは「原因に対して質問と回答を出し、その答えに別視点から5回、質問と回答を繰り返す」手法のことです。
MECEと5Whyのやり方
まずは具体的に書き出す必要があります。重要なものは「何に対して」「どのように」困っているかです。例えばADHDの特性とされるものとして「集中力が続かない」が挙げられます。これをMECEと5Whyを使って原因を探したいと思います。
私の場合は「集中力が低下して、普段しないミスをすることで、業務に支障をきたす」ことに困っています。
また、5回の質問をするときに、起きた(起きる)結果に近い部分から書き出すことが重要になります。
先ほどの例を分かりやすく書くと「集中力が低下すると普段しないミスをする」となります。それに対して、1つ目のなぜを問いかけます。考えられるものは2つあります。1つは「なぜ集中力が低下するのか」です。もう1つは「なぜ普段しないミスをするのか」です。
まずは、それぞれの答えを出してみます。
1つ目の「なぜ集中力が低下するのか」の答えは「集中できない環境にいる」もしくは「業務の量が多くなり納期に追われるため」です。
2つ目の「なぜ普段しないミスをするのか」の答えは「業務の量が多くなり納期に追われ、焦りからミスチェックが甘くなるため」です。
では、どちらが起きた結果に近いでしょうか?結果は「業務に支障がでること」ですので「ミスチェックが甘くなる」の方が結果から見るとしっくりきます。
しかし「業務の量が多くなり納期に追われ、焦りからミスチェックが甘くなるため」という理由では、すこし情報量が多いです。なので、重要な部分を抜き出します。
業務に支障が出るのはミスが発生するからです。そのミスが起きた原因はミスチェックが甘くなったことに加えてミスが起きやすい状態にあります。
つまり、正確な答えは「焦りからミスチェックが甘くなる」となります。ここまでが1つ目のWhyとその回答です。
次に2つ目のなぜを問いかけます。ミスチェックが甘くなる原因は焦りなので「なぜ焦るのか」と問いかけます。それに対して1つ目同様に答えていきます。
ここで重要になるものがMECEです。MECEは「漏れなく、ダブりなく」書き出す方法ですので、その点に気をつけながら答えを出します。
これを5回繰り返すことで、根本的な原因を見つけられます。
実践例
今回は私の「集中力が低下して、普段しないミスをすることで、業務に支障をきたす」をベースにMECEと5Whyを使って原因を探っていきます。
1Why「なぜミスをするのか」
それは「焦りからチェックが甘くなるため」
2Why「なぜ焦るのか」
それは「納期に追われるため」
3Why「なぜ納期に追われるのか」
それは「タスクが多くなるため」
4Why「なぜタスクが増えるのか」
それは「前のタスクを処理する前に、別のタスクが入るため」
5Why「なぜ別のタスクが割り込むのか」
それは「頼まれると断れないため」
答えがでてきましたね。私の場合は「断らずにタスクを抱えるクセ」が業務に支障をきたしていることが分かりました。
このように、原因がハッキリすれば、どのような対処をすればいいか見えてきます。しかし、すべて自分で解決しようとは考えず、周囲に助けを求めることも忘れないでください。
実践例では「頼まれると断れないため」が原因となりましたが、断り方によっては、相手に不快な思いをさせるかもしれません。ですので「自分に仕事を割り振る人を決めてもらう」といった方法でタスク量の管理をしてもらうことも可能です。
人それぞれの悩みがあるかと思いますが、なぜそれが起きるのかを考え、解決の手助けになれば幸いです。
参考文献
【【ロジカルシンキング】MECE(ミーシー)とは? 基本概念とフレームワーク活用法|カオナビ】
https://www.kaonavi.jp/dictionary
【5Why分析で問題の根本原因を見つける|継続的改善B2Bマーケティング戦略】
https://up-marketing.info