ADHDと薬~効果や副作用を理解しよう

発達障害

出典:Photo by Christine Sandu on Unsplash

近年、発達障害を持つ患者数は年々増加しており、発達障害を持つ学生は全体の7~10%にものぼります。

発達障害には様々な治療法があり、そのうちのひとつに薬物療法があげられます。

今回はそんな薬物療法の中でも、特にADHDに処方される3種類の薬について、効果だけでなく副作用も詳しく説明していきます。

ADHDと3種類の薬

ADHDは日本語名を「注意欠陥多動性障害」といい、その名があらわす通り不注意や多動性(我慢ができない、落ちつきがない)が主な特性とされています。

ADHDは脳の神経伝達物質である、ノルアドレナリンとドーパミンの2つが不足してしまうことにより、脳内の情報伝達が上手くいかず先ほどの特性が現れます。

そこで薬物療法では、これらの神経伝達物質をコントロールする器官に働きかけ、情報伝達がおこないやすくなり、ADHDの特性を緩和します。

ADHDの薬物療法に使用される薬は「ストラテラ」「コンサータ」「インチュニブ」が主な3つです。

この3種は先ほどの説明したように確実に効果があるものの、脳に直接働きかける性質からか、副作用が現れやすいです。

そのため、薬の効果や副作用をしっかり把握し、適切なものを選択しましょう。

ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)

ストラテラ(成分:アトモキセチン塩酸塩)は、脳の器官に働きかけドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質を活性化させ、情報伝達を改善する薬剤です。

カプセルと液剤の2種類で処方されるため、子供から大人まで幅広い年齢の方が服薬できます。

ちなみに、筆者もストラテラを服薬しています。

ストラテラは飲み始めてすぐには効果があまり感じられず、1~2ヶ月ほどで徐々に効果が現れます。

そのため劇的な変化は感じにくいですが、飲み始める前よりは確実に改善が見込めます。

ストラテラによる主な副作用は、吐き気や腹痛などの胃腸症状、頭痛、眠気などがあげられます。

特に飲み初めにこの副作用が起こりやすく、筆者も吐き気止めの薬を処方していただきました。

副作用はあるにはありますが、特定の器官にしか働きかけないため、他の薬よりは控えめです。

そのため、すぐにADHD症状の改善が必要ない人に処方されやすくなっています。

コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)

コンサータ(成分:メチルフェニデート塩酸塩)はストラテラ同様、ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質を活性化させ、情報伝達を改善する薬剤です。

ストラテラと違い、コンサータは即効性に優れており、2~3回の服用で効果が如実にあらわれます。

実際に服用している方は「服用後30分ほどで頭がすっきりと晴れたような感覚になる」とおっしゃっていました。

また約12時間ほど継続して効果があらわれるため、朝に一度飲むことで日中効能があるとされています。

この効能から日本国内では流通が管理されており、一部の医師や薬局でしか取り扱いができません。

副作用としては、口の渇き、食欲不振、吐き気、便秘、不眠、頭痛、体重減少など様々なものがあげられます。

さらに、効果中と効果の切れた際のギャップから、薬に依存してしまうケースも確認されています。

服薬の際に「夜に間違えて飲んでしまい眠ることができなかった」こともあったそうなので、取り扱いには十分に気を遣う必要があります。

とはいえ、しっかり医師と共に用量・用法を守って服用すると、即効性と持続性の高い効果抜群の薬になります。

特に仕事や学業に現時点で支障が出ており、すぐにADHDの症状を緩和する必要がある方は試す価値がありそうです。

インチュニブ(グアンファシン塩酸塩)

インチュニブ(成分:グアンファシン塩酸塩)はストラテラ、コンサータとは違う形で脳に働きかけ、ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の伝達量を増やし、ADHDの症状を抑えるとされています。

インチュニブは1~2週間で効能が現れ、ストラテラよりは効果が感じやすいといわれています。

劇的に効くわけではないものの、衝動性には非常に効果があると感じる人が多いです。

この薬の大きな副作用として傾眠があげられます。

元々血圧低下のための薬ということもあり、低血圧で特に朝に弱くなりやすいです。

また、人によってはめまいや立ちくらみを感じることもあるため、人を選ぶ薬です。

衝動性が高い方で、低血圧ではない方が飲みやすい薬だと思います。

おわりに

そもそも「医師としっかり話して、処方していただけばいいのでは?」と思う方も多いでしょう。

しかしながら、人によっては「少し副作用を感じるけど医師が処方しているし、いわなくていいか」「まあ、どの薬でも医師が処方するものが一番合っているだろう」と思い、それ以上薬について調べない人も少なくはありません。

そんな際には今回紹介した3種類の薬を思いだすことで、よりよい薬を選択しやすくなるはずです。

ぜひ自分に最も合った薬を服用し、少しでも楽な生活を送ってください。

参考文献

【Medical Note|ADHDは薬物治療で治る? 薬の種類と特徴】
https://medicalnote.jp/

【おくすり110番|アトモキセチン塩酸塩】
http://www.jah.ne.jp/~kako/

【おくすり110番|メチルフェニデート塩酸塩】
http://www.jah.ne.jp/~kako/

【おくすり110番|グアンファシン塩酸塩】
http://www.jah.ne.jp/~kako/

中学生時代にパニック障害を発症。一度は回復したものの、社会人になって再度発症し、その際にかかった精神科にて、検査を勧められ、発達障害と診断されました。以降悪戦苦闘しながらも、社会に適応しようと奮闘中です。

趣味はゲーム全般で、最近はカードゲームに力を入れています。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

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