自分をいたわってあげる大切さ~うつ病になった私が前を向けるようになるまで

うつ病

出典:Photo by Jeffrey Grospe on Unsplash

子供のころから自己肯定感が低く、周りの様子や顔色をうかがいながら生活していました。完璧主義なところがあり、失敗すると落ち込む。そんな毎日を過ごしていた私が、うつ病を患ってから前を向けるようになるまでの話です。

少し自信をつけるまで

昔からコンプレックスの塊だった私ですが、そんな私でも自信を持てるようになったのが、介護という仕事でした。祖母の認知症をきっかけに、介護業界に興味を持ちました。就職に向けて行動を起こしたのは平成22年の26歳の時ですが、働きながら資格を取れる、という言葉にひかれ、早速応募したのです。

採用されてからは、がむしゃらに仕事に打ち込み、ヘルパー2級の資格、介護福祉士の資格を取得。また、合格率は低いといわれていたケアマネジャーの試験にも合格しました。学歴がない、というコンプレックスを常に抱えていた私ですが、これらの資格を取得するにつれ、少しづつですが、自信を付けていけたのです。

少し自信がついた私は、新たな場所で再出発をすることにしました。ここまでやってこれた自信があるから、大丈夫。そう思っていたのです。当たり前ですが、施設が変わるとルールが変わり、スタッフも変わります。介護度の高いご利用者様の介助、そして夜は1人の夜勤に上司からのプレッシャーもありました。日々「今日は何も起こりませんように」と、びくびくしながら仕事に通っていました。少しづつ築いてきた自分の自信が、一気に崩れていってしまったのです。

うつ病の診断

ある時から食事がとれなくなり、毎日ゼリー飲料で済ませるようになりました。家族と同居していたので、当然家族にもばれてしまいます。ついには仕事終わりに泣きながら帰ることも増え、そこで自分でもおかしいことに気づきました。

診断の結果はうつ病。早く楽になりたいという思いが強かった私は、診断がついたことに安心しました。そこから休職し、別の部署へと異動になったのですが、上手くいきません。自己肯定感もさらに低くなり、仕事への自信もなくなって、結局その職場も辞めてしまいました。

治ったと勘違い

退職してから、デイケアに面接にいく機会があり、採用してもらうことになりました。夜勤無し、日勤のみ。かなり体は楽になりました。今まで辛かった気持ちの落ち込みもほとんどなくなり、うつ病は治ったんだと思ったのです。それから病院にも通わなくなり、薬もやめてしまいました。

そのせいか、次第に通勤の電車に乗るのが苦痛になり、職場の手前で引き返すことも多くなり、毎日欠勤の電話をするようになってしまいました。再診を経て、うつ病の再発と診断されました。休職の後、結局退職せざるをえなくなってしまったのです。

病気と向き合うこと

その後も就職するのですが、結局同じことの繰り返です。根本から改善しないといけないと痛感しました。

ある時目に入ったのが、就労移行支援事業所のCMでした。毎日どうにかしなきゃと、思いながら生活していたところに流れてきたCM。「ここに賭けてみよう」そう思いさっそく見学へ。ただ、そこでも休みが多く、満足に通えません。そんな私にも、スタッフのみなさんは温かく迎えてくださいました。

私のつたない話も真摯に聞いてくださり、決して否定はしない。いいところを必ず褒めてくれる、など話を聞いていただくうちに「自分はこんなに自分のことを認めてあげていただろうか」と自分の気持ちにも変化が起こりました。

そこでまず始めに、自分を認めてあげることから始めました。「朝起きるだけでもすごい。じゃあ次は着替えてみよう」と、小さいですが、ひとつづつできることを増やしていきました。すると「朝、今日は出席してみよう」という気持ちになり、ちょっとづつですが、就労移行事業所に通えるようになったのです。

まだまだ時間はかかるかも知れませんが、就労移行に通ううちに、ちょっとづつ先が見えてきました。家族はもちろん、根気強くサポートしてくださったスタッフのみなさんには感謝してもしきれません。

これから自信を取り戻すには

自信を取り戻すのは簡単ではありません。最初は、今までできていたことが、できなくなったと落ち込んでいました。ですが、ずっと自分を責めるのではなく、ちょっと休む時間が必要だっただけだと、考えるようになりました。

今までの出来事は、これから先の人生で必要な経験だったと思います。うつ病になってよかったとは思いませんが、病気になって見えたものもあります。

自分を大切にすること。理解してくれる人を見つけること。

家族や、就労移行のみなさんに病気のことを理解してもらえたことが大きかったです。否定をせず、受け入れてくれたことに感謝しています。

自分が健康でいることが親孝行になるのではないか、という気持ちの変化がありました。やりたいことも増えました。もっと資格を取りたい、人の役に立ちたい。今はそんな欲求がわいています。

気持ちを前向きに持っていくことはかなり労力がいります。私もまだコンプレックスの塊で、すぐに気持ちが折れることもあります。これから再就職をするにあたり、やはり不安はあります。ダメでも次があると、気持ちを切り替えることを心がけたいです。

この病気になって気づいた、自分をいたわること。これを大切にしていきたいと思います。みなさんも自分を大切に、いたわってあげてください。

耀

耀

宝塚歌劇やサブカルが大好き。現在は就労移行支援事業所に通い、就職を目指しています。趣味は観劇と飼い猫を愛でることです。

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