うつ病と適応障害は似て非なるもの

うつ病 その他の障害・病気

Photo by Amir-abbas Abdolali on Unsplash

うつ病と適応障害は似て非なるものだそうです。明らかな別物というからには、決定的な相違点があるということになりますよね。何が違うのかというと、うつ病は脳の不調で、適応障害はストレス反応だということです。

まず「うつ状態」という症状があり、「うつ病」と「適応障害」のどちらにも見られます。これが両者を混同させるややこしい所で、「うつ病」という病名と「うつ状態」という症状が同じ名前で存在するわけですね。「うつ状態」と「うつ病」がイコールでないことを理解するのが第一歩です。「喉が痛ければ扁桃炎」とはならないのと同じことです。

それで、うつ病と適応障害を分ける要素は幾つかあります。一つは「病気の原因」です。適応障害は明らかな原因となるものが必ずあり、よく挙がるのが多大なストレスによって「心が折れる」ことです。なので、原因から引き離していれば適応障害は治まります。ただ環境を改善しないでいると適応障害からうつ病にシフトすることはあります。

対してうつ病は、はっきりした原因の特定できないケースが多いです。ストレスが原因という患者も居ますが、うつ病の場合は慢性的なストレスでいつの間にかうつ状態が当たり前となってしまい、ストレッサーから引き離してもすぐには良くなりません。強いて原因を挙げるとすれば、自発的にうつ状態となりやすい脳の体質ではないかとされています。

適応障害には、なりやすい病前性格というものがなく、うつ状態であっても趣味などを楽しむ余裕は残っています。一時期言われていた「新型うつ」の正体かもしれません。かといって、多大なストレスが原因であることは確かなので、人為的なストレスであれば誰かが責任を負う必要があります。薬での治療はあまり有効ではありません。

対してうつ病には罹患リスクのある病前性格が幾つか挙がっています。そして、うつ状態の間は以前まで楽しんでいたことが楽しめなくなってしまいます。脳が楽しめる状態になっていない訳ですね。薬でどうにか働きかけられるので、投薬治療が有効となります。

うつ病と適応障害は、主にストレッサーから引き離した時に違いが出ます。両者は完全に別物とされていますが、うつ状態という共通の症状はありますし、慢性的なストレスによるうつ病もあります。実際に医師に診てもらわないと分からない部分も多いどころか、その医師ですら誤診の可能性アリとなると、似ていてややこしい面も否定できません。

また、適応障害の方がマシかというと決してそうではありません。ストレス環境を改善せず放っておくとうつ病に発展することもありますし、職場がストレッサーとなっているようなら纏まった休職やリワークプログラムが必要になってきます。何であれ、精神疾患を甘く見ないことです。

参考サイト

うつ病と適応障害の違いについて
https://www.iidabashi-mental.jp

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

うつ病 適応障害

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