「ぶりもてる」受け子の夢メモ

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かつて「ぶりもてる」と書かれたメモがありました。2021年に特殊詐欺の受け子で捕まった、当時21歳の元ホストの青年がリュックサックに入れていたメモのことです。そのメモには目標というか雑多な夢が書きなぐられており、その中に書かれていたのが「ぶりもてる」です。恐らく「ばりモテる」ではないかとされています。</p>

「これから起こす事、起こる事、起きる事」と題されたメモには、以下のような内容が敷き詰められていました。<br>
「うまくいく」「お金持ちになる」「良い環境になる」「きれいな家に住む」「一生捕まらない」「有名ホストになる」「めんどくさい事全てなくなる」「出会う人全て良い人」「東京に出てもっと有名、お金持ちになる」「仲間が増える」「ぶりもてる」「ぶりイケメンになる」「TVに出れる」「恵まれる」「やりたい事やるだけ」「くそデカイ男になる(中身)」「尊敬される人間になる」「2ヶ月45万ためる、たまる」「あきらめんな」「マイナス思考をなくせ」「全てプラス思考」「全て自分次第」「服屋たてる」

実際のメモは所々に修正の跡や誤字脱字などがあり、書きなぐったという表現がピッタリです。これを、東京で捕まり荷物を押収されるまで後生大事に持っていた訳です。どういう心境でこれを持ち続けていたのかは分かりません。そもそもあの青年は、福岡出身の元ホストで上京2日で捕まった当時21歳の男という情報以外何も分かっていないわけです。無粋な憶測はただの妄想でしかありません。

既にネット上では「21歳が書いたにしては幼い」「大谷翔平選手が高校時代に書いた目標達成シートと比べると差は歴然」などと笑い話にされています。ただ一人だけ「引っ越した後の暮らしを紙に書いて自分を鼓舞し、面倒な作業を乗り切ったことがあるんで、彼の気持ちがわかる」という意見がありましたが、さすがに引っ越した後まで引きずっていることはないでしょう。夢を上京に託した結末が鉄砲玉というのはなんとも悲しいですが。というか、コロナ禍での仕事不足が原因と語っていた気もします。

ところで、闇バイトの鉄砲玉にされる若者は困窮する弱者ばかりではないという指摘もあります。推し活の資金捻出と称し軽い気持ちで強盗の実行犯となった「金作るかあ」がその一例です。捕まる寸前まで軽く捉えており、数年で出られると考えているような投稿もありました。これに戦慄した匿名のコメントが忘れられません。

「もし自分が年老いた後で、あんな考えの若者に拘束されて老後の財産を奪われたら、この上なく悔しいと思う。想像するだけで恐ろしい」

どれだけ困窮しても、鉄砲玉にはなりたくないものです。

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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