わたしがうつ病になったきっかけ~原因がなくなればうつ病は治ると思っていた

うつ病

出典:Photo by Diana Parkhouse on Unsplash

うつ病になった方、発病したきっかけがはっきりとありますか?それとも特にはっきりとした、きっかけはありませんでしたか?

その理由は様々だと思います。私は、はっきりとした理由がありました。ですが、その理由から離れたからといって、すぐに病気が良くなるわけではありませんでした。

うつ病になったきっかけのはじまり

入社してすぐ、私は初めて社会人として働くということで、毎日とにかく仕事を覚えるのに必死でした。

そんな中、体調不良で同じ部署で働く先輩社員の方が退職されたのです。原因はなんとなく私もわかっていました。それは、その方の同期で私の教育担当の方からの嫌がらせでした。最初のころは私も周りを見ることができていなかったので、気づかなかったのですが、ある日退職された先輩が、私の教育担当の方に怒鳴られているところを見て気づいたのです。

その時は「こんな事をされたら私も辞めたくなる」なと他人事のように思っていました。

しかし、後にこの嫌がらせが私に向けられるようになったのです。

はっきりとしたきっかけ

最初は仕事で分からないことがあって質問しても無視をされたり、嫌そうに怒りながら教えられたりと、その程度でした。ですが、段々と嫌がらせはエスカレートしていき、教育担当の方の機嫌によって物を投げられたり、怒鳴られたり、私の仕事量のチェックを常にされ、量が少なければずっと隣の席から罵声を浴びせられる毎日でした。

その時は「社会人なんだからこれくらいのことで投げ出してはいけない」「きっとみんな辛いことがある中で働いてるんだ」と自分を納得させるようにしていました。

ですが、段々といろいろな支障が体へ出てきたのです。

うつ状態の症状

最初は夜眠れなくなり、一睡もしないまま仕事にいく日が続きました。また、食欲がなく、嘔吐を繰り返し、ほとんどご飯を食べれなくなっていったのです。

「ただ疲れが溜まっているだけだ」と思うようにし、内科の病院にいって吐き気止めのお薬をもらって生活していました。

その間も変わらず、教育担当の方からの嫌がらせは続いていき、朝仕事にいきたくなくて、たまらなくなり、家を出てから会社に着くまで毎日泣きながら通っていました。とにかく教育担当の方と顔を合わせるのが、会社にいくのが、怖かったのです。

体調はどんどん悪くなる一方で、1か月以上微熱が下がらなかったり、めまいが治まらず、でも会社を休んだら何を言われるかわからない、という恐怖でタクシーで会社に通っている時期もありました。

うつ病と知って

そんな日が続いて、内科の病院にいくことが増えていったのですが、検査をしても体調不良の原因はわからず、心療内科の病院にいくことを勧められました。その病院は平日にしか診察をいっておらず、会社を休まなくてはいけないため、それだけはできないと内科の病院の先生に泣きながら訴えかけたのを今でもはっきりと覚えています。

それでも「ストレスや心の病が原因かもしれないから必ずいくよう」にと紹介状を渡され、予約もとられたのでもう心療内科にいくしかない状況になったのです。

それが決まってから上司に相談し、今までの経緯と体調不良の原因がストレスかもしれないと初めて伝えました。幸い、上司は理解してくれ、会社を休んで心療内科にいくことになったのです。

実際に心療内科にいって会社での状況や体調不良について話をすると、先生に「うつ病だね」とはっきりといわれました。私は正直「社会人にはよくある事だよ」などと軽くいわれるだろうと思っていました。しかし自分はうつだったのです。

正直とてもショックでした。うつ病なんて他人事で自分に起こるわけがないと思っていたからです。しかし、先生には「とにかく教育担当の方と物理的に離れた方がいい」といわれました。でも、私の中で会社を辞めるという選択肢は思いつきませんでした。

なぜなら、私は大学時代就職活動にかなり苦労をし、やっとの思いで決まった会社だったので「辞めたら私なんてどこも雇ってくれるはずがない」「今のこの会社以外きっと私の居場所なんてないんだ」と思っていたのです。その考え自体が、うつ病の症状のひとつでもありました。

うつ病になったきっかけと離れてみて

病院での診断内容を会社の上司に相談して、教育担当の方と席を離してもらうことになりました。しかし、席を離したからといって嫌がらせが無くなることはありませんでした。そのままなんとか心療内科でもらった抗うつ剤や睡眠導入剤、食欲増進剤などのお薬を飲みながら会社に通い続けていました。

しかしある日突然、朝目覚めると起き上がることができず、体が思うように動かなくなってしまっていたのです。とうとう心と体の限界を迎えてしまいました。その状況を上司に説明し、しばらく休んだあとに会社と相談し、休職することになりました。その後、6か月の休職期間を経て復職しましたが、状況は変わらず、退職することになりました。

「退職すれば教育担当の方とはもう会うことはないし、ストレスの原因も無くなったので、きっとうつ病もすぐによくなるだろう」と思っていました。しかし、体調はあまりよくならず、体が思うように動かない日々が数か月続きました。「いったい、いつになったら、うつ病じゃない、普通に生活していた自分に戻れるのだろう」と不安でたまらなくてどうすればいいのか全くわかりませんでした。

忘れるということ

そんなある日、母に就労移い支援というものがあることを教えてもらい「気分転換も兼ねていってみたらどう?」といわれていってみることにしました。そこで次の就職に向けてパソコンスキルを身に着けたり資格をとったり、いろいろな新しいことに挑戦することで、段々と前の会社での出来事を忘れていけるようになりました。

この過去の自分と切り離して「忘れる」ということが自分にとってとても大事なことだったのです。

今では、毎日のように就労移い支援に通いながら就職に向けて活動しています。ここまで回復できたのは何か集中することを見つけ、過去と自分を遠ざけることができたからだと思っています。これからは過去ではなく、未来を見すえて頑張って生きていきたいです。

ぶどう

ぶどう

現在は就職に向けて就労移行支援に通っています。
最近の趣味は流行っているユーチューバーの動画を見ることです。

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