元ミカヅキモモコ社長が障害福祉事業に参入〜株式会社みんないい もりもり事業所の管理者、物河昭さんにインタビューしました

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「株式会社みんないい」の運営する就労継続支援A型事業所「もりもり事業所」の管理者である物河昭さんにインタビューを行いました。物河さんは、過去にミカヅキモモコを全国に80店舗展開された経験を持っています。異分野から福祉業界へと活動の場を移し、就労継続支援A型事業所を運営しています。その取り組みについて、物河さんに詳しくお話を伺いました。今回のインタビューはYouTubeでライブ配信もしておりますので、詳細に知りたい方は是非アーカイブをご覧になってください。

古着のリユースを中心に

──社名も事業所名も個性的ですね
「社名は『みんな違って、みんないい』からとりました。事業所名は『やる気モリモリ』『元気大盛り』と精一杯なイメージから名付けています」

──どのような仕事をしていますか
「古着をメインとする一連の業務がありまして、元請けから預かった大量の古着を仕分けたり販売したりするのがメインです」

──どのような経緯で事業を始めたのですか
「20年来雑貨商で物販をやってきましたが、古着の商売は仕入れ方すら分かりませんでした。そこは古着を扱う大きな会社との長い付き合いで支援してもらっており、在庫管理や資金繰りといった物販における困難を乗り越えています。古着にはアメリカ村などで売られるようなビンテージものもありますが、我々が扱うのは日本国内の古着で、リユース事業でもあります。物によってはクリーニング店のタグが付いたまま破棄された古着もあり、そういったものは状態がいいです」

──リユース中心の仕事もいいですね
「SDGsと言われているように、服も使い捨てからリユースの時代へなりつつあります。大量に生産して消費する我々世代と違い、若い世代の間では古着がブームとなっているほか、一つのものを長く使うのが美徳となっていますよね」

──就労支援とリンクしているのも素晴らしいです
「福祉との繋がりも新しいですし、私自身もA型事業所の運営という新たな取り組みをする中でイキイキしています」

スマホ1台で仕事できる時代へ

──ライブコマース(ライブ配信を活用した販売)も作業に入っているようですね
「ライブコマースについては1年以上前から研究を重ねており、今回の仕事にも取り入れてみました。古着という商品を毎日、利用者が主体的になってライブで売っています。今はスマホ1台で仕事が出来るというか、寧ろスマホ1台で出来る仕事を考えていく時代なので、アイデア次第でA型事業所としても仕事が多岐にわたっていくのではないでしょうか」

──利用者はいずれスマホ1台で仕事が出来るようになるということですか
「そうなると思います。今は事業所内でInstagramのアカウントを4つ作っており、投稿以外の諸々は利用者が管理しています。利用者が独立してフリーランスでやっていければ万々歳ですが、そこへ至る仕事という訳ですね」

──守口市に事業所がありますが、環境面やアクセス面はいかがですか
「このリユースの仕事と出会ったのが守口市なので、守口で始めました。周りは工場が多く駅から20分かかり、A型事業所としてはあまり好立地ではありません。しかし、利用者の通所は自転車やバイクが多く、公共交通機関が苦手な人にとっては良い条件ではないかと思います」

この後事業所内を見せて頂きました。梱包や発送に必要な作業スペースだけでなく、メルカリ用の写真を撮るスペースやライブ配信用のスペースなどが70坪の中に収まっていました。

A型事業所として

──夫婦でどのように運営していますか
「現場に入ると目の前の仕事しかできなくなるので、基本は戦略や段取りを練っている感じです。段取りで成果の80%は決まりますからね。目の前の事ばかりでなく、経営者として先の先を見据えたやり取りを妻としています」

──どのような方がもりもりを利用できますか
「定年は60歳までですが、障害者手帳と受給者証さえあればあとは不問です。今のところは男性の方が多いのですけれども。力仕事は無いので身体障害者にも働けると思いますが、施設内に多少の段差はあるので車椅子の方は厳しいかもしれません。時給は大阪府の最低賃金である1,023円で、将来上がっていく最低賃金に合わせていく形になると思います」

