京都地方法務局が人権侵犯の認定を受ける
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法務局とは、様々な権利に関係する事務を行う役所であり、国民の基本的人権を守る人権擁護事務も仕事に含まれています。そして、人権侵害が認められれば、加害者側に「人権侵犯」の認定を下すことも出来ます。では、他ならぬ法務局が人権侵犯をしたらどうなるのかというと、別の法務局がその認定を担う訳です。
事の起こりは2022年4月、京都地方法務局が相談者へ不適切な対応をしたことです。相談に来た下肢障害者の男性は、左足などが不自由となっており普段から松葉杖を用いていました。その男性は、通院先から差別的な言動を受けたとして法務局を訪れますが、職員2人がカウンター越しで30分以上対応し、男性は松葉杖を抱えたまま右足だけで立っている状態を強いられました。
京都地方法務局に椅子が不足しているのか知りませんが、男性が「座りたい」「相談室を使わせて」と頻りに訴えても職員は応じません。男性が倒れ込んだのを見て初めて椅子を用意したくらいです。さて、法務局には人権侵犯の被害を申し入れることが可能なのですが、男性が同局へ申し入れると「苦情」として黙殺されてしまいました。
話にならないと判断した男性は、法務省へこれを相談し、大阪法務局が調査に乗り出します。そして翌年1月、京都地方法務局の対応が「人権侵犯」にあたると認め、これを男性に通知しました。法務局が別の法務局へ人権侵犯の認定を下すのは異例のことです。
これを受け京都地方法務局では、障害者差別解消法の理解を深める研修を受けることになりました。研修は大阪法務局が開いており、完全に教師と生徒の立場となっています。ただ、京都地方法務局から男性への謝罪は無いそうです。男性は毎日新聞の取材に「法務局が人権を侵すなど考えられないし、あってはならないことだ」と答えています。
京都地方法務局の対応は、お役所仕事を通り越して、目の前の状況さえ読めていない粗末な仕事ぶりです。その上、仕事の不出来を指摘されても反省しませんでした。仕事は適当で状況判断も出来ず自分にとことん甘い、これが一人の人間なら周りからの顰蹙が止まりませんが、何人も集まる組織だと罷り通ってしまいます。
参考サイト
京都地方法務局が「人権侵犯」足に障害の男性を30分立たせて対応|毎日新聞
https://mainichi.jp