感覚過敏と暮らす~視覚過敏編

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皆さんは視覚過敏という言葉を聞いた事がありますか?世の中には普通の人が気にしていなくても、光を凄く眩しく感じて我慢出来ない人がいます。そんな人は普段どんなことに困っているのか、体験談を交えながら出来るだけ具体的にお話していければと思います。

視覚過敏とは

視覚過敏とは普通の人よりも脳が光の刺激を多く受け取ってしまい、日常生活に支障をきたしている状態のことです。分かりやすく言うと、普通の人が快適な明るさでも眩し過ぎて我慢が出来なくなります。よく言われるのが「テレビ」や「パソコン」「ゲーム機」「スマートフォン」などデジタル機器の画面や写真撮影時の「フラッシュ」、「蛍光灯」や「LED」「お店の看板」などの光。また光だけでなくコントラストの強い「色」や特定の「模様」、「柄」が苦手な人もいます。

私が暮らしの中で困ること

私が家族と暮らしていて困ったのはテレビでした。テレビは光の刺激が強く、そのままでは眩し過ぎて吐き気がしてしまうため、いつも私が画面を暗くしていました。それが原因でしばしば衝突していたので、お医者さんと相談し、家の中でもサングラスをする事になりました。また、家の照明も眩し過ぎたため色々なサングラスを捜し歩きました。困ったのは上からの光を防げるサングラスが殆ど無いことでした。自室では間接照明で暮らしていましたが遂に限界が来て家の照明を色や明度が調節できるものに変えました。すると、今までの苦労は一体何だったのかと思うほど過ごしやすくなり、格段に疲れにくくなったのです。

安いものでは五千円程からありますので、お悩みの方はホームセンターや電気屋さんを探してみて下さい。ただ、照明を変えるのに工事が必要な場合はホームセンターでは請け負ってもらえない(工事資格を持っている人がいない)こともある為、事前に確認してから購入されることをお勧めします。また、電気の売り場に行くので当然物凄く眩しい場所に出向いていくことになります。サングラスや遮光レンズメガネを使用し、帰宅する前に休める所を確保しておくか、帰ってすぐ休める環境を用意しておくことも大切です。

他にも今は信号機や看板がどんどんLEDになり、目に刺さるようになって、とても不快になりました。車のライトもLEDの車種が増えて夜にまともに車のライトを見てしまうと、その後しばらく目が見えなくなって吐き気がし、うずくまってしまうことがあります。街灯も同じくLEDが増えて眩しくなり、夜の外出が苦痛に感じるようになりました。また、電車に乗っているとき、隣の席の人がスマートフォン(画面の明るさが標準)を使っているだけで気分が悪くなることもあります。自分が使用するパソコンやスマートフォンは輝度や明度を変えたりフィルターをかけることで対処できますが、他人の画面はどうにもできません。サングラスなどでの自己対処が重要だと実感した出来事でした。

視覚過敏にオススメのツール

視覚過敏の方がよく使われているサングラスですが、暗い所では少し暗すぎたり、コントラストが失われることを残念に思っている方もいると思います。そんな方にオススメなのが遮光眼鏡です。この遮光眼鏡は500nm以下の波長光をカットすることによって、視界のちらつきを抑えたり、散乱率の高い眩しさを感じやすい光をカットするので明度が高いまま眩しさをカットすることが可能です。勿論、その人の見え方によって明度をかなり下げることも出来ます。カラーもブラウン系、グレー系、イエロー系、グリーン系、パープル系など色々選べるので、一人一人の見え方に合わせて選べるのも嬉しいですね。また、虹彩付コンタクトレンズだけでも暮らしやすくなった人や、遮光用の虹彩付きコンタクトレンズで文字が読みやすくなり、読み書きに改善がみられた事例も報告されています。

まとめ

障害のある方はどうしてもそれをハンディキャップとして捉えがちです。でもファッションを選ぶようにサングラスや遮光眼鏡、コンタクトレンズを選んだり、気分によって色々変えてみたり…外に出るのが億劫な日もお気に入りの帽子があれば大丈夫!そんな風に障害があることを楽しめれば人生はもっと豊かなものになると思うのです。

英語では障害の事をGIFTとも呼ぶこともあります。障害を“神様からの贈り物”とする考え方です。私はとても素敵な考え方だと思います。神様からの折角の贈り物、私たちも楽しんで生きませんか?

参考文献

「書字障害のある発達障害児に対して行ったアプローチ(遮光眼鏡の有効性と連携の必要性)」 J-STAGE
https://www.jstage.jst.go.jp

「視覚が過敏「光」「色」がストレス:困りごとのトリセツ」 NHK
https://www.nhk.or.jp

「遮光眼鏡を知る」 東海光学株式会社
https://www.eyelifemegane.jp

sakurako*

sakurako*

高校生の時に不登校になりパニック障害と診断される。その後、紆余曲折あり自閉スペクトラム症・解離性障害と診断を受け就労支援施設B型作業所に通う。
現在は就労移行支援施設に通いながら就職活動中。
趣味は読書と映画鑑賞、手芸。“世界をもっと優しく”がモットー。

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