──勤務時間はどのような感じですか
「事業所自体は9時から18時まで開けており、利用者は1時間休憩を含めて10時から15時までとなっています。仕事の内容によっては相談しながら、30分ずつ徐々に増やすこともあります。基本は4時間勤務ですね」

──実際に働きたい時の問い合わせ先はありますか
「ホームページを見てもらえば分かりますので、『みんないい事業所もりもり』と検索してみてください」

──服が好きな人にはピッタリな職場ですね
「最近見学に来た身体障害の方がいて、服が好きだという方なのですが、とても楽しそうに見て回っていました。確かに服が好きなら合うのではないかと思います」

新しい働き方を広げていきたい

──他に事業所としてアピールしたいところはありますか
「私は個人的にスマホひとつで仕事できることを追求しています。従来の仕事はモノを動かして組み立てる作業ばかりでしたが、今はスマホ1台で出来る時代です。A型事業所におけるスマホの活用法はまだまだあります。目標は、スマホ1台で仕事が完結するようになることです。古着とスマホと知恵で可能性を広げていけたらなと思います」

──今後の方向性や挑戦したいことはありますか
「実は事業所を始めて半年しか経っておらず、やりたいことは道半ばです。2つ目の事業所など漠然とした望みはありますが、まだ多くの可能性が残っている現状では、ここで古着を扱っていたいですね。福祉を始める前は雑貨の物販に携わっていたので、いずれ事業所でも雑貨を取り扱っていきたいです。勿論、メインの古着は掘り下げていきます」
「今活かしきれていないのは子ども服です。守口市内の子ども食堂に寄付してはいますが、すぐサイズアウトする子ども服こそリユースの価値があるのではないかと思っているのですが、物はあるのに活用できていないので扱えるようになりたいですね」
「地域住民との交流も開いています。利用者の作業ではないですが、夕方に古着を軒先販売していると、ご近所さんが偶に買ってきてくれます。遠いネットだけでなく近い地域とも交流していくつもりです。今は暑いので見送っていますが、小さなビラを作ってポスティングに回ることもありますね」

──昼食はどのようにしていますか
「お昼はコンビニで買ったり家から持ってきたりする人が大半です。休憩時間も2班に分かれており、それぞれが割り振られた業務の中で働いていますね。最近入所した利用者は、『集団ではなく個別で作業するスタイルが合っている』と言われました」

──人間関係に困りやすい人も働けるようになるといいですね
「昨今言われている『多様な働き方』も重要なテーマです。今までの固定概念で『福祉とは』『働くとは』『障害とは』が凝り固まっていると新しいことは出来ません。仕事を多様に考え出して実行することです。ライブコマースに志願した利用者もおり、その人は普段シャイなのですが週3回の配信では饒舌に盛り上げておりファンも出来ています。これもスマホ1台で出来る仕事の形です」
「利用者の一人は在宅リモートで作業しており、メルカリ用の写真データを受け取り実際に出品する準備を任せています。京都でも和歌山でも奈良でも仕事できるので、リモート志望も募集中です」

──最後に何か伝えたいメッセージはありますか
「多様な働き方をテーマに取り組んでいる事業所です。協力会社から預かった多くの古着を、皆さんと共に新たな売り方や仕事で取り扱っていきたいです」


株式会社みんないい もりもり事業所 公式サイト
https://minnaii.work/

株式会社みんないい 就労継続支援A型事業所 もりもり事業所 管理者 物河昭様 インタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=jA-5272mrIc

障害者ドットコムニュース編集部

障害者ドットコムニュース編集部

「福祉をもっとわかりやすく!使いやすく!楽しく!」をモットーに、障害・病気をもつ方の仕事や暮らしに関する最新ニュースやコラムなどを発信していきます。
よろしくお願いします。

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