精神病棟での入院生活~波乱万丈の1か月
暮らし出典:Photo by Samantha Gades on Unsplash
『精神病棟』や『閉鎖病棟』と聞いたとき、大半の方は「怖い」「監獄」「生き地獄」「入ったら最後」など、恐ろしいイメージを抱いていると思います。
私は17歳のころに精神科の女性病棟に1か月入院したことがあるので、そのエピソードをまとめてお話しようと思います。
入院したきっかけ
高校に通えなくなって、家に籠って誰とも話さず、鬱も酷くなり、毎日自傷行為をしていました。そこで精神科の主治医に入院したいと相談し、紹介状をいただき、任意入院という形で山奥の病院に入院することになりました。
驚いたこと
最初に持ち物検査をされます。金属探知機のようなもので全身を確認されるのです。携帯電話は禁止、はさみなどの刃物ももちろん禁止。金属、ヘアピン、スニーカーの靴紐も没収されました。
個室はベッドとクローゼットとテレビと机、ちなみにドアに鍵はついていません。
トイレは共同で、横スライド式の鍵は足元に設置されていました。元々上に設置されていたであろう工事の跡が残っていました。
ドアノブは一切無く、窓も開けられない状態でした。しかも曇りガラスなので外が見えません。まるで異世界のようでした。
そしてあることに気がつきました。これは自殺防止のためだと。トイレの鍵やドアノブで靴紐が引っ掛けられないように、つまり、首を吊ることができないようになっているようです。
入院生活の様子
朝6時に起床、7時に朝食、12時に昼食、18時半に夕食、21時に就寝。お風呂は週3回。
携帯電話が使えないので、暇で仕方なくて、私は患者さんとお話をしていました。この病院は解放病棟と閉鎖病棟と小さいフェンスで仕切られていたので、解放病棟の患者さんとコミュニケーションを取っていました。
年齢層が高く、60~70歳の方が多かったのですが、とても親身に、対等な関係でお話をしてくださいました。高齢者の方と中々話す機会がなかったので、凄く勉強になりました。
大変だったこと
もちろん、毎日が楽しいことばかりではありません。
ほとんどの患者さんと仲良くなれたものの、当時19歳の女の子に、四六時中私に「一緒に遊ぼう」と誘われました。私の意思を聞かず、どこまでも無茶なお願いをしてきました。個室を勝手に開けて部屋に入ってきて、だんだん恐怖心が高まり、ベッドの裏に隠れたりすることもありました。
それだけではなく、昼間に食堂で不安定になり椅子などで自らを殴り、全身痣だらけにして、閉鎖病棟の拘束室に連れてかれた患者さん。夜中にナースステーションで、看護師さんに「人殺しちゃいそうだから頓服ちょうだーい」と大声で叫ぶ患者さんもいました。
それなりの覚悟を持って入院しましたが、あまりにも現実離れしていて唖然としました。
最後に
とにかく色んないい出来事も悪い出来事もありました。1か月とは思えないほどです。
様々な境遇があって障害を持っている方や、沢山の年齢層の方と話すことができたのは、間違いなく私の心に大きく影響しました。そのことを糧に生きようと思っています。
この入院生活を一生忘れることはないでしょう。
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