家族への憎しみから解放されよう~睡眠障害歴10年の私がよく眠れるようになるためにしたこと

睡眠障害

出典:Photo by Claudia Wolff on Unsplash

精神疾患や睡眠障害を抱える方の中には、家族との不和がある方も多いのではないでしょうか。いっその事縁を切ってしまおうか……。そんな風に考える日もあるかもしれません。

しかし、縁さえ切れば楽になれるというわけではありません。実は自分を知ることが呪縛を解く重要なキーになっています。自分を知り、呪縛から逃れることで、私の病状、特に睡眠障害はかなり軽くなりました。今回は私の経験を元に、家族への憎しみから解放される方法を一緒に考えていきましょう。

これまでのことを書き出そう

まずは、自分が家族に心を支配されるようになった経緯をまとめてみましょう。その時の感情は後でまた深掘りしていくので、なるべく実際に起きた出来事だけを書くようにしましょう。

思い出すのがつらいこともあるので独りで長時間無理せず、周りのサポートを受けながら少しづつやっていくのが私のおすすめです。

私は小さいころから母に心配されたくてたまりませんでした。1つ上の兄が病気がちで、私よりよく母に構ってもらえているように見えていたからです。

また兄は優秀で、いつも兄よりいい成績を出せない自分を歯がゆく思っていました。私の成績でも母は褒めてくれましたが、私は納得いかない成績で褒められることが凄く嫌でした。

私が小学校高学年のころ、母は離婚して母子家庭となりました。母は看護師として昼夜問わず毎日働くようになりました。その時期から母はいつもイライラしていて何をするにも大きな物音を立てるようになったのです。兄はそんな母と関わらないように部屋にこもり、同居していた祖母はそんなことお構いなしと、母の気持ちを逆なでするような言動をしていました。

私はというと、母をフォローしようと奮闘していましたが、上手くいかず、母にとって私は嫌な存在なんだと感じるようになりました。常に母の機嫌を取る方法を考えている内に、母のことが異常に怖くなってしまい、気づけば睡眠障害と双極性障害を発症してしまったのです。

その時の気持ちから自分の本心に迫ろう

家族に心を支配されるようになった経緯をまとめてきましたが、次に「私はこう思っている」ということを客観的に見ていきます。頭がぐるぐるしていると案外自分が何を考えているか、本当はどうなりたいのか解らないものです。なぜそう思うのか、何が引っかかるのか、丁寧に自分の気持ちを掘り下げてみましょう。

私の場合、うつ状態が酷い時は「お母さんのせいでこうなったんだ」「お母さんが憎い、許せない」「誰も助けてくれなかった」「死にたい」「何もかもめちゃくちゃにしたい」のような他人を責める気持ちや破滅願望でいっぱいでした。

「なぜお母さんが憎いのか」ここを掘り下げていくと「本当はお母さんがだいすき」「お母さんにあまえたい」という感情が見つかりました。

お母さんのことが大好きなのに私の思うように愛してくれなかった、お母さんに甘えたかったのに怒ってばかりで会話してくれなかった。これが憎しみになったんだとわかったのです。

成績が出ない時は褒めるより「もっと頑張れ!」と言って欲しかった。私の小さな変化にも気づいて心配してほしかった。会話がしたかった、母が何を考えているのか教えて欲しかった……

自分の思考を柔らかくしてみよう

ここまでくると、うっすら自分がどんな人間か、何に価値を置いているのか見えてきます。私の場合は他人にも自分にも完璧を求めてしまうというところがありました。

母にも完璧を求め、私にとって完璧でない母を心の中で責めて、自分は被害者で、加害者である母が私の悩みを解決しなければならないと信じて疑いませんでした。

客観的に自分を見ることができたら「それは違うな」とか「こう考えることもできるんじゃないか」とか、自分に対してツッコミを入れていきます。

親だって人間なんだから完璧にできるわけがない。親子も他人だから言わなければ、気持ちもわからない。母は離婚したことで、かなりハードな職場で必死に働いていた。ホッとできる時間が無かったのではないか……

症状の軽減

自分が母のことが本当は大好きなこと、それなのに自分の思うように構ってもらえなくてずっと悲しかったこと、これらに気づいてから、母に関する悪夢をほとんど見なくなりました。

悩みの渦中にいた時は、母のことを考えながら寝ると、いつもゴキブリの夢を見ました。他にも母に追いかけられる夢や、母に絶叫しながら想いを伝えるのに聞いてもらえない夢なども、とにかく毎日見ました。起きると身体が硬直していて爪が手のひらに食い込んで痕がついていて、寝ている間に歯を食いしばっているので何本か欠けてしまったのです。

約10年眠剤が手放せませんでしたが、去年ようやく眠剤がなくとも眠れるようになりました。双極性障害の症状は未だに油断はできませんが、うつ状態が劇的に軽くなりました。改めて私の悩みのほとんどは母との関係だったんだなと今では思います。その証拠に、たまに母との距離感が分からなくなると、眠れなくなったり、うつ状態が悪化したり、パニック発作を起こしたりします。

まとめ

母との接し方についてはまだまだ不安なこともあります。訪問看護師さんや友達に相談しながら取り乱してしまうこともあります。

私の中のまだ幼い私が泣いているようです。

そんな時はうんと自分に優しくしましょう。

そして、母のことを大切にしたいのに上手くいかない、その気持ちは決して悪いものではないことを今では知っています。だから何度でも立ち直って、もう1回向き合ってみようと思えます。

もし、同じような悩みを抱えてる方がいれば、気が向いたら試してみてください。皆さんがよく眠れますように。

花を愛でる洞窟のモンスター

花を愛でる洞窟のモンスター

躁うつの波でサーフィンしています。危ないこともあるけれどなんだかんだ毎日楽しいです。これだから人生はやめられない!

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