眠りに人生を奪われるクライネ・レビン症候群

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Photo by Andrey Grinkevich on Unsplash

不眠と過眠、どちらの方面でも眠りに関する疾患は数多く存在します。その中で100万人に1人といわれるほど稀な病である「クライネ・レビン症候群」がTBSで取り上げられました。発見した二人の医師からついた病名のそれは、どういった疾患なのでしょうか。

クライネ・レビン症候群は強烈な「過眠期」が不定期に訪れる病気で、「眠り姫症候群」「いばら姫症候群」とも呼ばれています。過眠期になると昼夜を問わず日に16~20時間も眠るようになってしまい、起きている間も現実感が希薄で、寝ぼけたまま動き回ることさえあります。一度過眠期になると、それが数日から数週間続き、長い場合は7週間も続いた症例があるそうです。

これを知る貴重な医師は、「原因は解明されていないが、過眠期は冬眠に近いメカニズムが働いているようだ」「効果的な治療法はないが、発症してから十数年経つと症状が和らいでいき、平均14年で寛解する」「サボっている訳ではないので、その辺りの理解は求められる」と説明します。なにしろ、かなり症例が少ないので誤診やドクターショッピングも珍しくありません。

クライネ・レビン症候群の啓発に励む当事者の朝井香子さんは、4歳で発症して37歳でようやく診断され、45歳でようやく寛解したという来歴を持ちます。診断まで33年、寛解まで41年となると、過眠期や無理解との戦いも壮絶だったことでしょう。

患者の8割は10代で発症するとされ、朝井さんは学業への支援が最も大切だと説きます。過眠期のせいで不登校状態となる以上、学業への支障が甚大であることは想像に難くないでしょう。これほど大きな影響を持つクライネ・レビン症候群ですが、明確な診断基準がないため指定を受けておらず、「指定難病」には含まれていないのだそうです。

参考サイト

1日20時間眠り続ける中学生 100万人に1人の希少疾患「クライネ・レビン症候群」
https://news.yahoo.co.jp

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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