「チック」とは?脳と心が原因で起こる症状

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「チック」は、突発的かつ不規則に体の一部を速く動かしたり、発声することを繰返す行動を指す言葉です。体を動かす場合は「運動チック」、発声する場合は「音声チック」と呼ばれます。これらチックの行動が一定期間継続する症状を、「チック症」、または「チック障害」と呼びます。

運動チック・音声チックの症状

運動チック
首から上の動作に症状が出ることが多いですが、手足の動きに症状が出る場合もあり、ジャンプやスキップをしているように見える発作もあります。

 ・まばたきを繰り返す
 ・目を動かす
 ・顔をしかめる
 ・首を振る
 ・ジャンプする(ように見える)
 ・スキップする(ように見える)


音声チック
短い言葉を繰り返し発声します。

 ・咳払い
 ・「あ~」、「う~」などのうなり声
 ・「うん」などの短いさけび声
 ・ため息

これらのチック症状を患者本人の意志で我慢することもできますが、やがてチックを出したい衝動や、出さなければならないという強迫観念が次第に強くなっていき、我慢の末、チックを一気に行うことで解放感を感じてしまいます。

チック症状が多く出るのは、普段気楽にテレビを観たり雑誌などを読んでいるときや、気分がイライラしたり不安感が強いときです。何かに集中したり、学校にいるとき、医師の診察中、睡眠中には症状が少なくなります。

チック障害の症状

チック障害は大きく以下の3つに分類されます。

① 一過性チック障害

運動チックおよび音声チックの両方、またはどちらか一方の症状が、4週間~12カ月未満の間続く場合、「一過性チック障害」と呼びます。


② 慢性チック障害

運動チックと音声チックのどちらか一方の症状が12カ月以上続き、チックが3カ月以上消失せずに持続する場合、「慢性チック」と呼びます。慢性チック障害は、「慢性運動性チック障害」、「慢性音声チック障害」とも呼ばれます。


③ トゥレット障害

2種類以上の運動チックと、1種類または2種類以上の音声チックが、1年以上にわたって続く場合、「トゥレット障害」と呼びます。

チックの原因

チックの根本的な原因はまだ分かっていません。運動機能と意思決定などに関与する線状体という脳の一部の異常と、心の問題が絡み合って症状が出ていると考えられています。

チックの治療法

チックは、そのうち自然と改善することが多いので、周囲があまり神経質にならず、チックの症状に理解を示し、受け入れることが先ずは大切です。チック症の治療法は、生活指導と薬物治療が中心となります。

患者本人が症状にとらわれすぎないよう、不安感を取り除くことも大事だそうです。むやみに怒ったり、注意したりすることは避けなければなりません。全身運動をすることで運動チックの衝動を発散させたり、患者が興味を抱いて熱中できるものを提供することも有効だそうです。

薬物治療には向精神薬が使用されています。眠気やふらつきなどの副作用があるため、とくに年少患者への処方は注意が必要とされています。

チックは脳と心の問題原因です。脳の働きについては専門家による今後の原因究明と治療法開発に期待するしかありませんが、心の問題については周囲の人たちのサポートが有効なのは明白です。親や教師から「どうして黙っていられないの?」と叱られたり、「どうして、まばたきばかりするの?」と何度もたしなめられると、症状が悪くなってしまうこともあります。周りのみんながチックに理解を示し、受け入れてくれる場所・地域・社会が望まれます。

障害者ドットコムニュース編集部

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チック障害

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