Music to the sky 〜JR福知山線列車事故、あの日の空は青かった。
イベント-
JR福知山線脱線事故のことを音楽を通して伝える「Music to the sky vol.9〜空まで音楽が届きますように〜」が4月2日、兵庫県伊丹市内で開かれました。脱線事故で負傷した小林恵奈さんらが「ふさぎ込んでいた時に希望や笑顔を取り戻してくれた『音楽』を通し、年々風化している事故を語り伝えていきたい」と2007年より企画し、今回で10回目となりました。
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今回5組のアーティストが参加し、「番匠谷紗衣」さんのライブでスタートしました。番匠谷さんは「事故の時は、私は6才。このライブで事故のことを初めて知った。自分が伝えてもらったように、自分が歌うことで前向きな気持ちを伝えることができたら。」と語りました。
2組目に登場した「石村有輝」さんは「苦しい時は洋服や家が先に必要で、音楽は後回しになる。音楽は一番最後ですが一番大切。たかが音楽、されど音楽。」と思いを述べました。 -
3組目は「片山新介&BAMBOO PANDA」さんが演奏しました。片山さんは「事故にあった人たちが音楽の力があったから元気付けられたと聞いて嬉しい。ずっとずっとこのイベントが続いてほしい。」と話されました。
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4組目の「ノロッストリオ」は昨年に続いて出演されました。メンバーの岩瀬敬吾さんは「音楽には理屈では説明できない力がある。世の中にはいろんな悲しいことが起きているが、音楽が救いの良薬になれば。」と話されました。事故で障害や病気を背負うことになった人に対しては「障害をもつ人もそうでない人も個々の性格をお互いに知り合うことから始まる。このイベントがみんなを幸せにするイベントとして、これからも進化していってほしい。」と願いを込めました。
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トリを飾ったのは「アシガルユース」さんです。メンバーの花盛歩さんは「事故の列車に何人か知り合いが乗っていた。負傷しながらも小林さんらが立ち上がったからこの素晴らしいイベントが生まれ、たくさんのつながりができた。生きていることで事故を忘れたくないと思えるイベントにしたい。」とライブを締めくくりました。
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ライブの後には物販が行われて、アーティストと観客が交流して楽しい時間を過ごしました。
小林さんは思いを綴ったメッセージを参加者に配り、「事故に遭った時に見上げた青い空を今でも忘れない。青空を見ると生き残った罪悪感で辛い気持ちになる。ですが多くの音楽や多く人たちに支えられ、前を向いて歩けるようになった。」と伝え、これからも続けていきたいと決意新たにされました。