障害者と呼ばれて

統合失調症

出典:Photo by Zach Vessels on Unsplash

初めての入院で「あなたは障害者になったのだから、障害者らしくしとけ」と言われて、「どう生きていけばいいのか」わからなくなってしまいました。私のその後です。

なんかおかしい

私が統合失調症(精神分裂症)の症状がはっきりと自覚できるようになったのは、今から30年ほど前です。当時、私の症状は、頭の中を誰かと共有しているとか、話さなくとも分かり合えているといった妄想のようなものでした。

「なんかおかしい」と、自分でもわかっていました。でも、どうしたらいいのかわかりません。家族に助けを求めました。でも、私がおかしくなっていってるのに誰も理解してくれません。

それからは状態が悪くなる一方でした。

幻聴が聞こえだし……

妄想のようなものが出だしてから何日か経ったある日、どこからか誰かの歌声が聞こえてきました。それは、面白おかしい何かの変え歌でした。

おかしくって、楽しくって一人で笑っていたら、家族が「どうしたん?」と。「気持ち悪いで」と。私は「なんであんたら面白くないん?」と。それは、私以外の人には聞こえていませんでした。いわゆる、一般的には幻聴と呼ばれるものです。そして、私は1ヶ月入院することになりました。

入院中の私

入院先の病院は、私が初めて見聞きすることが山盛りでした。

動物園のようなオリ。扉のない部屋。厳重なドアのカギ。人によっては、拘束帯に縛られていました。食事は監視下の中、冷えた味気のない食事でした。患者は夜になると異常に元気になり、外へタバコを飲みにいくために、一つしかないナースステーションのライターの順番待ちをするのでした。今までタバコを飲んだことのない人も口にして並んだりしていました。乱れた風紀です。だって、テレビ一つ部屋にはついていなかったんです。何の楽しみもない入院生活でした。

入院中、院内では特段変わったことをしていないつもりでした。ですが、いきなり看護師さんから「あなたは障害者になったんだから、障害者らしくしとけ」って、すれ違いざまに言われました。

どういうこと?障害者らしくって何?どういう風にしたらいいの?障害者はみんなそういう生き方してるの?私の何が気に入らなかったのか?イライラしていたのか?私何かしでかした?ショックでした。なんだかわからないけども私の心に触れた言葉です。そして、最初の入院から今日まで約30年、ずっとこの言葉が頭から離れません。

どういった意味なのか?結局のところ答えが見つからず、腹が立ってしまいます。

初めての入院から今日までの約30年、何回か入退院を繰り返していましたが、私の場合不幸中の幸いにも子どもがいます。その子たちは身体が弱く、よく熱を出していたせいか、子ども達のために私の病気が予想以上に早く寛解しました。おまけに薬の相性がよかったおかげで、20年、30年と長い入院生活をしなくてすみました。1ヶ月~多くて3ヶ月の短期入院を4~5回しただけです。(症状が落ち着くまで、約30年かかったけど。)

おわりに

初めての入院から約30年経ち、現在は私が経験してきたような病院は、もうないかもしれません。それでも二度と入院したくないので、服薬管理を徹底して、疲れがたまらないように用心し、何かあればすぐに身近な人達に相談しています。今は、もう一度社会復帰するために、そしていずれ働くために就労移行支援事業所に通っています。

今、私は私らしく生きています。

それが「あの言葉」の答えなのかもしれません。

かんちゃん

かんちゃん

ある時、急に天才になったような気がした2児の母が、統合失調症。
おやつ作りが大好きな、就労移行支援事業所に通うアラ50。
冬が大好き、美味しい物大好き。お休みの日は飼い猫ちゃんとラブラブしてるオカン。

統合失調症

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