身体障害1級で障害年金は不支給判定のナゾ

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Photo by Zoshua Colah on Unsplash

身体障害者手帳1級を交付されていた寝たきりの女性が、障害年金の不支給判定を受けたことが話題となっています。その女性はコロナの後遺症で急激に体力が落ちて転倒を繰り返し、やがて全身の痛みなどを訴え脊椎後彎(こうわん)などの診断を受けました。入院中に身体障害者手帳1級の認定を受け、公的にも重度の身体障害者として認められるようになりましたが、今年3月に申請した障害基礎年金について「不支給」の判定を受けています。障害者は働けないという古い前提のまま進歩していなくても、寝たきりレベルの重度身体障害者であれば障害年金は通る筈なのですが、いったい何が起こっているのでしょう。

どうやら厚生労働省の定める判定要領が悪さをしていたようです。そこには「疼痛(とうつう)は原則として対象にならない」と書かれており、日本年金機構も不支給の理由の一つとして通知に書いています。女性が寝たきりの理由はまさに「全身の痛み」なのですが、それでは通らないんだという言い分ですね。お役所とはいえ、まるでbotのような態度です。

そもそも障害年金の不支給判定そのものが激増しており、2024年度は前年度の2倍以上にあたる約30,000人が不支給となりました。障害年金センター長の入れ替えに際して基準が厳しくなったなどの様々な憶測が流れています。あの女性と直に話でもすれば不支給で済ませようなどと考えも及ばないはずですが、どうも人間の目を柔軟な判断よりも水際作戦の言い訳に使っているようですね。

一方で、申請の不手際を挙げる声もあります。具体的には障害年金に理解のある社労士や医師に話していない可能性についてです。同じ障害種や等級でも、社労士の腕や医師の信条などによって結果が変わるのが障害年金申請の世界です。全身の痛みを訴えているとはいえ、「目に見えない障害」である以上は、そこへの冷たさも計算に入れねばなりません。現にそこを付け込まれて不支給判定になった訳ですからね。

しかし手帳1級でアルファ障害者でもないのに不支給とは周りもおかしいと思わなかったのでしょうか。不支給にしてやるのがカッコいいとでも思っているのでしょうか。日本年金機構や障害年金センターの職場環境が少し気になります。

参考サイト

最重度なのに障害年金「不支給」寝たきり女性、痛みは対象外
https://news.yahoo.co.jp

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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