オンライン映画祭「True Colors Film Festival」メディア向け発表会

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日本財団が主催するオンライン映画イベント「True Colors Film Festival」が12月3日より開始されました。12月3日は国連で定められた「国際障害者デー」でもあります。

開催初日に合わせてメディア向け発表会が東京都港区で開かれました。発表会にはアンバサダーの乙武洋匡さんや「37seconds」の主人公を演じた佳山明(めい)さん・HIKARI監督が登壇し、日本財団が行った調査の結果について議論するなどオープニングを盛り上げています。

日本財団の意識調査を振り返って

まず、日本財団が9月に行ったインターネット調査の結果を踏まえて振り返りがなされました。調査の監修も務めていた乙武さんは「何をもって困難とするかが一人ひとり違った感じ方をすると実感しました。普段の生活においても『感じ方は人それぞれ』という基本に立ち返らねばなりません」と総括します。

「(障害者の方が在宅勤務をつらく感じるという)結果に驚きました。テレワークで移動しなくて済むなら障害者にとってプラスだろうと予想していたのですが、実際はコロナ禍の生活変化でより困難を感じていたのです。
私は車椅子ユーザーと接する機会が多く、障害者についても彼らをイメージしていました。その分、(特に在宅勤務をつらく感じる)視覚障害や聴覚障害の方に接する機会は少なく、いかに車椅子中心で考えてきたかを反省させられました」

エンタメの役割

続いて、「コロナ禍におけるエンタメの役割」についての話題へ移りました。エンタメといえば、いま日本財団が行おうとしているオンライン映画祭も例外ではありません。

佳山さんは「ステイホームが標準化して家にいる時間が増えたからこそ、芸術の持つパワーに助けられてきました」と自身のステイホームについて振り返りました。

乙武さんはエンタメにおける隆盛の変化について「バリアフリーの整った会場は想像を下回る少なさで、障害者が生で芸術やライブを味わう機会は従来から少なかったです。コロナ禍で外出や接触が制限されると、健常者も制限されることで(皮肉にも)オンラインコンテンツが拡充されていきました。コロナが収まったとしても生のコンテンツを楽しめる状態に戻れない人も居ることを忘れないで頂ければと思います。そして、オンライン配信が1つの手段として残り続けることを望みます」と言及しました。

また、乙武さんは「当事者がメッセージを発することは大事ですが、普通はアンテナを張っている人にしか届きません。アンテナを張っていない人々にも届けるにはエンタメの力が必要なのです」として、エンタメの持つメッセージ性の高さを強調しています。

37secondsの上映

ここでリモート登壇のHIKARI監督と繋がり、「37seconds」に対する今の思いについて質問がなされました。HIKARI監督は「リモートという形ながらオープニングに参加できたのは、ひとえに“縁”です」と前置きして映画を届けられた感謝を述べています。

「『37seconds』はとても長い時間をかけ、とても多くの人から愛と情熱を受けて出来上がった作品です。この作品は私の第一作で初めから長編映画、主演は演技自体が初体験の脳性まひ当事者と、信用を得にくい部分は多くありました。それでも作品と皆を信じて完成させた結果、今こうして多くの方々に見て頂けることはまことに“縁”であると思います」

HIKARI監督は「映画を通じて何かポジティブなメッセージを受け取ってもらえると幸いです」として発表会を締めくくりました。

障害者ドットコムニュース編集部

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