ADHDと集中力~過集中と注意散漫について

発達障害

出典:Photo by Nicolás Flor on Unsplash

ADHDの日本語名が「注意欠陥多動性障害」であることからもわかるように、ADHDと集中力のコントロールは切っても切れない特性です。

そこで今回のコラムでは集中力のコントロールに関して、ADHDである私が実際に有効だと思う対処や考え方を述べていきます。

注意欠陥によって起こる問題

集中力によって起こりうる問題は大きく分けて「過集中」と「注意散漫」の2つが挙げられます。

私も含めて、ADHDの人はこの両方の問題を抱えている場合が多いです。

そこで今回は、この2つについて私個人が有効だと思う対処を解説していきます。

ですが実際の対処の前に、まずはこの2つの問題点を少しだけ解説しておきます

過集中は、例えば「PCやスマホをいつまでも触ってしまう」など1つの作業や物、出来事に集中力が全て向いてしまう状態のことです。

日常で起こる問題としては「別の作業に集中し、約束の時間に遅れてしまった」「スマホをつかいながらだと、人の話が一切耳に入らない」などが挙げられます。

また、仕事面では「集中している業務の邪魔が入ると、極度にイライラしてしまう」「作業に集中しすぎて、重要なメールに気が付かなかった」など大きなトラブルに発展するような問題もあります。

反対に注意散漫とは「ひとつの業務に集中できず、スマホに興味が向いてしまう」など、1つの作業や物、出来事に集中できない状態を指します。

日常面の問題は「人との会話中にスマホや周りの会話が気になってしまう」「家事中に話しかけられると、手順をミスしてしまう」などがよくいわれています。

仕事面においても「やるべき業務より、他の業務や社員の会話に気が向いてしまう」「電話を聞きながらメモを取ることができない」など過集中より直接的なトラブルに繋がりやすいです。

過集中と注意散漫はよく正反対のことに思われがちです。

しかし、ともに意識のコントロールが上手くいかない状態であり、意識を上手く配分することが重要になります。

実際に有効な私の対処~過集中の場合

はじめに過集中についての対処を述べていきます。

1つ目の対処は、適度なタイミングで休憩を入れるというものです。

これは実際に休憩を取る必要はなく、メールやSNSを確認したり、上司への報告を行ったりなど、何かしらの合間を作り、作業から意識をそらすことが重要になります。

実際に行う場合には、作業時間を決めてタイマーを用いることをお勧めします。また、身近な人に声を掛けてもらうのも効果的です。

これはそもそも、集中し過ぎて時間感覚が分からなくなり、休憩のタイミングを見誤ることが多いためです。

2つ目は、進捗を考えながら作業を行うということです。

過集中になる場合は、普通より多くの作業を短時間でこなし、想定の進捗より作業が進んでいる場合が多くあります。

そんなときは、進捗を確認することで「予定より早く進んでいるから、ペースを落としてもいい」と実感でき、心の余裕が作りやすくなります。

心に余裕を作りながら、作業を行うことで過集中になりにくくなるはずです。

また、意図的に心の余裕を作り出すため、スケジュールにも余裕を持たせておくのもいいと思います。

3つ目は、スマホやブラウザの通知をオンにすることです。

これは1つ目に似ており、意識をそらす対象を作り、意識的に作業の合間を作りだすというものです。

私の場合はスマホの通知やニュースの通知をオンにしておき、バイブレーションで振動するようにしています。だいたい30分~1時間ぐらいに1度、通知が来るので作業の合間を作り出すことができます。

とはいえ、SNSなどの返信を行うわけではなく、あくまで合間を作るためにしているので、その後SNSが気になって作業が手につかなくなるような人は、やめておいた方がいいでしょう。

実際に有効な私の対処~注意散漫の場合

次に注意散漫の対処についてです。

真っ先に挙げられる対処は、身の回りを整理することです。

例えば、デスクに別の作業の資料があった場合にそちらに気が向いてしまうなど、注意散漫は基本的に他に意識を向ける対象がある際に起こります。

そのため、デスクや鞄を整理しておくことが有効です。

私はPCを使う作業の場合、ブラウザなどの使用していないソフトやタブを閉じ、デスクトップも整理し気が散りにくい環境づくりを心がけています。

2つ目は、耳栓やイヤホンをつけるというものです。

物以外に意識が向きやすい対象としては、他人の会話がよく挙がります。なので、それを解消するために音を遮断することが有効な対処になりえます。

ちなみにですが、私の場合イヤホンで英語やノンボーカルの音楽を流すと、気が散りにくく過集中にもなりにくいため、もし似たような環境の人がいれば試してみて下さい。

もちろん、コミュニケーション自体も遮断されるので、職場や家庭によってあらかじめ周りの人に許可を取っておきましょう。

3つ目は、過集中と同様に作業の進捗を確認することです。

過集中とは反対に注意散漫は、予定より作業の進捗が遅くなる場合が多いです。

そこで、予定より遅れていることをはっきり認知することで、作業に身が入りやすくなります。

もちろん、どうやっても作業に意識が向かないときもあると思います。そんな場合でも進捗を管理しておくことで、上司や知人に報告・相談がしやすくなるので、やっておいて損はないはずです。

また、スケジュールを立てる際には、実際の作業時間には余裕を持たせたうえで、その期限より前に仮想の目標日を立てることで、作業に身が入りやすくなるように感じています。

過集中・注意散漫の利点について

ここまでは過集中・注意散漫の問題点や対処について記してきましたが、これらには欠点だけではなく利点もあります。

過集中の状態では、通常より作業速度が明らかに上がり、人によっては2~3倍の能力を発揮する場合もあります。また集中力が高い状態では、しっかり作業に取り組むことができるため、短時間の作業であれば他人に評価されやすくなります。

とはいえ同じ人間である以上、2~3倍の能力を継続して発揮することはできませんので、長時間作業は気を付ける必要があります。

一方、注意散漫になりやすい人は、言い換えれば様々なジャンルの細かなことに気が付きやすいという人です。また近年では、注意散漫が好奇心や創造性を高めやすいという研究結果も出ています。

広報やジャーナリストなど、新鮮な知識と好奇心を必要とする職業が注意散漫を活かしやすいかもしれません。

おわりに

先ほども述べた通り、過集中や注意散漫は欠点だけの特性ではなく、利点もある特性です。

これら以外でも、ADHDの特性は利点を内包していることが多いです。

なので、しっかり自分の特性の利点、欠点を理解して、適材適所に能力を活かしていきましょう。

参考文献

【気が散りやすい人が個性を活かせる4つのキャリア|ハーバード・ビジネス・レビュー】
https://www.dhbr.net

中学生時代にパニック障害を発症。一度は回復したものの、社会人になって再度発症し、その際にかかった精神科にて、検査を勧められ、発達障害と診断されました。以降悪戦苦闘しながらも、社会に適応しようと奮闘中です。

趣味はゲーム全般で、最近はカードゲームに力を入れています。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

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