「社会福祉ヒーローズ トーキョー2022」今年の日本一は、介護の魅力をSNSで発信する
暮らし全国社会福祉法人経営者協議会(東京都千代田区)は、社会福祉の現場の第一線で活躍する若手職員を表彰する「社会福祉ヒーローズ」賞のグランプリを、兵庫県丹波篠山市の社会福祉法人「福住山ゆりの里」に勤務する、相談員・介護福祉士の稲葉夏輝さん(35歳)に授与しました。
「社会福祉ヒーローズ」では毎年、福祉分野で働く若者の取り組みを応募してもらい数々の審査を経て「日本一の福祉ヒーロー」を決定します。決勝に進出したファイナリスト6名は、東京の会場で順番に自らの挑戦や取り組みについてスピーチないしプレゼンを行いました。
会場の有識者や視聴する学生などの投票により、最も多くの票を得た稲葉さんが今年の最優秀賞「ベストヒーロー賞」となりました。稲葉さんの取り組みは、働いている介護施設の日常をSNSで発信し介護の魅力を伝えていくというものです。
最優秀賞の取り組み
SNSで介護職の魅力を発信するインフルエンサー(兵庫)
介護老人福祉施設「やまゆりの里」は、2017年よりSNSでの発信に力を入れており、TikTokでは約1.5万、Instagramでは約2万ものフォロワー数を誇ります。
発信するのは「施設の日常生活」、目指すのは「利用者の夢をかなえる介護」。SNS発信だけでなく、畑仕事や全員個浴、旧友との再会など、入居者ファーストの施設づくりも心がけています。こうした活動が共感を呼び、青森や福岡など全国各地から採用希望が集まるほどになりました。
「介護のイメージをSNSで一変させ、最もなりたい職業にする」という意思が、SNSに力を入れる原動力です。
(以上、過去の紹介記事の引用)
稲葉さんは前職として、兄が立ち上げたデイサービスで働いていました。そこで兄から「お前は優しくない。うちのブログ発信を手伝ってみろ」と言われます。ブログ発信のため動いてみると、自然と利用者を深く知ろうとする姿勢に繋がり、ケアの質が向上していることを体感しました。
今の職場に移ってからは、渋る周囲を説得して「みんなが発信者大作戦」というSNS発信の活動を始めます。フォロワー数が増えたきっかけは、施設内での結婚式が大バズりしたことで、そこから「夢を叶える介護」という方向性も生まれました。SNS発信によって生活にもハリが生まれ、一人ひとりの夢を叶える介護にも繋がります。利用者の心からの笑顔が、そのまま「映え」という説得力となっています。
受賞に際して稲葉さんは「福祉の魅力がたくさんの方に伝わるように、一生懸命、そして楽しんで、お年寄りと接して、SNS で発信していき、これからたくさんの方が福祉を仕事にしたいと思ってもらえるような投稿を引き続きしていきたい」と未来への抱負を語りました。
参考サイト
「社会福祉ヒーローズ トーキョー 2022」アーカイブ配信
https://www.youtube.com