アニマルセラピーから学ぶこと~愛犬と私

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出典:Photo by Minh Pham on Unsplash

みなさんはペットを飼っていますか?私は実家で柴犬と暮らしています。とても愛らしく、だけどもお世話が大変…でもかわいい、といった具合に癒しを提供してくれる大切な家族です。こうした動物とのふれあいの中で、もたらされる精神へのポジティブな効果を活かして「アニマルセラピー」が行われています。本コラムでは、アニマルセラピーの効果について私の愛犬を例に紹介します。そして私が愛犬から学んだことについてもお話します。

アニマルセラピーとは?

アニマルセラピーとは、動物とのふれあいによって癒しをえて、精神の安定化や生活リズムの改善を図ることです。ふれあうなかでストレス解消をうながしリラックス効果を生み、安定したメンタルを育んでくれます。そういった精神の安定化はやがて意欲の向上につながり、心豊かな生活へと導いてくれます。動物とのふれあいによってストレスを発散したいのであれば、猫カフェやふくろうカフェなどもうってつけの「アニマルセラピー」だと思います。

それではアニマルセラピーの効果について、私の愛犬を例に紹介します。

愛犬との出会い

3年前の11月、ペットショップで生後3ヵ月になるメスの柴犬を家族としてむかえ入れました。毛並みは黒色で体重は3㎏にも満たず、だっこをしてもまったく嫌がらない子でした。母いわく、そのキョトンとしたふるまいに見事、心を射ぬかれうちで育てることにしたとのことです。

当時の私は離職してすぐで、精神病院に通院しながら休養をとる生活を送っていました。失意の中で、気持ちもふさぎこみ抑うつ感がとても強い時期です。そんなときに私は愛犬と出会いました。

子犬期のお世話

しかし家族にむかえ入れたのはいいものの両親は共働きで、つきっきりでお世話することができるのは私だけでした。というのも子犬期は成長スピードが早く、かつその時期の養育は成犬後の性格や社会性、健康状態に大きく影響するため、誰かが注意深く見守りながら面倒をみる必要があったのです。私は、憂うつ感によって昼すぎまで寝こけていた生活リズムを、ワンちゃんのお世話をするために改善しなければなりませんでした。

毎朝なんとか午前中に起床できるようになった私は、両親が仕事で不在のあいだ子犬だった愛犬のそばにつねに居続けました。

新しい環境への緊張感や不安感からか、子犬のころはよくおしっこをしていたため(日によっては一日で15回ほどおしっこをするときもありました)そのたびにトイレ用のシートをしき替えなければなりませんでした。

また「甘がみ」をおぼえさせようとして何度もかまれたため、両手には生傷がたえませんでした。

それから今後のことも考え、ひとりでお留守番できるよう訓練するために、あえてワンちゃんの視界から消えてみたりもしました。そのたびに探してないていましたが、やがて落ちつくようになりました。

さらに犬といえば大事なのが散歩です。最初は外がこわくてなかなか歩みを進めることができなかったのですが、根気強く散歩をつづけることで次第に歩くようになりました。

両親も時間があればお世話をしていました。それまでほとんど家族とコミュニケーションをとっていなかった私ですが、愛犬を囲むことで少しづつ会話する機会が増えていきました。そのほかにもいろいろありましたが、半年以上にわたりお世話した結果、性格もおだやかで天真爛漫な成犬として無事成長しました。

以上のように、ワンちゃんを飼育する際には決まった時間にお世話をしなければなりません。そしてひとりでは限界が出てくる場合もありますので、助け合えるだれかがいればうまく分担しながら養育していく必要があります。

こうして私は愛犬との生活をおくる中で「規則正しい生活リズム」と「疎遠だった家族とのコミュニケーション」を身につけることができました。

成犬期と現在

次の段階として、たくましく育った愛犬に社会性を身につけてもらうことにしました。つまりほかのワンちゃんと交流しようと思ったのです。いろんな犬を見かけても、かんだり吠えたりしないようにする訓練もかねてドッグランへと連れていきました。

ドッグランではさまざまな犬種と出会いました。そこで私は、飼い主の方々とたくさんコミュニケーションをとることができました。それぞれの犬種の特徴や悩み、育て方などの情報を共有したり、犬同士がたわむれる姿を見て一緒に笑ったりしました。今まで世間離れしていた私が、ペットを飼っている人たちのコミュニティに身を投じることができたのは、まさに愛犬のおかげだと実感しています。

今も愛犬はすくすくと成長しています。ときにはドッグラン以外にも、海やお花がたくさん咲いている公園などに車で遠出したりしています。そうした経験が功を奏し、お出かけが大好きなワンちゃんになりました。私にとっても、家で引きこもっているより景観の美しい場所へ行くほうがよっぽど気分転換になるので、外出をする機会を与えてくれる愛犬にはとても感謝しています。

愛犬から学ぶこと~アニマルセラピーを通してえた気づき

以上のように、ペットを飼うとそのお世話をする必要があります。犬の場合は犬種にもよりますが、ある程度の散歩の時間を設けないと運動不足になり、それは最悪病気の原因にもなります。私の愛犬も毎日の散歩が欠かせません。これは「しんどいなぁ」と思っている時でも、代わりにやってくれる人がいないのであれば、行かなくてはなりません。しかし、こうしたやらなければならないタスクが毎日あることで、生活リズムを整える効果があります。

そんな手間のかかるペットの飼育ですが、支えとなるのはやはり「かわいらしさ」だと考えています。愛犬がふりまく「愛らしさ」や「いじらしさ」と毎日ふれあい、癒しをえているからこそ、私や家族は愛犬のお世話を積極的にこなすことができるのです。家族としてむかえ入れた日から、その気持ちがゆらいだことはありません。むしろ日ごとに愛着が増し、より一層かわいく見えてきます。お世話をすればするほどなついてくれる「犬」という動物は、人間にとってかけがえのないパートナーなのだと改めて実感します。

そして私は、愛犬のふるまいから多くのことを学びました。うちの犬は遊んでほしいときボールをくわえて来ます。私が晩ごはんを食べているときでさえ持ってきます。そうした自分の「したい」「してほしい」という希望に素直である姿は、普段から意見や主張をのみこんでしまう私にとって尊敬する行動です。

そして、楽しいときは体いっぱいで表現します。愛犬はお出かけの用意をしていると、それを察してすごく興奮します。家中を走りまわりお出かけにいく喜びをわかりやすくこちらにも伝えてくれます。そうした感情の豊かさや全力で表現する姿勢は、気持ちがふさぎこみがちな私にとって見習うべき所だなとつくづく思います。

まとめ

このように、私は愛犬から精神的安定や生活習慣の改善だけでなく、その自由奔放な行動から教訓もえることができました。これらすべてが「アニマルセラピー」として、私にたくさんのメリットをもたらしたのです。日常をいろどる大切な存在として、愛犬が私のそばにいてくれることを心からうれしく思います。

これからもたくさん愛犬とお出かけして、一緒に遊んで癒しをえながら心穏やかに生活していきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

参考文献

【anispiHoldings アニマルセラピーの効果とは?ストレス解消から認知症、うつ病改善まで】
https://anispi.co.jp/

かふか

かふか

「気分変調症」という精神障害を患っている男性です。就労移行支援事業所にて社会復帰に向け訓練に励んでおります。趣味は音楽鑑賞で、ドラムの演奏が得意です。川のせせらぎのようなジャズから、荒波のようなデスメタルまでこよなく愛しています。

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